魔法科高校の暗殺者   作:型破 優位

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SAO一期二期三周目終了しました。
……前書きに書いたからといって期待しないでくださいね?←

今週中に九校戦編入ります。
未だに赤評価+更新する度に日間一桁ランクインなのが信じられません。


テロリストの時間

 その出来事は、いきなり起きた。

 

『全校生徒の皆さん!』

 

「何だ何だ一体こりゃあ!」

 

「チョッと落ち着きなさいただでさえアンタは暑苦しいんだから」

 

「……落ち着いた方がいいのは、エリカちゃんも同じだと思う」

 

 レオやエリカを含め、少なくない生徒が放課後にいきなりスピーカーから流れた大音量の放送に慌てふためいた。

 

『――失礼しました。全校生徒の皆さん!』

 

 スピーカーからもう一度、今度は決まり悪げに、同じセリフが流れる。

 

『僕たちは、学内の差別撤廃を目指す有志同盟です』

 

「有志ね……」

 

「ん?達也どうかした?」

 

 スピーカーから流れる男子生徒の言葉にため息混じり呟いた達也に、渚が反応した。

 

「いや、こっちの話だ」

 

 しかし、達也にはぐらかされてしまい、渚にはそれ以上追求することはかなわなかった。

 

『僕たちは生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します』

 

「ねぇ、行かなくていいの?」

 

 達也の非好意的な呟きや応答が聞こえたわけでもないのだろうが、座ったままスピーカーに目を向けている達也に、エリカが何か期待したような声で訊ねる。

 

「そうだな。放送室を不正利用しているのは間違いない。委員会からお呼び出しが……来たな。それじゃあ行ってくる」

 

「達也、頑張ってね」

 

「あ、はい、お気をつけて」

 

 委員会の方から呼び出された達也は放送室へ向かい、それを見送る渚と美月。

 渚はどうかわからないが、美月は声が揺れていたために、不安なのだろうとすぐわかる。

 

 ふと気になって、達也は教室の様子を見回した。

 座ったままのクラスメイトや立っているクラスメイトの両方ともいたが、教室から出ようとするクラスメイトはいない。

 

 大半のクラスメイトは、このまま帰っていいのか決めかねていた。

 

 だが今そのことは関係ない、と達也は教室を出て頭を切り替え、問題の放送室へと向かった。

 

◆◆◆

 

 翌日、昨日の事件の結論として明日講堂で公開討論会を行うことになったことが発表され、それにより有志同盟の活動が一気に活性化した。

 

 始業前、休み時間、放課後などに賛同者を募る同盟メンバーの姿がいたるところで見られるようになった。

 

「いやぁ、頑張ってるな。有志同盟のやつら」

 

「それは明日までに賛同者を出来るだけ多く確保しようとするのは当然のことだからね」

 

 有志同盟が賛同者を募る隣を軽く通りすぎて話すレオと渚。

 

「明日の討論会、レオはどうする?」

 

「その時間、実習棟が空いてるから俺は実技の練習をしようかなって思ってるんだ。渚もどうだ?」

 

「そうだね。僕も実技の練習しようかな」

 

 折角のお誘いだし、実技の練習をあまり出来ていない渚には、有り難いお誘いでもあった。

 次の実習までには、『調整』無しでも1000MSを切るレベルまでには上げておきたいのだ。

 

「よし!なら決まりだな!明日の討論会の時に実技棟へ来てくれ!」

 

「うん、わかった!」

 

 そうして、渚たちは有志同盟の誘いを掻い潜りつつ、その日の課題をこなして帰路についた。

 

◆◆◆

 

「んー……こんな感じか?」

 

「うん。もっとゆっくりでもいいと思うよ。まずは操作を慣らすところから」

 

 討論会当日、講堂で討論が行われるなか、渚とレオは二人きりで実技棟にて練習していた。

 レオは渚も先日早く課題を終わらせていたことを思い出して、何かコツとかないか、と聞いてきたため、渚は自分がやった通りのことをレオに教えていた。

 

 そこで、部屋の扉が開いた。

 

「あ、渚くんにアンタもいたんだ」

 

「あ、エリカ。エリカも実技の練習?」

 

「まぁね」

 

 レオは集中しており、渚とエリカの会話に参加することはしなかったが、若干意識はそちらに向けていた。

 

「へぇ、かなり丁寧にやってるのね」

 

「基礎は大事だからね」

 

「まぁ、うちの道場でも基礎が出来てないやつは……って、どうしたの?」

 

 エリカが渚の言ったことに同意してそれを実体験を交えて語ろうとした瞬間、渚が窓の外のある一部分を見ているのに気づいて問いかける。

 

 そして、渚の表情が一気に険しくなった。

 

「……レオ、エリカ!ここから動いちゃダメだよ!僕は事務室に行ってくるから!」

 

「え、ちょっと?渚くん!?」

 

「え、なんだ?どうしたんだ渚」

 

 言いたいことを残して走って事務室へと向かう渚に戸惑う二人。

 

 そこで渚が見ていた部分を見ようとするエリカ、瞬間、爆発音とともに実技棟が揺れた。

 

◆◆◆

 

 渚は、CADを取りに向かうために全力で校内を走る。

 彼が見たのは、怪しい服装の生徒ではない人影が学校に何か細工をしている部分。

 

 彼の勘が告げたのだ。

 

――これから一高は荒れる、と。

 

 そして、その時の勘というものは、よく当たるものだ。

 事務室の手前まできた瞬間に、爆発音とともに周辺が揺れて武装した生徒ではない二人の人影と渚は対面した。

 

 テロリストだった。

 

 だが、そこからの、渚の行動はとても早かった。

 向き合ったのは本当に一瞬、武器を確認した瞬間に彼の脳は一気に冷え込み、脊髄反射の反応をみせた。

 

 いきなり渚と対面し、突進してくる渚に若干対応が遅れるテロリスト二人。

 銃を構えて撃ってたのでは間に合わないと判断した彼らはナイフを取り出して応戦する。

 

 ナイフが届く距離まできた瞬間に渚目掛けてナイフを突き刺すテロリストは、だが、その瞬間に渚を見失う。

 

「――ガッ!?」

 

 バタリ、と一人が倒れた。

 ナイフを突き刺した瞬間に渚はそれを最低限の横移動で交わし、背中に背負っていたリュックでテロリストの頭を強打したのだ。

 

「このや……ガフッ!」

 

 そして、もう一人がナイフを渚へと向けるも、渚の後方から飛来した魔法によって残りの一人も倒された。

 

「君!怪我はないか!」

 

「大丈夫です。ありがとうございました」

 

 魔法を撃ったのは、一高の教師だった。

 

 魔法科高校には、魔法実技を指導する為、魔法師が教師として常駐している。

 最高レベルの魔法科高校と目されている一高校ともなれば、教師陣は魔法師としても一流ばかりだ。

 

 当然、今目の前にいる教師も一流の魔法師で、渚を気遣っている今の時間でも、遠くから迫っているテロリストを魔法により撃退していた。

 

「ここは私が受け持つ。君はCADを持って避難しなさい!」

 

 教師の指示通り、事務室から自分のと、エリカ、レオのCADを持って、教師の指示を無視して実技棟へと走った。

 

◆◆◆

 

「何の騒ぎだ、こりゃあ?」

 

「アンタ呑気ね。私たちを囲んでいるこの人たちを見たらわかるでしょ」

 

 実技棟にも、既にテロリストが入り込んでいた。

 爆発によってついた火は教師二人がかりで鎮火したが、レオとエリカは教師陣の目を盗んで侵入した三人のテロリストに囲まれていた。

 

 そこに、達也と深雪が到着。

 深雪がCADに指を踊らせて魔法を使用……しようとしたところで、レオを囲んでいるテロリストがいきなり倒れ込む。

 

 達也にもいきなりのことで、何が起きたのかわからなかった。

 分かったのは、微量の振動が恐ろしく正確に、テロリストの頭に撃ち込まれたことにより彼らは脳震盪(のうしんとう)を起こして倒れたということだけ。

 

「間に合った……レオ、エリカ。CAD持ってきたよ」

 

「お……おう」

 

「へぇ……やっぱりやるわね、渚くん」

 

 テロリストを一瞬で片付けたのは、渚だった。

 そして、その手には緑色のナイフが握られている。

 

「それより、学校にテロリストが侵入した。事務室の方は先生達が制圧すると思うし、他の部分も似た感じだとは思うけど、彼らが本当に狙ってる場所はこれくらいじゃ済まないと思うよ」

 

「……実験棟と図書館か!」

 

 渚のさっきの動きや緑色のナイフがなんなのか若干気になるところではあるが、それはまた後日。

 達也は渚の言葉から狙われているであろう場所を二つに絞った。

 

「彼らの狙いは図書館よ」

 

 そして、決断は思わぬところから下された。

 

「小野先生?」

 

 小柄だがグラマーな体型をしている、一高のカウンセラー、小野遥がそこに立っていたのだ。

 彼女の情報によれば、主力は図書館に向かっているとのこと。

 

「後ほど、ご説明をいただいてもよろしいでしょうか」

 

「却下します、と言いたいところだけど、そうも行かないでしょうね」

 

「では、後日。行くぞ深雪。渚は他のところの鎮圧に向かってくれ」

 

「はい」

 

「わかった。気を付けてね」

 

 達也は図書館へ深雪とともへ走りだし、それにエリカとレオが続く。

 一方で指示を貰った渚は拒否して時間を取られるのは惜しいとわかっているために、まだ鎮圧しきれていないところの援軍へ向かった。

 

 それを確認した達也は、ある一つの場所へ無線をかける。

 

『委員長、一人援軍をそちらへ向かわせました。後学のためにも動きをしっかりと観察しておいてください(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)




というか、明日で入学編終わりますね。

なろうとハーメルンで少しずつ短編出しながら、来年辺りで長編をオリジナルで書こうと思ってます。

実は長編は約40万字、40話分書き貯めてあります。
異能力系で未だ例の無い能力持ち多数ですので、是非お楽しみに。
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