落ち着け、先ずは鋏を下ろそうか。   作:赤茄子 秋

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感謝を。


6話 刑事の仕事?をしよう。

「あ、まっさん。おはようございます!」

 

「あぁ、おはよう。山下。」

 

仮面ライダーシザース、須藤雅史は刑事だ。当然、今日は月曜日なので、仕事だ。

 

幸いな事に、須藤雅史はしっかりと仕事をこなす几帳面な人間だったので。

 

刑事になった時からの手帳や資料が残されており、日曜日を丸々使い、それを徹夜で読みといた。

なので、後輩である彼女。山下鏡花の名前も、警部の岩元豪助などの部署の仲間の名前を把握した。

ただ、まっさんと呼ばれていたのには驚きだ。そこそこ良い関係を築けているのだろう。

 

「岩元警部、おはようございます。」

 

「おぉ、雅史か。最近元気が無かったように見えたが、大丈夫そうだな。」

 

「まっさん、今はなんか目が生き生きしてますね。」

 

「それは、普段は死んでるようにしか聞こえないんだが。」

 

「あれ?自覚ありませんでしたか?」

 

「…まぁ、どうだろうな。(昔の須藤は、知らないし。)」

 

そして重要な事だが、憑依をする物語は沢山ある。その中でも憑依がバレる瞬間というのは盛り上がるだろう、そして何かしらの事件が起こる。

 

仲間との関係の悪化は少なからず起き、事件に巻き込まれやすくもなる。

 

今の須藤雅史はどうするのか?

 

それを悩んだ結果、須藤は今の自分でいくことにした。

 

どうせ、バレるなら疲れない方が良いのだ。

 

「…まっさん、変わりました?」

 

「どうしてそう思う?(大丈夫だよな?…大丈夫だよな?)」

 

「だって、昔は少し距離を感じてたんですけど…今は近づいた気がしたので。あっ、これは別にまっさんにときめたいたとかじゃないで。」

 

特に問題は無さそうにみえる、昔の須藤もこんな奴だったのだろう。

 

「…そうかよ。」

 

なんだこのあざとい後輩…そう思いながら、自分のデスクに向かう。

特にこれと言った特徴は無く、普通のデスクだ。

とりあえず、デスクの中にあった捜査資料を広げて見る。

 

「(行方不明者が顕著に出始めたのは先月からか…で、捜査官の行方不明者が8人。一般人は未知数。ヤバイな。)」

 

これを見ただけで、モンスターがあちこちに出ててヤバイのだが…一部の場所では被害がある時期を境にして無くなってる。もう他にライダーが居るのだと感じとる。

だが、今の須藤には力が無い…マジで無い。

 

今後の戦略が【毎日モンスターを倒す。バイクの不意打ちと追撃は基本!ただし、1匹づつ。そして、武器は敵のを奪い取れ!】である。

 

これが本当に仮面ライダーのやることなのか?という疑問があるが、そんな事をいってる余裕なんて物は存在しない。そうでもしなければ生き残れないのだ。

 

「あれ、まっさん…またその捜査資料を見てるんですか?熱心ですねー。」

 

そう言ってあざとい後輩は須藤の机にコーヒーを置く。

かなり読み込んでいたようだ、いつの間にか出勤してから二時間もたっている。

 

「あぁ…まるで情報が無いんだよな。(ブラックか…甘いのが好きなんだが。)」

 

そう言って苦いコーヒーを一口飲む。ほろ苦さが口に広がり、何故かこれを甘く優しく感じる。この世界の方が苦すぎるからだろう。

 

「どうすっかねぇ…」

 

警察ですら情報が無い。無理も無いだろう。普通なら鏡の世界からモンスターが人を拐うなんて発想には至らない。

 

普通ならテロや組織的な誘拐事件と考える…が、そんな動きをしてれば情報が何も得られないのは有り得ない。

電車や街中での集団失踪、周りには痕跡の欠片も存在しない。

 

しかも、捜査官が8人も行方不明になってるのだ。自分からやりたいとは思わない案件だ。

 

「ふぅ…ん?(ここは、失踪者が多いな。)」

 

そして捜査資料を読み進めるとあることに気づいた。この駅周辺の一角でわかってるだけで7人も失踪してるのだ。

 

「(つまり、2匹以上居るか…強い奴モンスターか、大食いのモンスターでも居るのか。絶対に近づないようにしよう。)」

 

だが、今の須藤には力が無い。不意打ちはできても一回だけ。須藤には2匹も相手できる力を持ってないのだ。

 

「(逆に…ここは3人か。先ずはここから行くか。)」

 

須藤はここで他のライダーとは違うアドバンテージを得ていた。それはモンスターの生息地の予測が可能な事だ。モンスターは何処にでも居るが、毎日狩るには場所を把握しなければならないのだ。

 

須藤は弱い、本当に弱い、どうしようもなく弱い。なので力をつけなければならない。

 

だが、一般人を襲うのは論外だ。間違い無くBad Endに一直線だ。したがって、モンスターを狩るしかない。

 

「じゃあ、情報を集めて来るわ。」

 

そして、刑事のアドバンテージは他にもある。それは捜査の過程でモンスターを狩れるのだ。

基本的に情報を得られる事なんて無い捜査だ。

なので「何の成果も挙げられませんでした!」で押し通す予定だ。

 

「あっまっさん!…気を付けてくださいね?」

 

山下は不安そうな顔をする。当たり前の事ではあるだろう。この捜査で何人も帰ってこないのだから。

 

「当たり前だろ。」

 

須藤はそう言って警察署を出た。

外には須藤が使う覆面パトカーが置かれており、珍しくも無い一般的な白い車だ。

 

「先ずは公園からか…。」

 

これから刑事として、ライダーとして戦う。そう心に誓いながら、心と車のエンジンをかける。

 

その時ふと、車の窓ガラスを見ると。

 

「…ん?」

 

「キチキチキチ」

 

ボルキャンサーが何か涎を垂らしてるように見えた、これは一刻も早くコアを与えなければならないだろう。

さもなければ…

 

「(…喰われる。)」

 

須藤は全力で車を走らせた。




Q.好きなライダーの曲は?

A.climax jump ,Revolution 今でも聞いてます。
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