多重人格なツチノコ   作:☆ショウ★

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お久しぶりです…。
学校の席替えのせいでプロットが書けなくなり、難航しておりましたすみませぬ…。
今後はがんばりますのでどうかお付き合いくださいね


第十七話 ツチノコとへいげん 中編その2

「え、私とルルがお前の時代からそのままの個体ってのか!?」

 

「その通りだぜ」

 

ラビラビの言葉を当たり前のように肯定するツチノコ。

 

「え、じゃあぼく達って他のみんなと比べてなんか特別だったりするの?」

 

「いやべつに」

 

「無いんかい!!」

 

ルルの渾身のツッコミが炸裂する。

 

「いやいや冗談だよ。ホントは色々あるぜ。例えばな、意識していない内に旧世代の本能に従って行動してたりな」

 

「え、そんなことあったっけ…?」

 

「ルルはあったろ。ほら、アクシスジカに塩舐めさせられたとき」

 

「あー!」

 

と、かばんが納得したように声を上げるが、当のルルはまだ気づいてない様子。

 

「あのとき、ツチノコさんが怪訝な顔してたのはこれが要因だったんですね」

 

「その通りだ。あのときルルが『ラビラビ、ぼくに勇気を』的なこと言ってたのを私は聞き逃さなかったぞ」

 

ツチノコが得意気に胸を張る。

 

「ぼく、そんなこと言ってたんだ…。無意識って怖いね。全然知らなかったよ」

 

「じゃあそのルルに起きたことが私にも起こるかもってことか?」

 

「ま、そうなるな」

 

ラビラビの疑問に軽く頷くツチノコ。

 

「後はそうだな…。感覚的に旧世代のときの力を使えることもあるはずだぞ」

 

「へえ!それは楽しみだね!ラビラビ!」

 

「うん。そうだね」

 

「それよりも、こうして人数が集まったのだ。せっかくだしみんなでかばんが提案した球蹴りをしようじゃないか!」

 

ヘラジカがそんな提案をする。

 

「お、いいねえ。やろうやろう!」

 

ライオンもヘラジカに便乗する。

 

「球蹴りってサッカーのことか。面白そうだな」

 

「ボクもやっていたいです」

 

「ぼくもぼくもー!」

 

「あ、じゃあぼくも混ぜて貰いますね」

 

「みんなでやろーよ!」

 

「ふむ、じゃあ私も参加しようか」

 

結局、この場にいる全員でサッカーをすることになった。

 

「じゃあ、チーム分けをしましょう」

 

「とりあえず私たちヘラジカ軍とライオン達の連合とツチノコ達で分けてみるか!」

 

そうやって分けてみた結果、

ヘラジカ・ライオン・オーロックス・ラビラビ・ツキノワ・オルマー・カメレオン・シロサイ・ヤマさん・ハシビロ

 

かばん・サーバル・ツチノコ・スナネコ・ルル・クロサイ

 

と分けられた。クロサイは最後までシロサイと別チームになるのを拒んでいたが、自身はヘラジカ軍では無いと説得され、仕方なく受け入れることに。だがしかし、まだ問題はある。

 

「でもこれじゃ6対10になっちゃうからそっちが人数的に不利だよ」

 

「どうしましょうかね…」

 

ライオンとかばんが悩む素振りを見せる。

 

「簡単な話だろ。そっちから二人借りるだけだ」

 

しかしツチノコがキッパリと言う。

 

「あ、そうですね。えーっと、じゃあどなたを勧誘しましょうかね」

 

「こっちは誰でも構わないぞ!」

 

「じゃあシロサイ姫だ!」

 

「ま、そうなると思ってましたわ…」

 

クロサイはシロサイと同じチームになれて大歓喜の様だ。

 

「じゃあもう一人はラビラビにするか」

 

「そうだね!ぼくもラビラビと一緒に居たいもん!」

 

「奇遇だなルル。私もルルと一緒に戦ってみたいと思ってたところだ」

 

という訳で最終的な組み合わせは

ライオン・ヘラジカ・オーロックス・ツキノワ・オルマー・カメレオン・ヤマさん・ハシビロ

 

かばん・サーバル・ツチノコ・スナネコ・ルル・ラビラビ・クロサイ・シロサイ

 

となった。

 

そして両軍作戦会議に移る。

 

「サッカーは点取り屋のフォワード、攻撃と守備の橋渡しのミッドフィールダ、守備の要のディフェンダー、最後の砦のゴールキーパーに分かれる。それぞれ誰がどこをやるかだな」

 

「はいはーい!じゃあわたし点取り屋がいい!!」

 

サーバルが元気よく挙手する。

 

「よし、じゃあお前はフォワードな」

 

「やったあ!」

 

「もう一人のフォワードは誰にします?」

 

「じゃあぼくもフォワードがいい!」

 

ルルも続いて手を上げる。が、

 

「待てルル。お前はラビラビと一緒にミッドフィールダーになってくれ」

 

「えー!なんで!ぼくも点取りたいよ!」

 

「いいかルル。ミッドフィールダーは攻撃へ繋ぐかけ橋となるんだ。だからこそここをお前らに任せたい。お前とラビラビのコンビネーションならカッコよくサーバルにボールを回すことが出来るはずだ!」

 

「ホント!?じゃあぼくやるよ!頑張ろうねラビラビ!」

 

不満げに口を尖らせていたルルだったが、ツチノコの説得で簡単に落ちる。これにはラビラビも微妙な苦笑いをせざるを得ない。

 

「ツチノコはどこにするんですか?」

 

スナネコがツチノコに半笑いで聞いてくる。

 

「なんで笑ってるのか知らんが、私はサーバルと一緒にフォワードに回るつもりだ」

 

「あ、じゃあボクはミッドフィールダーにしますね」

 

「なんか不安なんだけど大丈夫かな…」

 

「だいじょーぶです。ぼくに任せて下さい」

 

スナネコはそういうが、ツチノコの不安な気持ちは拭えない。

 

「…じゃ、じゃあ次はディフェンダーだ」

 

「あ、じゃあそこはぼくがやりますね」

 

かばんが挙手する。

 

「そうか。じゃあかばんは決定だな。シロサイはどうする?」

 

「わたくしはゴールキーパーをやりたいですわ」

 

「ならば私もゴールキーパーだ!」

 

「ゴールキーパーは一人しか出来ねえよ!」

 

どこまでもシロサイにくっつこうとするクロサイに喝を入れるツチノコ。

 

「う…じゃあ私はかばん殿とディフェンダーを受け持つとする」

 

「了解だ。じゃあまとめるぞ。フォワードが私とサーバル。ミッドフィールダーがルル・ラビラビ・スナネコ。ディフェンダーがかばん・クロサイ。ゴールキーパーがシロサイだ。これでいいな?」

 

「異議なーし!!」

 

と、みんなの声が響く。

 

「じゃあ早速フィールドに入ろうか」

 

チームかばんがフィールドに入ると、そこには既にライオンたちがもう待っていた。

 

「作戦会議は終わったようだな。早速はじめようじゃないか」

 

そしてけものたちのサッカーが始まった。




へいげんはまだまだ続きますぜえ!
すんませんが今後もよろしくお願いしますね

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