艦これ戦記 -ソロモンの石壁-   作:鉄血☆宰相
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これからも拙作をよろしくお願いいたします!






そろそろ幕間のきっつい所は抜けたのでご安心ください


幕間 それはそれ、これはこれ

 鈴谷が落ち着くまで彼女を抱きしめていた石壁は、彼女を部屋まで送り届けた後、隠蔽されているが空の見える休憩所やってきた。

 

「……ふう」

 

 そこにあった椅子に座って一息ついた後、石壁はふと先ほどの鈴谷との会話を思い出す。

 

「アイデンティティが歪む……か」

 

 そういいながら、石壁は帰りに拾っておいたレンガを取り出す。

 

「……ふん!」

 

 石壁が全力でそれを握りしめた瞬間、レンガが『砕け散った』。

 

「……はは」

 

 人間業ではないその腕力をみて、石壁は引き攣った笑みを浮かべた。

 

「人のこと、いえないなぁ……」

 

 石壁は退院前の軍医との会話を思い出した。 

 

 ***

 

 怪我が快癒した石壁は、自身の状況を聞くために医務室にやってきていた。

 

 医務室には、石壁の手術を執刀した、軍医である妖精さんがまっている。

 

「まずは快癒おめでとうございます。石壁提督」

「ありがとうございます」

 

 軍医妖精さんがそういうと、石壁はぺこりと頭をさげた。

 

「色々と聞きたいことはあるかと思いますが、先に石壁提督の客観的な現状をはなさせていただきます。質問についてはその後にという形でよろしくお願いいたします」

 

「はい」

 

 軍医妖精さんは石壁が頷いたのをみてから、手元のカルテに目を落とした。

 

「では……石壁提督はさる要塞での決戦において南方棲戦鬼と交戦し、これを討ち果たされました。ですが、身体への損傷は重大にして致命的でありました。全身の筋骨が断裂し、内臓はいくつも破裂・損傷しており、出血多量と極度の疲労状態から脈拍も低減……端的に言って、手遅れの状態でありました」

 

 石壁はあまりに無理を押し通しすぎた。もともと、針の穴に糸を通すようなか細い勝算であったところを、己の命を代価としてその穴を押し広げて運命を打破したのだ。この結果もむべなるかなといったところであろう。

 

「我々に取れる手段は限られておりました。一つは、すべてを諦めて石壁提督を『楽にする』事……もう一つが、外法の術をもってして、無理矢理にでも命を繋ぐ方法……医を志すものとして、この様な方法は取りたくはありませんでしたが、御身をお救いするために……外法にも手を染める事に致しました……どの様な副作用が発生するかまったく予想できない臓器を……深海棲艦の臓器を移植したのです」

 

 その言葉に、石壁は自身の腹部に目をやる。

 

「……南方棲戦鬼、ですか」

 

 石壁は、自身の臓器を潰した宿敵が、結果として自身の『中身』として命をつないだのだという顛末に、複雑すぎる感情を抱いて眉を顰めた。

 

「はい……人の体に深海棲艦の……それも鬼級の大戦艦の臓器を移植して、艦娘用の高速修復材を投与したのです……これ以外に、御身をお救いする手立てはありませんでした……とにかく一時的にでもお命を繋ぐ事ができれば。正規のドナーが現れた際に臓器移植を受けられると思ったのです」

 

 医師の判断は正しい。それ以外の方法で挑んだとしても、石壁は帰らぬ人となって黄泉路に旅立つことになっただろうから。

 

「結果として手術は成功し、今のところ拒絶反応等は発生しておりません。南方棲戦鬼の臓器は我々の想定通りに石壁提督の命を繋ぎ……我々の想定以上に、定着し過ぎてしまいました……」

 

 そういいながら、軍医妖精はレントゲン写真を壁に貼り付けた。

 

「なに……これ……」

 

 石壁は、壁にかけられたレントゲンの異様な有様に目を見開いた。

 

「ご覧ください。移植した当初は人と同様であったはずの臓器が変質して、互いに癒着して変形しております……多くの重要な臓器や血管へと、まるで『根を張る』が如き様相を呈しております」

 

 臓器が歪に変形し、まるで樹木が根を張るような形で絡み合っている。石壁の拙い医療知識から鑑みても、これは異常な状態であった。

 

「重要な臓器と絡みつき、癒着してしまっている以上……もはやこの臓器を他の臓器と交換するのは不可能です……浸食とも呼ぶべき臓器の異常な成長は現在停止しておりますが、この先どうなるのか、一切わかりません……」

 

 そこまで言ってから、軍医妖精は頭を深々と下げた。

 

「すべて、自分の浅はかな判断が原因です……本当に申し訳ございませんでした……」

 

 軍医妖精は、憔悴しきった様子で、深々と、本当に深々と頭を下げている。彼は石壁を救おうと持てる全ての技術を投じたのだ。その結果として、石壁は重い業を背負う事となったが、彼が出来る限りの事をやったのだけは、間違いが無かった。

 

「……頭を上げてください先生。命の恩人に頭を下げさせたままじゃ、座りがわるいですから」

 

 

 石壁は、そういって軍医妖精に頭をあげさせた。

 

「実際ね、南方棲戦鬼にハラワタぶち抜かれた段階で、『ああ、これ多分僕助からないだろうなあ……』って、うっすら思ってましたし。そこから命が助かっただけ儲けものって奴ですよ。先生に感謝こそすれ、恨むなんて事はしませんよ」

 

 石壁はそういいながらにっとわらった。その顔つきは、以前と変わっていない様でいて、どこか達観したというか、以前よりも逞しさが感じられた。

 

「だからほら、謝らないでくださいよ。先生は僕の命を救った。僕は先生に命を救われた。それで良いじゃないですか。これじゃあ態度があべこべですよ」

 

 初陣で歴史に残るような大規模戦闘を戦い、文字通り命がけで要塞を護りきった石壁は、明らかに人間的に一皮向けていた。

 

 達観したというか、死生観が変わったというか、人間的な『深み』の様なものが確かに生まれていた。

 

 からからと笑いながらそういう石壁をみて、石壁の成長と気遣いを感じた軍医妖精は、何かをこらえるようにして言った。

 

「……ありがとうございます」

 

 軍医妖精はそう言いながら、己の命をかけてでも、石壁の為に働こうと、決意を新たにしたのだった。 

 

 

 ***

 

「……」

 

 軍医との会話を思い出していた石壁は、知らずに、己の腹に手をやった。

 

(この内臓は自分のモノじゃない。あのバケモノのモノだ……では、人の体にバケモノの内蔵を入れた僕は、一体何者なんだろうね?)

 

 ちらりと砕けてしまったレンガを見つめながら、自分が今までとは違う生き物になってきていることを、石壁は感じざるを得なかった。

 

「まあ、考えた所でしかたがないか」

 

 石壁はふっと笑って立ち上がると、腹の中の内蔵(ばけもの)が空腹を訴えて咆哮する。

 

 

「僕が人間だろうとバケモノだろうと、平等に腹は減るし飯は旨い。なら生きていることには違いないんだから、くよくよしたって意味はないさ」

 

 石壁はベンチから立ち上がると、食堂へと歩いていった。

 

「今日のご飯はなんだろうか~っと?」

 

 どこまでいっても石壁は石壁でしかない。苦しい昨日も、悲しい今日も飲み込んで、石壁はまた歩き出したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜おまけ〜

 

「ところで、現時点でどういう変化がでているの?」

 

「はい、まず内蔵がとても丈夫になったので、胃腸がとても健康的です」

 

「胃腸が健康」

 

「はい、具体的には飲み過ぎ・食べ過ぎによる胃もたれや二日酔いは今後ないでしょう。連日連夜の宴会でも問題ございません」

 

「すごい」

 

「あと、普通の人がお腹を壊すような食べ物を食べても強靭な胃腸がそれをしっかり殺菌消化して栄養にしてくれますので、今後お腹を下すこともないでしょう」

 

「ぱねぇ」

 

「さらに超合金製の提督の内蔵はあらゆる疾患から貴方の健康を護ります。健康な体は健康な内臓から。そういう意味では今後一生提督は人間ドックに引っかかることはないかと思います。数値の高低に一喜一憂する人々から見ればものすごいチートですね」

 

「すごいちーとだね」

 

「さらに肉体の強度も以前より大幅にましておりますので、二階から飛び降りたり銃弾を腹に食らうぐらいでは死なないと思いますよ」

 

「おお!」

 

「艦砲射撃を食らったら普通に死にますけど」

 

「……」

 

 

 

 

 おまけ2

 

 これがスーパー提督系チートオリ主石壁堅持の全てだ!

 

 石壁アイ

 視力はあがったぞ!でも片目だから遠近感がおかしいので普通車以上の車の免許はとれないし望遠鏡にはかてないぞ!

 

 石壁ヘッド

 硬いぞ!銃弾ぐらいなら弾く石頭だ!軍艦の砲弾食らったら普通に死ぬぞ!

 

 石壁ぼでい

 内臓が変わってから身体能力はなかなかのものでかなり頑丈だぞ!二階から飛び降りてもへっちゃらだ!それだけだ!

 

 石壁アーム

 レンガ位なら片手で握りつぶせるぞ!腕相撲で鳳翔にまけて凹む程度の腕力だ!

 

 石壁レッグ

 百メートル10秒の健脚だぞ!ちなみに艦娘なら100m大体5秒だ!

 

 石壁インターナル(内蔵)

 南方棲戦鬼「私だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




きっつい話が連続するとその事についての感想があまり来ず
読者様にどう受け取られたのかわからなくて
めっちゃ怖いです……




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