遅れてすみません。
勝手にタグ増やしました。
まぁ、この小説には必須タグですね。
魔法の説明、皆さんが理解できてくれているなら考えたかいがあるというものです。
……さて、どうやら私の脳内が覗かれたようですね。
感想者さんの中に精神干渉魔法が使える方がいるみたいです。
翌日の放課後、部活が決まっている者はその部活へ、決まっていない者は昨日と同様に、再びあの喧騒の中へと向かっていく。
そんな中、達也は現在起きていることに頭を悩ませていた。
行く先々で、何故か上級生が争うのだ。
そして、風紀委員として見逃せない達也が止めにはいると、誤作動に見せかけて達也に魔法を使ってくる、という嫌がらせを頻繁にしてくるようになった。
恐らく、昨日の体育館での一件が知れ渡り、怒り心頭した上級生がグルになっているようで、遠方からの魔法攻撃もかなりの頻度で仕掛けてくる。
つまり、行く先々で起こっている揉め事も、全て達也を狙ってのものだったのだ。
だが、達也の意識は別の方向へ行っているために、魔法を使ってきた相手の後を追うこともせず、魔法だけ避けて再びそちらに意識を向ける、という繰り返しをしている。
達也が意識を向けているのは、昨日の件についてだ。
『ごめんね、達也。この本には勉強のことだけじゃなくて、僕の長所や短所、性格、癖など、僕の全てが書かれている本なんだ。達也たちとは友達、いや、親友と言ってもいい程にはもう仲良くなったと思っているし、これからもそう。でも、これを見せるのはさすがに抵抗があるんだ。この本は僕たちE組……あ、中学校の時のね。その僕たちE組と殺……担任の先生との絆そのものなんだ。そして、先生からのこれからのアドバイス、思い、願いが書いてある、そういう本なんだ。だから、見せられない。ごめん。』
それは、カフェで達也が本を貸してほしいと言ったときの渚の言葉だった。
棘が無いように考えて言ったであろうその言葉だが、それは明確な否定の言葉。
渚がここまで明確な否定を見せるとは思っても見なかったが、その言葉を聞いた達也には、さらに、昨日少しだけ中を見た達也には、どれだけ殺せんせーが渚たち元E組にとって大切な存在だったのかが理解できた。
殺せんせーは、E組にとってはかげがえのない存在で、道標で、目標で、越えなければならない先生。
そして、殺せんせーは自分を越えてくれるように、生徒が『自分』というものの存在を、未来への希望を見出だしてくれるように近くに寄り添って歩いてくれた、そんな先生。
百聞は一見にしかずとは言ったものだが、確かにその通りだった。
昨日の本を見れば、わかる。
生徒をしっかり見ていたからこその、あの本の分厚さ。
生徒を思っているからこその、あの本の分厚さ。
生徒を思っているからこその、丁寧な教え方。
聞くよりも、見た方がそのすごさがわかる。
だからこそ、あの本の中身が気になる。
そこで、再び魔法が達也に向かって飛来してきた。
それを腕をクロス、つまり、昨日の本で書いてあった魔法を使って対処する。
その魔法は、相手の使う魔法が分からなければ使えないという欠点がある。
しかし、それは達也にとっては関係のないことだ。
達也の
達也は、逃げていく犯人を見ながら、今度からは追いかけてみるか、と心に決めて再び巡回に戻った。
◆◆◆
昨日と同じく新入生を激しく取り合っている校庭で、一人の青髪の少年があるテントの前に立っていた。
「あの、潮田 渚です。部長さんはいませんか?」
「おう、来てくれたな、渚君!」
言わずもがな、渚だ。
昨日、渚がカフェから帰った後すぐに帰ってきた両親に、直談判したのだ。
正直に、部活をやらせてほしい、家事は今まで通り手伝うからと。
緊張しなかったといえば、嘘になる。
ゆっくりと顔を上げた渚は、両親が顔を見合わせてニッコリと微笑んでいるところを見た。
『渚。私たちは貴方が一高に入るのは反対していなかったし、家事も忙しくなる貴方が無理して手伝う必要はないわ』
『そうだ。渚はもっと高校生らしく、高校生活を楽しむ義務があるんだから。中学校の三年間、打ち込めなかった部活動を、高校生というものをもっと楽しんでこい』
二人とも、否定しなかった。
その時を思い出して少しウルッと来てしまった渚だったが、さすがにここでいきなり泣くわけにもいかない。
なんとか押さえ込む。
「あの、両親から許可が下りました。これからよろしくお願いします!」
「おお、そうか!期待してるよ、渚君!」
渚の、マーシャル・マジック・アーツ部入部が決まった瞬間だ。
「お、新入生一人ゲットですか部長」
「おう、沢木。巡回お疲れさん」
そこで、渚の後ろから声がかかる。
振り返った渚がまず目にしたのは、風紀委員の腕章。
「へぇ、そうですか……小柄な体型ですが、使えるのですか?」
「大丈夫だ。彼の技量はこの目で見させてもらったよ」
「なら、大丈夫そうですね……二年D組、沢木
「あ、一年E組、潮田 渚です!」
「E組……司波 達也と同じクラスか。よろしくな、潮田君」
手を前へと差し出す沢木。
それに応えるために、渚もその手を握りかえす。
しかし、その手が離れることはなかった。
「それから、自分のことは沢木と苗字で呼んでくれ」
みるみると握る力が強くなっていく。
「くれぐれも、名前で呼ばないでくれたまえよ」
それは、警告だった。
どうやら、『碧』という名前は女っぽいところがあるからか、好きではないようだ。
ちなみに、渚も女っぽい名前だが、見た目が女っぽいためどうしようもない。
手がミシミシと言いそうなほどの握力。
確かに、握る力は強い。
しかし、拘束から逃れる術は、一通り心得ている。
渚は、手を細かく捻って、沢木の手からヌルッと抜け出した。
「……なるほど。確かにこれは期待できますね」
「……沢木の握力は百キロ近いというのに、その体格でよく解いたな」
これに対し、沢木は天晴れ、といったような表情で、部長の方は驚愕の眼差しで渚を見た。
「それでは、これからよろしくお願いします!」
そんな二人に渚は一礼してその場から離れ、新入生らしき生徒が集まっているところへと向かう。
だが、彼らは一科生。
当然渚をよく思うはずもなかった。
それを知っていた渚も、近くにいるだけでその輪に加わろうとしない。
「ねぇ、君って昨日先輩を倒した人だよね?」
だが、一人だけ例外がいた。
いきなり声をかけられてビックリした渚は、バッ!と声のかけられた方へ顔を向けると、そこには自分より少し身長が高い一科生の男子生徒がいた。
「あ、僕は一年B組の
「僕は一年E組、潮……って知ってたんだ。渚でいいよ。よろしくね、十三束君」
「僕も鋼でいいよ」
一科生で『十三』。
百家であるとこは、容易に想像ついた。
「実は、昨日のあのデモンストレーションを見てね……渚とは一度お手合わせをしてみたいと思っているんだ」
百家にして、一科生。
そんな優等生の彼が、自分と戦いたいといっている。
だが、さすがに渚はまだ魔法を取り入れた格闘技には慣れていないし、デモンストレーションの時は魔法なしだった。
普通に考えて、勝てる可能性は極めて低い。
「……さすがに、鋼に勝てるとは思えないけどなぁ」
「でも、僕は渚に負けると思ってるよ。少なくとも一回目は必ず」
渚のは、どちらかと言えば謙遜してのことだ。
だが、見破られていたらしい。
確かに、渚は相手が初見ならある技さえ決めてしまえば勝てる。
だが、回数を重ねていくうちに辛くなっていくのもまた事実。
「いや、鋼には敵わないと思うよ」
それにより、
だが、鋼はふふ、と笑って目に闘志を宿しながら言った。
「まぁ、口では二人とも何とでも言えるからね。今度実際にやればわかるよ」
新しい出会いとともに、渚の部活動が始まった。
達也の眼については、摩利と生徒会メンバーしか知りません。
森崎の件は渚が止めてしまいましたからね。
自分がこの小説を書くに当たって気を付けていることですが、文章は勿論、一話につき一つ以上、必ず暗殺教室のネタを出すことです。