東方英雄章~【妖怪と人間と】   作:秦喜将

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異変突入です!

なんか最近構想が浮かばない…


異変……そして宴会へ
五話 初めての異変


Side妹紅

 

 

私と慧音、乖離は先程聞こえた爆発音の確認の為、急いで寺子屋を出て中央広場に向けて走って急行していた。

 

「一体今のはなんだったんだ!明らかにただ事ではないだろう」

 

「わからない!でもさっきの爆発音は相当大きなものだったから、人里で何かあったのには変わりないだろう!」

 

慧音は随分と焦っている。それも無理はないと思うけど……。彼女はこれでも里の守護者であるのだから。

そんな事を思いながら走っていると、突如真横の家が大きな音を上げて崩壊した。そして崩壊した家の中から奇妙な生き物が姿を見せた。

私達は立ち止まり、その生き物を見て驚愕した。頭が獅子で胴体が黒山羊、コウモリのような羽を生やし尻尾が蛇の怪物だった。

 

「な、なんだこいつ!」

 

「わからない……だが、どうやら敵である事に違いはないな……来るぞっ!!」

 

慧音の警告と共に、不明の怪物は咆哮を上げ私達三人に突貫してきた。

私は大きく跳躍して回避する。どうやら他二人もうまく躱したようだ。不明の怪物は勢いを殺しきれないまま別の家にぶつかった。その衝撃で家は倒壊し、砂煙が上がった。あの突進はまともに喰らわない方がいいだろうな……。

 

「二人共無事か?」

 

「俺は問題ない」

 

「私も大丈夫だ……しかし、なんなんだあの生物は?いや、妖怪なのか、アレは?」

 

「多分だが、アレはキメラだろうな。西洋ではキマイラ、東洋では鵺とも言うらしい」

 

キメラ……聞いた事のある名だ!それにキマイラ……鵺か……ん?鵺……だって?

私の頭にはある一匹の大妖怪の姿が浮かびあがった。

 

「まさか……」

 

「妹紅?どうした、心当たりでもあるのか?」

 

「ああ、少しな」

 

「それよりさ……また来るぞ!」

 

乖離の言葉を合図に、先程キメラが突っ込んでいった家の破片が吹き飛び、中からうねり声を上げながらキメラが現れた。

仕方ない……こうなったらやるしかないな……。

 

「慧音、乖離……下がってて、私がやる」

 

「妹紅、手を貸さなくていいか?」

 

「大丈夫だよ!それより慧音は先に行ってくれ!こんなのが他にいないとも限らない!」

 

「そうだな!任せたぞ妹紅!」

 

慧音は私にこの場を任せると言って先に中央広場へ向けて走っていった。

 

「乖離、こいつは私が抑えるからあんたは早く逃げろ!」

 

「俺の事は気にするな……それより、ぼさっとするな!」

 

乖離が叫んだと同時に、キメラは先程のように突進してきた。驚いた事にその速度は先程のものより速かった為、私は慌てて空を飛んで回避する。

 

「クソッ!」

 

思わず悪態をついてしまったが、今は気にしないでおく。

私は体中から炎を開放し、キメラを見習って奴に突進した。そして炎の拳を思いっきりキメラに叩き込んだ。キメラは悲鳴を上げ、吹き飛んだ。だがこんなものでは終わらない。私はキメラを追撃し、そのまま今度は顔に炎の膝蹴りをお見舞いしてやった。

 

「まだまだぁぁ!!」

 

次はキメラの蛇の尻尾を掴んで、空へ飛びあがった。私は尻尾を強く握りしめ、体から炎を放出した。その炎はキメラを覆い全体を満遍無く焼いていった。

炎が消えて、黒焦げになったキメラを放し、私も地上に降りた。

 

「ふう、こんなものかな」

 

私は慧音を追うために乖離に声を掛けようとした時―――背中を何者かによって切り裂かれた。

 

「なっ!!」

 

驚いて後ろを振り返ると、先程黒焦げにした筈のキメラが立っており、前脚からは私の血と思わしき赤い液体が付着していた。

私は再度燃やしてやろうとしたが、体が痺れて動けなかった。どうやらあのキメラの爪には麻痺毒があるようで、体の自由が利かなかった。すると、キメラは私に飛びつき押し倒してきた。胸元を前脚で抑えられており、爪が肉に食い込んでいた。

 

「うっ、ク、クソ……」

 

体が痺れてしまって動かない。キメラは呼吸を荒くし、口からボタボタと血の混じった涎が出ていた。相当私の攻撃が効いていたのか、それが体を急速に冷やし体温の上昇を抑えるものと直ぐにわかった。しかし、この状況は非常にマズいものだろう。

私は不老不死だ。このままこのキメラに殺されても、時間が経てば復活する。だが、近くにいる乖離は別だ。私と違い彼は普通の人間なのだ。このまま私が殺されれば、間違いなく次の標的は乖離になってしまうだろう。

それだけは絶対にダメだ!関係のない一般人を襲わせるなんて冗談じゃない!

そう思い私は、精一杯の力で一枚のスペルカードを使用しようとした―――その瞬間、紫色の斬撃が私の目の前を通り過ぎ、キメラを頭から真っ二つに切り裂いた。

 

「なっ!」

 

突然の事に私の思考は追いついていなかった。私が困惑していると、乖離がひょっこりと顔を見せた。

 

「大丈夫か妹紅?」

 

「か、乖離!い、今のは!?」

 

「落ち着け、キメラは俺が殺したからもう大丈夫だ」

 

乖離が殺した?私の思考はまだ状況の整理が出来ておらず、訳がわからなかった。ふと上を見上げると、乖離は右腕に一本の紫色の刀を持っていた。

あんなの持ってたっけ?

 

「そ、そうか……乖離が殺ったのか」

 

「油断大敵だな」

 

乖離は笑いながら刀を消した。どういう原理なのかはわからないが、兎に角私は乖離に助けられたという事は理解した。私は胸に食い込んでいるキメラの腕を引っこ抜き、立ち上がった。

 

「ありがとう乖離、助かったよ」

 

「礼には及ばないさ、俺は当然の事をしたまでだからな!」

 

「そっか………。あのさ、さっきのが乖離の言っていた自然エネルギーってやつなの?」

 

「その通りだ。あれが俺の使う自然エネルギー『凶』ってやつだよ」

 

「凶?」

 

「人間や妖怪でいう『穢れ』と呼ばれる類の物さ」

 

「穢れ………」

 

「つっても、さっき使ったあれはその穢れの根源みたいなもんだよ」

 

「な、何それ?」

 

「説明は後でな!それより、慧音さんを追ってくれ!俺が感知しただけでも、さっきのキメラはこの人里に五、六体存在している。あれを全て相手にするのは幾ら慧音さんでもほねだろうからな!」

 

確かに、あんなのがまだ五、六体いるのなら幾ら慧音でも厳しいだろう。

 

「分かった。それより、乖離はどうするんだ?」

 

「俺はあのキメラ共の親玉を潰しに行くよ!妹紅は人里(ここ)と慧音さんを頼む!多分直ぐに応援が来るだろうからさ!」

 

「了解!無茶するなよ!」

 

「お前がな!」

 

乖離は足早にどこかへ去っていった。別れ際に皮肉を言われた気がしたが、まあ気にしないでおこう。

 

 

 

Side乖離

 

 

妹紅と別れて、俺はダッシュである場所へ向かっていた。走っている道中、ふと置き去りにしてきた寺子屋生徒達を思い出す。

 

「こころちゃん達を置いて来てしまったが、大丈夫かな~」

 

などと呟き彼女達の身の安否を心配したが、直ぐにその考えは消え去った。

こころちゃんは妖怪だし、彼女の内包する妖力は相当なものだ。まず油断さえしなければ負ける事はないだろう。それにあこには幻想郷最強(仮)の妖精チルノもいるのだから、まず問題ないだろう。

それ以外にもそれなりの手練れもいた気がしたし、心配するだけ無駄だろう。

そんな事を考えていると、大きな木の壁が見えてきた。どうやら人里を覆う壁に着いたようだ。俺は走る速度を落とすことなく、むしろ更に速度を上げた。

そして、俺は自身の自然エネルギーをブースターの如く放出し、人里の壁を跳躍して飛び越えた。

着地の際にもう一度自然エネルギーを放出し、高度からの着地による衝撃を殺した。

着地による衝撃は殺していたが、やはり痛いものは痛かった。しかし、今の俺にはそんなものを気にしている暇など無かった。なにせ―――

 

「おいおい、勘弁してくれよ……。流石にこの数はズルくないか?」

 

そう、俺の目の前には数十を軽く超えた数のキメラがこちらに殺意の視線を向けていたのだから。

しかもあのキメラ共の中には数体他の連中より明らかに大きく、それでいて強靭そうなのがいたのだ。

 

「やれやれ、仕方ないな……。相手してやるよ子猫共!」

 

俺は右手に紫色の刀を持ち、自然エネルギーで自身の身体能力を強化して、キメラの群れに突っ込んで行った。

 

そこからはまさに惨劇と呼ぶに相応しいものだっただろう。

数十というキメラを一斉に相手とり、一匹たりとも逃さず全てを殲滅した。

最初の一匹は横に一薙ぎして、上顎と下顎をさよならさせ、一緒に胴体ともお別れさせた。続く二匹目は縦に刀を斬り降ろし、頭を真っ二つに切り裂いた。これは人里のキメラと同じだ。更に次、次、次、次、次と………数十以上いたキメラは早くも残り三匹となった。だがこいつ等を逃がす道理も無く、俺は自然エネルギーを刀に収束させ、斬撃波を放ち三匹同時に切り殺した。

しかし、俺にはこの殺していったキメラの行動に、違和感を覚えた。

 

「どうなってんだこいつ等?最初の一匹ならともかく、二匹三匹と、目の前で仲間が殺されれば、恐怖の一つでも覚えるだろうに……。だがこいつ等は俺に一切恐怖を感じていなかったぞ?」

 

そう、こいつ等は俺に恐怖のきょの字も感じてすらいなかったのだ。まるで、目の前の敵を殺す為だけに創られた機械のように……。

 

「なんにしても、調べる必要がありそうだな。さてさて、こんな惨い事をするのは一体どこの外道(どいつ)だ……」

 

無意識の内に俺は怒りを露わにし、自然エネルギーを放出していた。その影響で、周り一帯がざわめき始め、草木が枯れていった。

それに気づいた俺は少々熱くなり過ぎた頭を一度冷やし、放出していた自然エネルギーを止めた。

 

「やれやれ、俺もまだまだ子供と言う事だろうな……こんな事で頭に血が上るとは………」

 

ひとまず俺は、この妙な事件の犯人を捜すべく、目の前の森の中に入っていった。

 

 

 

Side???

 

 

 

「いや~さっきのは驚いたな……。私のキメラをああも容易く切り殺していく人間がいようなんてさ……。それに、人間とは思えない位とんでもない殺気を放っていたし、あの人間は何者なんだ?」

 

私はクスクスと笑いながら、先程の人間について考えていた。

常人とは思えない程の戦闘能力。あれはいくつもの修羅場を潜り抜けて来た者のソレ(・・)だった。更に、あの人間は左腕を包帯で巻いており、その左腕を使おうとしなかったのを見る限り、負傷しているのだろう。あんなのがどうやって負傷するのかは知らないけど……。

それを考慮するに、あの人間は間違いなく彼女(・・)と同等の強さだろう……多分。

だが―――

 

「あの人間には興味はあるけど、そろそろ二人共戻ってくる頃合いだろうし、さっさと始末するか………。私のキメラを容易く葬れるだけの力は評価しよう……だが―――お前はここで終わりだがな!」

 




はい!と、言う訳であの子も登場です。

因みにあの子は東方の中では、こころの次に好きなキャラなんです(僕的に)


それでは次回もお楽しみにっ!!
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