提督が幻想郷に着任しました   作:水無月シルシ

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動画の番外編はなかったことにしよう(


第三章 宵闇の宴
031 決意の日


 博麗霊夢の行方不明が発覚してから半月、16日が経過した。

 三途の川・妖怪の山異変から数日、青年が幻想郷に来て13日を経たその日の鎮守府にて。

 

「じゃあ、始めようかねえ」

「わざわざ来てもらってすみません、小町さん」

「いいってことさ。いっつも昼寝してんだから」

 

 威張って言う事ではないな、と青年は苦笑する。

 目の前に座る女性は小野塚小町、三途の川で戦艦になっていた人物である。死神であり、三途の川の船頭であるという。ツインテールの赤髪に赤い瞳、青い着物に腰巻をつけており、その胸元は豊満であった。

 

(見ないほうがいんだろうけど、視線が吸い込まれる……)

 

 執務室。今回の異変に関わった人物の一部を招き、青年は情報の獲得に乗り出そうとしていた。

 深海棲艦に関わることは全て鎮守府に集める。これは青年の方針の一つで、現在幻想郷を席巻するこの深海化という異変を、早期に解決するために行っているのだ。深海棲艦について理解を深めて戦闘の知恵にならないだろうか、という本音は勿論だが、わざわざ深海化を見過ごす理由はない。予防策のようなものが取れるなら、それに越したことはない。

 

 話し合いが始まる前に、来客全員にお茶が振舞われる。そのお茶を遠慮なく口につけた小町は、配膳した涼風に対し満面の笑みでニッと笑った。

 

「いいお茶だねえ。あたいには勿体無いぐらいだ」

「てやんでい! お客人に茶ですら満足させられないなんて、あたいたちの名折れだよ!」

「お、中々わかってるじゃないか! でも、あたいとしてはお茶より寝床かな」

「あたいはどっちかってえと騒ぎたい方なんだけど……」

 

 ワイワイと二人だけで楽しく盛り上がる涼風と小町だが、ひとまずお茶は全員に配膳された。

 青年もまたお茶を一口すすったところで、話し合いは始まる。

 

「まず、皆さんに今日集まってもらったのは他でもありません。二日前に発生した異変について、少しでも情報を共有できればと思いまして」

「あやや、それで私もですか。茅野さんの望む情報かどうかはともかく、ばっちり話は集めてきたので期待してください」

 

 パタパタと、メモ帳のような紙束を振る射命丸文。その隣では、紅美鈴が申し訳なさそうな顔で座っていた。

 

「私は今回、本来のお仕事である情報収集のためにいるんですけども……あ、これ面と向かって言ってもいいんでしたっけ? 私自身が持つ情報っていうのは少ないですが……」

「いえ、是非ともこの場で聴いてください。紅魔館の方の協力は必要不可欠です。遅れましたが美鈴さん、妖怪の山への対応、鎮守府を代表して紅魔館にお礼を言わせて下さい。ありがとうございました」

「あはははは……大したことはしてないですよ」

 

 小町の両隣に座る文と美鈴。特に文は妖怪の山方面、及び本日欠席した風見幽香とメディスン・メランコリーの分の情報も集めてきてくれたらしい。

 小町もまた、映姫が仕事で来られないというので話を預かってきているとのこと。美鈴は紅魔館から参加した戦力の代表ということで、今回の参加である。

 

(好意的に捉えるなら……無視できない事態になってるってことか)

 

 それは深海化のことについてか。あるいは鎮守府の戦力についてか。

 いずれにせよ、この一連の異変が幻想郷に及ぼす影響は、少なからず多方面へと問題を投げかけてしまっているようだ。

 

 さて、話し合いは進んでいく。まずは、今回の異変について。

 

「……なるほど。やっぱり深海化した時のことは記憶にある、と」

「艦娘がすごく嫌いになる感じでねえ。自分の意識はあるけど、体が自由に動くようで動かないんだよ。気持ち悪いったらありゃしないね」

「あやや。私は青葉さんを始めとして、艦娘さんのこと結構好きなんですよ。でもあの時ばかりは、好きって気持ちがそのまま裏返って嫌いになったような感覚でした」

「四季様も、入り込まれた感覚は同じだって言ってたよ」

 

 深海化の謎は深まるばかり。新たに明らかとなっためぼしい情報はなく、青年はがっくりと肩を落とす。

 

「あたいの能力は“距離を操る程度の能力”。いやあ、死神が本気で死神になるなんて思いもしなかったね」

「ふむ。この長門がいればまだ装甲差でどうにか出来たかもしれんが、他の艦には少し荷が重かったようだ。結局最後は物量差だったからな。駆逐艦より早く、その上接射による想定以上の攻撃力だ。我々にとっては、最も厄介な部類の能力に入るだろう」

「私は“風を操る程度の能力”です。深海化したときは、見事に咲夜さんに封殺されてしまいましたけどね」

「対峙したのが同じく幻想郷の者たちで助かった。風を操るなど、我々の速度も射撃も役に立たないものになっていたに違いない」

 

 能力、戦闘については長門が話を聞く。幻想郷で能力を持つ者の強さは、紅魔館の異変の際によく理解している。艦娘と相性が悪い場合が多いのは致命的であり、今後も深海化が起きるとするならば何かしら有効的な対応策を取らねばならないだろう。

 

「聞いてくれよ! その時四季様がこういったんだ。「小町、その……いつも小言ばかり言っていますが、わ、私は貴女のこと、決して嫌いではありませんから」ってな? わかるかい、この何とも言えない気持ちがさあ!」

「これは……いいことを聞きました! 早速記事を! 青葉さんを呼んでください!」

「うーむ。私は駆逐艦が好きだが、映姫もなかなか……フフ」

「話戻しましょうよ」

 

 ともあれ、会合は進められる。どのような情報であれ、今は深海棲艦のことを少しでも知ることが重要となる。そういった意味では幽香とメディスンにも来てもらいたかったが、来られないのを無理に引っ張ってくるつもりもない。

 粗方話し終えたかと思ったところで、小町がそれまでの緩んだ表情を一転。目つきを鋭くし、声音を少し抑えて話し始めた。

 

「さて、こっから結構重要な話だ。四季様からはあまり広めるべきじゃないって言付かってる。鴉天狗、今から話すことは絶対に記事にはしないどくれ」

「あやや、とりあえず話は聞くとして……もし記事にしたらどうなります?」

「死神の実働部隊が、アンタをお迎えにあがるよ」

「おお、こわいこわい。そうですねえ……カミツレさんどうです?」

 

 文に対して釘を刺す小町。およそ五寸釘ではないかと思うほどの刺しようだが、文は考える素振りを見せたかと思うと、青年に対して小首をかしげる。

 

「ん、僕?」

「艦娘、それから深海棲艦のことについては、幻想郷ではあなたに一任されているといっても過言ではありません。あなたから見て、今までの異変等含めて“一部でも”広報するべきかどうか、判断を伺いたいです」

「僕が……」

「妖怪の山は守矢神社と協力関係にあります。そしてそれは、守矢神社と深い関係にある、あなた方とも協力関係にあるということ。我々は協力相手の意思を尊重したいと思っています。提督という立場からいかがでしょう?」

 

 曲がりなりにも、文の新聞は幻想郷中に情報を伝達する手段の一つである。内容の真偽はともかくとして、今深海棲艦の情報を広めることにメリットはあるのか。広めても問題ないのだろうか。

 

(射命丸さんは……微笑んでるけど何か探ってる目だ)

 

 青年が艦隊運営について素人であることは周知の事実であるが、妖怪の山は関わりが深い分、より理解しているといってもいいだろう。その上で、自分の器を問いたいのだ。

 

 本当に、海を任せるに値する人物であるかどうか。

 

「…………。なが――」

「提督よ、一つ助言だ。誤った情報を広めた場合、それを鵜呑みにする者は絶対に存在する。しかし情報を伝えなかった場合、情報を持ちながらなぜ伝えなかったのかと批判する者も存在する。判断は委ねよう、我々は従うだけさ」

 

 長門に助けを求めようと思ったのだが、逆に迷いを生じさせる助言をもらってしまった青年。しかし、よくよく考えればその助言は確かに事実でもある。

 

(映姫さんが広めるべきじゃないと言うならそれはそうなんだろう。地獄で裁判長をやってるような人だ、話は核心に近いはず……なら)

 

「記事にはしないでください」

「ほほう?」

「いらぬ混乱は避けるべきです。深海棲艦の情報は鎮守府で管理します。ただし、幻想郷内には、それぞれ力を持った勢力がいますね?」

「我々妖怪の山に紅魔館。そうですねえ、永遠亭や白玉楼、不可侵の約定はありますが地底の方々もでしょうか。彼らには話を通すと?」

「はい。また改めてこちらから出向きますので、その際に伝えようかと思います。文さんは妖怪の山の長にだけ伝えてください」

「ふうむ……まあいいでしょう」

 

 少しばかり残念そうな表情の文であるが、徒らに情報を広めるべきではない。今回の決断は長門も賛成なのか、瞳を閉じて頷いている。

 

「決まったかい? さて、じゃあ話そうかね」

 

 湯呑を一気にあおり、お茶を飲み干したところで小町は口を開いた。

 

「はっきりと言おう。幻想郷はこのままだと――深海勢に飲み込まれる」

 

 

 

 

 

「まず、四季様のことについて話しておこうかね。“白黒はっきりつける程度の能力”を持つお方で、幻想郷担当の裁判長。ここまではいいね?」

「はい、先日咲夜さんからも伺ってます。自分の中に絶対的な基準を持って判決を下すと聞いていますが」

「ならよし。この白黒はっきりつける程度の能力なんだが、そもそも四季様が特殊でね。精神的な位相が人とはズレてるんだ」

「んん? なんだかいきなりオカルトですね?」

「幻想郷がオカルトだよ。で、四季様の精神波なんだけど、位相がズレてるからこそ絶対的な審判が下せる。とりあえずここまで理解したかい?」

「え、ええ、なんとなく」

「ズレた精神波には、同じく精神波のズレた者しか干渉できない。そして、深海棲艦は四季様にかつてないほど綺麗に干渉した。つまりね、」

 

 

 「深海棲艦って、四季様と同じような存在なのかもしれない」と。

 

 

「同じ……ような?」

「精神波がズレてるから、言葉も含めて精神的な干渉は受けない。自身の中の信念に従って行動する。そこに四季様と比べて善悪の違いはあれど、ね」

「……なら、艦娘の皆は」

「四季様が言うには、本質的には同じだけど、精神波が人と同じ正常な位相に戻った存在じゃないかって。逆説的に言えば、深海棲艦は人じゃない――のはわかると思うけど、もっと人とは違う本能的な存在さ」

 

 例えば紅魔館の時はどうだっただろう。美鈴らが、レミリアらが、深海棲艦と化した異変。精神を乗っ取られた、あるいは融合したのだとしたら、本人の意思を保ちつつ深海棲艦の意思に呑み込まれてしまうことは十分考えられるだろう。言葉を介しながら話が通じないなど、まさしくそれを裏付けていると言える。

 深海棲艦の曲がらぬ信念とやらが艦娘に関わるものであるならば、艦娘への敵意というのも納得はできる。

 

「もっと言うとね、四季様もあたいも能力にまで干渉されたのさ。あたいは能力が強化されたように感じて、距離を短くするどころかほとんど瞬間移動にも近いことができたんだ。でも四季様は違って、むしろ干渉されて能力が弱くなったらしい」

「弱く……?」

「絶対的な意思に支えられていたのに、深海化で力も判断力も低下したのさ。物事の判断がつきにくくなってたって、かなり反省してたよ」

 

 なら仮に、もしも本当に精神波の位相のズレが存在するのであるとすれば、能力の強弱も精神波に依存するとなればどうだろうか。

 話を黙って聞いていた美鈴が、その時ばかりは声を上げる。続けざまに文も。

 

「あ、私もどちらかといえば強化されていたように感じます。普段以上に体が動くと言いましょうか。確かお嬢様も同様とのことでした。誤差の範囲だったり気のせいかも知れないということで、混乱を避けるために伝えてませんでしたが」

「そう言われてみれば……。鴉天狗は普通、ある程度風を操ることが出来るので風に対する抵抗力があるのですが、その抵抗力を奪えるぐらいには、私も強くなっていたような気がします」

 

 例えば文、美鈴とレミリア。深海化により精神への干渉を受け、より本能の赴くままに活動するとなればどうか。精神波が深海棲艦のものと合わさって合成波となり、より強力な波長になったなら、同時に能力も拡充されたなら。

 そして映姫。精神波の位相が似た存在である、と小町は言う。だが逆に、位相がまるで逆であったならどうだろう。映姫と深海棲艦の精神の合成波が互いを打ち消し合い、同時に能力を打ち消されて意思のみが残留したのなら。

 

(でも、深海化が解けた後の映姫さんの威圧感が増してたのが気のせいじゃないなら、本当に精神も能力も弱ってたってことになるよな)

 

「深海化で強化されたならともかく、映姫さんは弱体化ですか。面倒な事例ですね」

「そもそも四季様に勝てる存在なんて、数えるぐらいしかいないだろうからね」

「ふむ、わかりました。とりあえず、深海棲艦は精神波がズレていて、映姫さんにも他の存在にも精神的に干渉できるということ、干渉はつまり深海化、ということでいいんですね?」

「ひとまず、一つの可能性には行き着いたんじゃないかい?」

 

 過ぎた仮定は良くないが、確定しているであろう事実はひとまず受け止めるべきである。どれだけ考えたところで、今は深海化を防ぐ術などないのだから。

 

「うん、それでだ。これが一番広められたくないことなんだけど」

「……何でしょう?」

「今回の異変ね、実は四季様が事を大きくしちゃったのさ」

 

 

 

 

 

 夕日が差す中、鎮守府から去っていく小町と文を見送り、青年は先ほどの小町の言葉を思い出した。

 

 

『四季様ね、実はお休みだったから幻想郷に遊びに来てたんだ。で、三途の川を渡ろうとしたところで深海棲艦を見つけたらしくて。最初はその存在があまりにも“歪”だったから、説教しようとしてたみたい』

『深海棲艦相手に説教とは……なんというかすごい気概ですね。職業病ですか?』

『そうじゃなきゃ閻魔なんてやってられないだろうからね。で、説教を始めた時は、まさか自分に干渉できると思わなかったみたい。説教してるうちに気づいたら攻撃されてて、気づいたらいつの間にか深海棲艦に呑まれてたらしいのさ』

『それだけ……ではないんですね?』

『察しの通り。深海化した四季様は周辺にいた深海棲艦の全てを指揮して、艦娘がいる鎮守府に向けて侵攻させたんだ。自我をコントロールできなかったとは言え、このことについては四季様も本当に悪いと思ってるみたい』

『……悪いと思ってるなら、映姫さんに深海棲艦の征伐を協力してもらうことは――』

『それはあんたが背負うと言ったんだろう? もし四季様が深海棲艦に手を出すことになるなら、必然的に艦娘にも同じものが向けられる。もし四季様との約束を破りたいってんなら、あたいが率先して艦娘に引導を渡してあげるよ』

『……違いありません』

 

 

 艦娘と共に生きる覚悟、深海棲艦を滅する覚悟。今一度その意思を問われた気がして、青年は瞳を閉じた。

 

(大丈夫だ。深海棲艦は皆と一緒に――倒す)

 

 そして、最後に小町が語っていた言葉を思い出す。

 

 

『深海棲艦の正体。間違いなく怨霊なんだけど、なんか違うんだよねえ……。何が違うかはわかんないけど、幻想郷に現れたなら片っ端から倒さないと、気がついたら周りが皆深海棲艦になってました、なんてことになってるかもしれない』

 

 

 その言葉を聞いて、青年は少し考えたのだ。

 艦娘は実体化以外にカードの状態にも変化できる。ならば、いつも遭遇する深海棲艦が実体化の状態であるとして、深海棲艦にとってのカード化は存在するのか。存在するとするならばどのような状態であるのか。

 例えば、魔法の森で遭遇した幽香とメディスン。映姫はこの二人の深海化に全く関わっていないという。つまり、全くの独立した内陸部において深海化が発生したことになる。考えられる理由があるとすれば、それはおそらく――川。

 艦娘のカード化に類する状態が深海棲艦にもあると仮定して、川と何らかの関係性を持っている可能性。これがおそらく、現在では最も可能性が高いだろう。

 

(でも、本当に机上の空論なんだよなあ……)

 

 青年としては非常に気の滅入る状況である。いつどこで深海棲艦が現れ、幻想郷の住人が深海化してしまうともわからないのだから。

 ポリポリと頭を掻いて悩んでいるところへ、長門が肩を叩いてきた。

 

「提督よ、そろそろ日も落ちる。今日は守矢神社に帰るのだろう?」

「あ、うん。昨日は艦娘の皆の対応に追われて帰れなかったからなあ」

「入渠する金剛たちや弾幕に被弾した者たちはまだいいのだ。にとりと夕張が嘆いていたぞ。『もう魚雷なんか作りたくない』とな」

「あはは……まあ川が埋まるぐらい撃ってたからね」

「責任の一端は……まあ感じなくもない」

 

 傍らに立つ長門の微笑みは、夕日に綺麗に照らされていた。その精悍ながらも女性らしい柔和な表情は、少なからず青年の心を鳴らす。

 

「どうした提督よ、私の顔に何か付いているか?」

「ああ、いや、その、綺麗なもんだなあって」

「……私が?」

「あ……うん、長門が」

「フフフ、口説く相手を間違えているのではないか? が、褒め言葉として受け取っておくとしよう。私は長門だからな」

 

 満更でもなく照れた笑みを浮かべる長門。その表情にまた青年は目を逸らすのだが、伝えようとしていた言葉をようやく漏らす。

 

「長門、その……僕を、“提督”として教育して欲しい」

「ふむ? 言われずとも元々そのつもりだったが……一体どうした?」

「異変の時の映姫さんの言葉がね、胸にグッサリと突き刺さるんだ。『深海棲艦の罪も背負う』こと。簡単なことじゃないし、艦娘の皆の協力も必要になるし、頼りたい」

「……我らのために、我らを頼る、か」

「だから、もっと皆の上に立つのに相応しくなりたい。お飾りってだけじゃもう耐えられない。少しずつでいい、絶対に僕は“提督”になってみせる」

 

 もう頼ってばかりではいられない。頼られる人物に、頼られる提督に。

 艦娘を信じると、そう決めたのは他ならぬ自分自身であるのだから。

 

 

「任せておけ、心配するな。私は――連合艦隊旗艦、長門だからな」

 

 

 夕日を背に受けて振り返るその姿。一つの芸術の如き美しさを目の当たりにし、その荘厳さに息を震わせて。胸の高鳴りは、一つの興奮と覚悟を帯びる。

 彼女――彼女たちの誇りを、正しく受け継ぐ決意と共に。

 

 

 

 

 

 

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