「お前って彼女いるの?」
その言葉は絶対に言ってはいけなかった。いつも真実を知れば良いという訳ではないのだから。
半分本当で半分嘘のショートショート。
一話完結。
文字数少ないので、大丈夫かと思いますが、最後まで読まないとオチがわかりません。
では、どうぞご覧ください。
少年A,B,Cの3人組はスクールバスの中でたわいもない会話をしている。声のトーンが高くなり、高校生独自の馬鹿さ加減も入り混じり始めたところで少年Aはふと思いついたように、Bに質問をした。
「お前って彼女いたっけ?」
たわいもない、高校生なら誰でもしたことがあるような質問だ。
「秘密だよ。」
Bは少し笑って答えてみた。隠されたことでAはさらに好奇心を掻き立てられた。もう一回聞いてみよう。
「俺ら親友だろう。」
「何言われても、答えは言いません。」
またもや隠された。
「ちぇっ。つまんね〜の。教えてくれたって良いじゃないか。」
Bは笑って返すだけで一向に教えてくれそうにない。
少年Aの話を聞いて、隣に居たCもなんだか話に混じりたくなってきた。しかし、自分の彼女の話をただしても面白くないだろう。そこで、CはBに対し、悪ふざけをすることに決めた。
「そう言えば、昨日Bが駅のホームで愛を叫んでいたのを見たよ。」
「何のことだい?僕には見に覚えがないよ。」
Bには本当に身に覚えがなかった。一方、AはCの言葉にいち早く反応して、目を見開いている。
「気になるな、C君、早く話しておくれよ」
二人が話に食い付いてきたのでCは少し得意げになった。
「昨日Bに、俺達のマドンナに彼氏ができたと話したら、大泣きしたんだ。まあ彼氏っていうのは僕なんだけどね。」
「お前、彼女できたのか?初耳だよ。」
Aは信じることができず、ただ呆然としている。Bにいたって口をあんぐり開け、Cをまじまじと見ている。その時Cがにやりと笑ったので、Bは我にかえった。
「僕は泣いてなんかいないよ。話を作ったな。」
今にも噛みつきそうな勢いにCは身を少し縮めた。
「まあまあ、慌てないで。まだ続きがある。この後駅のホームに行ったら、マドンナと男子生徒がいてBはその生徒を彼氏と勘違いして叫んだんだ。」
「Bは何て言ったんだい?」
「返せー。僕のだ。返せーー。」
AはBのことを見直した。大勢のところで愛を叫ぶのはどれほど勇気がいるのかを知っていたのだ。
「お前、なかなかの根性じゃないか。ますます気に入ったよ。」
Bは勘違いされていることに気づき、慌てて頭を左右に振った。しかし、よく見ると顔色が良くない。
「違うよ、僕はCに僕のイヤホンを取られたから取り返そうとしただけなんだ。」
Bはなぜか内向き加減話していた。Cは面白がって、もう少しからかってみようと考えた。
「返せーー返せーー。」
Bはそれに答えるように言った。
「僕のイヤホン。」
「返せーー返せーー!!」
「僕の彼女…」
Bの言葉を聞き、Cは顔を青くする。
「えっ。今なんて?」
「マドンナと僕、付きあっていたんだ。」
AとCは顔を見合わせ、首を傾げている。Aの汗が頰を伝っていく。居心地の悪い沈黙が流れる。
「あいつ、浮気していたんだ…。」
「あっ。」
AとCは察した。プシュー。バスの扉が開く。Aは腰を浮かしてから、荷物を抱えた。BとCは力なく遠くを見つめている。そうなるのはあたり前だ。彼女が親友と浮気していたのが分かってしまったのだから。親友は悪くないし、すぐに怒りをぶつけられず、感情だけ空回りしたのだろう。
「また明日な。」
BとCは良い奴だ。だから、ずっと親友でありたい。
「あぁ。」
「…」
Aはバスを降りて歩き始めた。
「昨日、彼女と帰っていたところが目撃されるとは思いもよらなかった。まさか、返せ発言がBのものだったとは。さすが大親友なだけある。全員同じ奴に浮気されていたのか。」
初めて書きました。文章力がない割に頑張りました。不定期に更新していこうかなと思います。ご閲覧ありがとうございました。できれば、また更新した際によろしくお願いします。