落ち着け、先ずは鋏を下ろそうか。   作:赤茄子 秋

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2話 契約…してるよな?

「…駄目だな、現実は変わらない。」

 

彼の目の前には8枚のうち、出来上がってしまった4枚のカードを机に並べる。

 

【ADVENT ボルキャンサー】

 

ATTACK 1500

 

【STRIKE VENT シザースピンチ】

 

ATTACK 500

 

【GUARD VENT シェルディフェンス】

 

GUARD 1000

 

【FINAL VENT シザースアタック】

 

ATTACK 2000

 

「なぁにこれぇ…おかしいよな、ドラグレッダーのATTACKは5000だぞ!?てか、弱体化しすぎだろ!?オーディンの剣どころか、ブランク体の主人公の剣でも運が良ければ勝てそうだぞ!?」

 

突っ込みどころが多過ぎて追い付かない状況だった。

 

先ず、圧倒的な弱体化。

 

原作でのカード能力の半分の能力しか持っていない。

 

FINAL VENTはオーディンの剣と同じとバカにされていたが、普通の龍騎やナイトの剣と同じともはやバカにできないレベルである。

 

STRIKE VENTはブランク体の龍騎の剣の能力を200しか上回っておらず、他のライダーの主な武器の4分の1と簡単に壊れてしまいそうだ。泣きたい。

 

更にシザース唯一のアドバンテージ、原作では仮面ライダー王蛇のFINAL VENTですら壊れなかったGUARD VENTも、もはや頼れる自信が無い。

 

「ふざけんなよ…再契約したいのに、CONTRACTも1枚しか無いのかよ。」

 

そしてモンスターと契約をするためのカード、CONTRACTも1枚しか無かった。

他のカードは何の為にあるかはわからない。

 

つまり…

 

「俺は、こいつと共に生き残らないといけないのか…?絶望しかないんですけど。」

 

どれ程の絶望か、簡単に説明しよう。

 

ボルキャンサーの能力値は1500

原作では3000だったが。

 

他のライダーの契約モンスターは基本的には4000を超えている。場合によっては7000を越える化け物も存在する。

 

2倍以上の力の差が最初から存在してしまっているのだ。

 

「(本当に絶望的だ。「そんな契約モンスターで大丈夫か?」って聞かれたら「一番良いのを頼む!」って即答するぞ。)」

 

大きな溜め息をつきながら、ふと何も映さないテレビを見てみる。

 

「…こいつ、契約できてるんだよな?」

 

ボルキャンサーが鋏を研ぎながら、須藤の足先から頭までじっくりと見ていたのに悪寒が走る。

 

何度もカードを見て確認したが、しっかりと契約されている。

 

「こいつ…俺を食いたいのかよ。」

 

そもそも須藤を狙って襲ってきたのだ。最悪な形での、契約。

 

味方なのに、背後を常に気を付けなければならない。

 

「…誰か、助けてくれ。」

 

独り暮らしのアパートに、それは虚しく響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Q.龍騎の中で好きなキャラは?

A.浅倉、ゴロちゃん、編集長

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