俺の好きな神プロのキャラが活躍する小説を書きたかっただけ。   作:いでんし

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剣盾楽しい

ゲンガー使いたいけどミミッキュドラパルトがマジでキツすぎる


森で

 教会騎士がカゲツに襲撃を仕掛けて、早くも30分程度が経過していた。

 宿を素早く出て遺跡に走り出す一行。

 しかし、

 

「マスター! 林道に教会騎士が!」

 

 林道に教会騎士が配置されている。その人数は、遺跡で相手した時とは比べ物にならない。彼らは本気でデバイスを狙っているようだ。

 

「エリゴス、頼む!」

「……ダークネスレイ……!」

 

 魔力の波と怪光線が同時に襲いかかる。騎士の大半が光線に貫かれ、樹上の騎士は地に落ちた。

 

「くっ……貴様ァ!」

 

 後続の魔道士が光弾を発射する。

 しかし、それらは着弾する前に、ビリーの銃弾とソルの光魔法で撃ち落とされる。

 更に、イタクァが毒魔法を展開し、近づくことすら難しくしている。

 

「行け行け! デバイスを確保しろ!」

 

 脅威は騎士だけではない。

 敵方に魔物の調教師でもいるのか、複数の魔物が徒党を組んで襲いかかってくる。その中には、かつて山賊が使役していた触手の魔物の姿もあった。

 

「あの魔物……やっぱりゼスト教が絡んでたのか」

「アマルちゃん!」

「オーロ・トゥルエル!」

 

 以前の戦いで、魔物の身体を構成するゲルが炎や電撃に弱いのは分かっている。

 アマルの電撃が触手の魔物が焼き払い、核をエリゴスの光線が貫く。

 敵を倒すことは簡単だ。しかし、敵はそれ以上の増援を連れてやってくる。

 

「このままじゃジリ貧ですよ!」

「ハスター、でかいの一発かましてやれ! そこから突っ切る!」

「マスター君の頼みとあらば、断れないわね! 来なさい、バイアクヘー!」

 

 ハスターの指示と同時に、蜂のような魔物が1匹現れる。

 あれこそがバイアクヘー。ハスターが使役する強力な魔物だ。

 

「全開で行くわよ……サモンフォーカイム!」

 

 バイアクヘーが強烈な風魔法を放ち、教会騎士を纏めて吹っ飛ばした。

 

「ナイスだハスター。これでだいぶ楽になる!」

「ふふーん、まだまだ出せるわよ、この子。さぁ行くわよ!」

 

 次々と召喚されるバイアクヘーに、教会騎士は何もできない。

 林道は、たちまち風で吹っ飛ばされた騎士がえずく地獄絵図と化した。各地で戦闘音が鳴り響き、かつての静かな森の面影はどこにも残っていない。

 風で吹き飛ばされ、槍で貫かれ、銃弾は百発百中。デバイスを持っている男も、多種多様な武器で応戦してくるので隙がない。騎士たちは抵抗できず、蹂躙されるしかなかった。最終的に、逃げ出す者すら現れる有様だった。

 

「この辺りの騎士は片付いたか」

「どうします? この先にも騎士が待ち受けているでしょうし、このままだとスケジュールが狂います」

「何か足が有ればいいんだけどな」

「ゼスト教の馬車とかないかしら……」

 

 このままでは厳しいと、馬車を探すカゲツとイタクァ、ハスター。

 しかし、馬車は見当たらない。近くに大きな川と小舟が複数確認できたため、水路を利用したと判明した。

 

「水路か……確かにそれなら先回りできるな」

「いえ……それならおかしいです。この舟の数じゃ、あそこまでの人数を運べません」

「じゃあ、別の移動手段があると?」

「そうです。とはいえ、私達が使った道以外では馬車でも間に合わないと思います」

「確かに、他の道はかなり遠回りだよな。同じ道を通ったら俺たちにもわかるし」

「まさか、魔法でここまで来たとかじゃないでしょうね。ワープしたりとか」

「そんな技術聞いたことないけど……いや、ゼスト教が隠蔽してる可能性も……」

 

 考察しても、事態は良くならない。途方に暮れる3人だったが、そこにビリーとアマルが現れる。

 

「お兄ちゃん、馬車あったよー!」

「本当か!? すぐ案内してくれ」

「いや……あれを馬車と呼んでいいかは怪しいんだけど……」

 

 笑顔のビリーとは裏腹に、アマルは微妙な表情をしていた。

 

 

 ────────────────────

 

 

「……これか?」

「これだよー」

「……馬じゃないですね」

「ライオンじゃない?」

「……でも牛の胴体がある」

「そして尾がなぜか鶏。身体は何故か青い」

「リーダーはどう思う?」

「……キメラでいいんじゃないか?」

 

 馬車ならぬ、キメラ車であった。

 

「いろんな動物を混ぜ合わせてるみたいね。生きてるのが不思議なくらい」

「ゼスト教の魔法は公開されてない物も多いらしいぞ。俺はよく知らないが」

「近くにも同じやつが何匹もいたぞ。こいつらに乗って来たんじゃないか?」

「……マスター、使う?」

「かなりパワーがありそうだ。遠慮なく使わせてもらおう」

 

 どうやらゼスト教はデバイスに似た機械でこのキメラをテイムし、操っていたようだ。ゼスト教ではない部外者の命令に従わないのが懸念点だったが、杞憂に終わった。

 

「御者は私がやりましょう」

「イタクァ、できるのか?」

「経験はありませんが、知識はあります。それに、マスターを外に出したくありませんし」

「それはありがたいけど……1人じゃ不安だ」

「なら私も外にいるわ。イタクァだけじゃ不安だもの」

 

 ということで、イタクァとハスターが御者を担当し、残りは荷車で休憩をとることになった。

 

「さぁ、暴れるわよ、バイアクヘー達!」

 

 ハスターが指をパチンと鳴らすと、バイアクヘーが瞬時に3匹現れた。

 

 

 ────────────────────

 

 

 キメラ車のスピードは凄まじかった。

 以前出会ったヘルモーズに追いつくんじゃないかと錯覚するレベルだ。

 途中に河があろうと難なく飛び越え、森の木をなぎ倒しながら進む姿は恐ろしさすら感じた。『これもしかして私の幻獣より強いんじゃない?』とアマルは語っていた。

 そんな突破力を持つキメラ車にハスターのバイアクヘーが3匹もくっつこうものならどうなるか。

 もはや、蹂躙と呼ぶことすら生ぬるい有様だった。例えるなら、アリの列に真っ正面から熊の群れが突っ込んでくるような……そんな感じだった。

 

「アハハハハ、最高ーッ!」

「テンション高いな!? 落ちるなよハスター!」

「そんなヘマしないわよ。というか、これはかなり速く遺跡にたどり着けるんじゃない?」

「……この距離なら10分もかからなそう。行く?」

「エレミア達は待ち構えてるだろうが……もう戻れないか。行くしかないな」

 

 エレミアは強かった。それでも、立ち向かうしか道はない。

 カゲツは腹をくくった。

 やがて、雑兵も姿を消し、一本道をただ走り続けるだけとなった。

 

 

 だが、異変は唐突に訪れた。

 

 

「あれ、ハスター様、バイアクヘーが減っていませんか?」

「えっ? 3匹いるじゃ……」

 

 いない。

 キメラの圧倒的な速度に追いつくバイアクヘーが、数を減らしている。キメラ車の横にくっつき、併走していたバイアクヘー2匹がどこにもいないのだ。

 驚愕するハスターの顔面に、突如バイアクヘーが現れる。瞬間、バイアクヘーは矢を残して霧散した。ハスターを身を挺して庇ったのだ。

 

「狙撃手がいる……!」

 

 休む暇なく、次の矢が御者台を狙う。

 エリゴスは瞬時に御者台に上がり、飛んでくる矢を槍でブロックした。

 

「ハスター、イタクァ! マスターを!」

 

 返事はない。

 エリゴスは矢を打ち返すのに精一杯で、後方を確認できない。

 だが、エリゴスは予知した。次の矢で、攻撃が止まる。

 

「マスター!」

 

 矢を払い、振り向いてカゲツを確認しようとする。

 カゲツはいなかった。

 カゲツだけではない。ハスターも、ビリーも、ソルも、イタクァも、アマルも、誰も荷台に乗っていない。

 今、このキメラ車に乗っているのは自分1人だけだとエリゴスが察知するには、一瞬の時間を要した。

 その隙に、一矢がエリゴスではなく、荷台に刺さる。矢には矢尻以外の何もついていないように見えたが、それは着弾した途端、爆発を起こした。

 猛スピードで走るキメラ車から放り出されるエリゴス。空中でなんとか姿勢を立て直す。

 そして、盾、弓、鎌を持つ3人の教会騎士が、エリゴスに襲いかかってきた。




カスパール解放するのに5年はかかりそうです(適当)

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