最近の小学生が大学生時代の俺よりもしっかりしている件について 作:全裸羊ローブ
私の知り合いにはとても変な男の子がいる。
何が変かと言えば言動がとても幼稚なのに私よりも勉強が出来るからだ。
……一応弁明させて貰うと私が悔しいからという理由で変な男の子と言ってる訳ではないのは分かって欲しいの。
小学3年生にもなるのに授業中に雪が降ったと思えばそのまま先生の許可もなく校庭へ走り出して行くような子は変という考えで良いと思う。
そんな変な男の子が、国語のモチモチの木の問題で何がモチモチなのか全く分からなくて私が困っていると、「難しく考え過ぎてるんだよ。俺の名前は高松だけど友達にはうんこまんって言われてるだろ?要するにニックネームって事」と言って説明してくれた。
スッゴクわかり易く教えて貰えてビックリした。
でも相変わらず頭がおかしいのかトイレに行こうとすると「うんこ、うんこ!」と大きな声でトイレに行っている。
……なんかこっちの方が恥ずかしくなってくるの。
そしてそんな子にテストの点数負けてる自分が一番恥ずかしい……
今度は絶対に勝ってみせるの!
「ねー、誰か通信ケーブルとゴーリキー持ってる奴いない?俺のユンゲラーと交換してくれない?」
「あ、私ゴーリキー持ってるけどどっちかっていうとゴーストの方が良いの」
「マジで?なら図鑑埋めしたいからさ序にゴローン送るからコラッタとかポッポで良いから送ってきてそれ返してくんない?」
「良いよー、じゃあ学校終わったらどこに集合する?」
「高町の都合の良い時間と場所で良いってこっちがお願いしてるんだし、何ならコアラのマーチかひもQでも持ってきてやんよ」
「えーと、じゃあコアラのマーチでお願いしたいの!」
「いや先に時間と場所決めて欲しいかな高町さんや」
コアラのマーチだぁー嬉しいな!
アレ?何か考えてた気がするけど何だったんだろ?
それより高松君の家と私の家って割とご近所さんなのでどっちかが休んだ時にプリント持って行ってたり持って来てもらったりする位には付き合いがある。
最近はアリサちゃんとすずかちゃんが持って来てくれるから私の方が持って行くことの方が多いから家の場所は分かるのだ!
「じゃあ放課後に高松君の家で良い?ウチ喫茶店だからお菓子持って来てもらっても気不味いかも知れないし……」
「オッケー!んじゃコアラのマーチとチョコパイにカスタードケーキとオレンジジュースまで付けて待ってんぜ!」
やったー!
○
「んー、気に入らないわねこの6位の高松って奴……」
掲示板に貼られているテストの上位者のみの点数と順位の発表を見てアリサはそう呟いた。
「どうしたのアリサちゃん?」
「いやすずか、それがねこの6位の高松って奴なんだけどこの前の算数のテストを90点取ってるのよ」
「え?この前の算数のテストで90点なの!?」
「そうなのよ、流石にコレは作為的な物を感じるわよね」
「アレって80点満点だったよね?先生が問題間違えて作ったせいで誰にも解けないからって……」
極めて稀だがそういう事が起こるのがこの学校である。
先生も点数ではなくどのように考える事ができるかを知りたくて、こういった習った知識だけでは解く事ができない問題を作るのだ。
「正確に言うと小学生が解ける問題じゃないのよ。だって数学の問題になるから」
算数と数学の違いは基本的に数式のみで解答できるかどうかである。
算数は数式さえあれば答えは導かれるのだが数学はそうはいかない。
何故ならその答えに何故なったのかを証明しなければならないからである。
その証明する為の第一段階として算数があり、それを踏み込んで行くのが数学であるのだ。
「え、それを解いたのが高松君?言ったら悪いけど高松君頭そんなに良くないよね?」
「そうなの、わざわざ丁寧に円周率の3.14で出してる位だから完全に解答を理解していないと出来ない問題なのよね」
わざわざ答えを置き換えるという事は完全に理解しているという事であり常に凡ミスを繰り返すという事は極めて低い。
それはつまり……
「何かを隠しているのよ!……たぶん」
「アリサちゃん……自分が算数だけテスト負けたからって人を疑うのは良くないと思うよ?」
「隠してるって何か隠す必要あるのかな?」
「うぅ……だってコイツに負けるのだけは何かムカつくだもん!」
「「アリサちゃん……」」
○
「ほう……あの時そんな風に思っていた訳か高町は」
事務所で待機中の私と高松君はふと昔話をしていた。
高松君と出逢ってから約10年が経つ。彼の良い所も悪い所もたくさん見てきた。
悪い所はデリカシーに気を付けようとしている割にデリカシーがないところ。
負けず嫌い過ぎて何度も死にかけて人を心配させるところ。
良い所は書ききれないが、特に面倒見が非常に良い所。
フェイトちゃんの時だって、はやてちゃんの時だって「うるせぇ馬鹿野郎!」の一言で事件に突っ込んで返り討ちされてリンディさんに怒られて「うるせぇ!魔法使い舐めんな!」と言ってまた突っ込んで返り討ちされて「うるせぇ!俺が嫌だから以外の理由なんかあるか!」と叫んで返り討ちされてリンディさん達に出撃禁止にプラス監禁もされて「無理って決めたら出来るもんも無理になるんだ馬鹿野郎こんちくちょう!」と単騎出撃して事件を解決してきたのだ。
……うん、今も昔も高松君って頭は良いのに馬鹿だよね。
でもそれでフェイトちゃんの時もはやてちゃんの時も彼女達は救われているのだ。
因みにこの時のリンディさんは「あの子はハッキングに関してはSSSクラスなのよね……誰も止められないし止まらないのは悪夢だったわ」と語っている。
彼の当時のランクは当時の私以下であるのでそんなに魔導師としては強くないのだが、根性と負けず嫌いと向上心は誰よりも高く「コイツ等にだけはぜってぇ負けたくないんだっての!ガキを守れねぇダセえ大人になるのだけ死んでもごめんだ!」との事らしい。
何故同級生の彼がそんな事を言っていたのかは分からないが本人曰く、「ん?そんなこと言ってた?」らしい。
「まぁ俺としては魔法使いを卒業したいだけなんだがなぁ……」
とコーヒーを呑みながら物思いにふけっている彼は当時と何一つ変わらないでいる。
「……なぁ高町、もしかして俺って結婚できない運命かも知れん」
確かに男友達とバカやってる事が多いし、下品な発言も多いから彼を好意的に見てくれる女の人は多くはないだろう。
それでも未成年に対して物凄く面倒見が良いのは私達は皆知ってる。
「結婚なんてまだまだ先の事なんて分からないよ」
「いやお前等に関しては華の10代を仕事ばかりで過ごしてるから俺としては逆に心配だわ……好きな奴とかいんの?スクライアとかハラオウンとかいんじゃんね?」
「うーん、そういう関係じゃないかなぁ……どっちかと言えば高松君の方が親交深いし」
「いや別に俺としては美少女のお前にそう言って貰えて嬉しいけど、そういう関係になりたい訳じゃないんだろ?」
「まぁね、親戚のお兄さんって感じがピッタリかな」
「美少女なのは否定しないのかー、おいちゃんは言葉を素直に受け取るように育って嬉しく思うのか、社交辞令を返せるように言っておいた方が良いのか考えさせてくれるねー」
彼は成人してる人間は自分でなんとかしろのスタイルだが、未成年の人間に対しては非常にお節介なのである。
それが精神的に未成熟の人間に対してもお節介でデリカシーがないのだから誰も手に負えない。
「はぁ……私としては高松君はもうちょっとだけ大人になってほしいなって思うのだけどその辺どうなの?」
少し考える素振りを見せたがすぐにこう言った。
「魔法使い卒業したら考える」
誤解があってはならないので高松君の出撃の時の言葉と心情を載せときます。
状況まで全部書くと後5年は掛かりそうなので勘弁してもらえると助かります。(白目)
※一度目の出撃
「うっせぇ!馬鹿野郎!(誰が行くって言った!?このポンコツ機械が!!)」
※二度目の出撃
「うるせぇ!魔法使い舐めんな!(こちとら年齢=以上の本物の魔法使いやぞ!)」
※三度目の出撃
「うるせぇ!俺が嫌だから以外の理由なんかあるか!(何で俺より若そうな人妻に説教喰らってまで出撃しなきゃならんのだ!)」
※ラスト出撃
「無理って決めたら出来るもんも無理になるんだ馬鹿野郎こんちくちょう!(ここまで来たら行くも退くもおんなじだろうがこんちくしょうめぇ!あ、こんちくしょうのとこ噛んでもうた)」
蛇足になりましたが、お読み頂きありがとうございました