潮田 渚 &雪村 あかり編
僕らが、あの教室を卒業してから早7年。
皆各々の、道へ進み。
そして努力していた。
僕も、教師の仕事に没頭していた。
チャイムが学校に鳴り響き、授業開始の合図。
普通の学校だったら、席に座って先生が来るのを待っているもの....何だよね?
僕が教室のドアを開けると、そこには....
【生徒】「おい、渚。テメェ、俺とタイマンはれや」
(なぜ、こんなことに....)
僕が受け持った学校は、たとえて言うなら素行不良の生徒たちの巣窟。
いつもこんな感じだ。
(業なら、うまくできそうだな....)
【業】『ねぇ、どうしたの?小動物の分際で俺様に逆らうつもり?いい度胸だねぇ。ちょっとおもて行こっかぁ』
(ダメダァーーーーーーーーーー!!事態が悪化するだけだ!)
そんな、想像をしながらも授業を続ける。
恩師に教わったことをフルに活かし、自分なりにここの生徒と向き合うんだ。
【渚】「ハァ、それでは今回の英語の授業終わりにします」
(でもやっぱり、不良生徒は大変だ)
殺先生、僕はここでやっていけると思いますか?
心配だ....。
授業が終わると、僕は急いで学校の職員室へ行く。
今日は、茅野と会う約束をしているからだ。
【先生】「おや?、潮田先生。今日はお早いですね」
【渚】「はい、今日は約束があるので上がらせていただきます。先生方お疲れ様でした」
そう言って僕は、職員室を後にする。
学校から、歩いて15分ほどで椚ヶ丘駅に到着する。
(待ち合わせまで、時間あるな....)
時計を見上げながら、目線を駅前周辺を見渡している見る。
スイーツ店が新しく開店していた。
有名なスイーツチェーン店だ。
(何か、お土産に買おうかな....)
【店員】 「いらっしゃいませ!本日開店のため、お値段安くなります」
【渚】 「えっと、じゃあこれとこれを2つずつ。あと、プリンお願いします」
【店員】 「はい、かしこまりました」
(茅野は何を隠そう、プリンが大好きなのだ。暗殺に巨大プリンを作り、挙句にはモニュメントとして飾るといいですまでに....)
【店員】「こちらお品物でございます」
品物を受け取り、再び待ち合わせ場所へ。
その時であった、駅から聞き覚えのある声が自分へかかる。
【カエデ】「渚ー!…はぁはぁ、ごめん。遅れちゃって」
【渚】 「久しぶり、茅野。そんなに急がなくても平気だよ」
【カエデ】 「うんうん。せっかく、ご飯誘ってくれたんだもん。急ぐのは当たり前だよ」
【渚】 「じゃあ、行こっか」
駅の前の大通りを並んで歩く。
中学の頃の同級生とは、久しぶりに会う。
茅野とは、2ヶ月ぶりかな。
皆んな、各々仕事に就き生活を送っている。
【カエデ】 「渚はさ、今の学校での職員どうなの?」
【渚】 「んーw、ちょっと、大変かな…。やっぱ先生って難しいよ」
(い、言えない....実習場所が、今にも廃校寸前の高校だなんて.....。口が滑っても....)
【渚】 「はぁー....」
【カエデ】 「大変そうだね、渚。そういえば、この前みんなで集まって校舎の清掃したんだけどね」
【渚】 「あぁーー!!忘れてた....!」
【カエデ】 「平気だよ。他にも、来てない人いたし。多分、その時間渚授業中だったよ?」
【渚】 「なら、いいのかな?」
【カエデ】 「そう、それでね。渚さえ良ければ、あの校舎を活用して、塾かなんかやってみれば?って思ったんだけど…。
どうかな?まだ、みんなとも話してないけど、ダメとは言わないと思うし、それに磯貝君がね『ここの活用方法も考えないとな。みんなが就活で忙しくなる前に』って」
《引用 二期最終話 磯貝台詞》
【渚】 「一応、前向きに考えとく。教育実習終わる頃には、答えを出すよ」
【カエデ】 「うん!」
15分ほど歩くと、僕が予約していたレストランに着く。
久しぶりに会えたんだし、いい思い出作りに高級レストランにでも誘えればと思ったんだけど…。
教育実習中の身では流石に充分な財力がなく....母親にお金を貯めるコツを聞いたところ、終盤まで全部聞き出されてしまった。
最終的には、僕に彼女ができたと感違いされてしまい、機嫌がよくなった両親はすっごい笑顔でお金を貸してくれたんだよね....…。
【カエデ】 「渚、ここ?」
予想よりも上をいったのか、茅野は少々戸惑っている。
【渚】 「うん、ここ。ビッチ先生に教えてもらったんだ」
【ビッチ】 『お食事?なら、私が烏間を落としたあそことかどうかしら?完全個室で2人の時間を大切にできる最高級のレストランよ』
【渚】 「って言ってたから、気になって予約したんだ。早く行こ。僕、お腹すいちゃってさ」
【カエデ】 「う、うん」
(あー、こういう所来るんだったら、もうちょっといい服着てくればよかったかも....)
僕らは、レストランに入る。
床には、レットカーペットが敷かれ天井にはシャンデリア。そして、バックではジャズが静かに流れている。雰囲気のいいお店で、ビッチ先生のこういう所は「流石」と感心してしまう。
【渚】 「あの、すみません。予約した、潮田です」
【店員B】 「はい、こちらへ」
個室に通される。
そこもエントランスと同じように豪華な装飾が施されていた。
【店員C】 「では、お食事はAコースのものを順番にお持ちいたします。少々お待ちください」
そういうと、案内してくれたお兄さんは部屋から出ていった。
茅野はさっきからだんまりだ。
かくゆえ僕もこのレストランに絶句していた....。
【カエデ】 「なんか、ごめんね。渚。変な格好で来ちゃって」
【渚】 「謝んないで、茅野。事前にお店を伝えておけばよかったんだし、僕のミスだよ。服だって、可愛いし よく似合ってる」
【カエデ】 「っ....///そ、そうかな....」
(もう....なんで平気でこんなこと言うの!渚の馬鹿!)
個室のドアが開く。
先ほどのお兄さんだ。
カートいっぱいの食事にお互い目を光らせる。
【店員C】 「それでは、Aコースごゆっくりお楽しみください」
店員さんはそう言うと部屋から立ち去って行った。
【渚】 「すごい食事だね」
【カエデ】 「うん!どれから、食べようかなー!」
【渚】 (茅野、喜んでもらえて良かった)
【カエデ】 「渚、これ美味しいよ」
【渚】 「どれ?」
【カエデ】 「これ」
目の前に出されたステーキに魅了され、僕は流れで口に運んでしまう.....。
【渚】パクッ
【カエデ】 「っ!?」
【渚】 「あー、ごめん。茅野、悪気はなかったんだ。でも、美味しそうで」
【カエデ】 (うぎゃーーーーーー!死にそうーーーーーー!!あーーーダメダメ 演技演技演技!!)
【カエデ】 「大丈夫!……な、渚は美味しい?」
【渚】 「うん!とっても」
(今日、失敗ばっかりだな....)
【カエデ】 「それは良かった」
(今日は、やたら攻めてくる....)
1時間後、僕らはAコースを平らげていた。
その間に、机の端に伝票を置くためにさっきのお兄さんが入って来た。
【渚】 「茅野、意外と食べる方なんだね」
【カエデ】 「渚もね」
【渚】 「今日、忙しくって昼ごはんたべれてないから、そのせいかも」
【カエデ】「抜食は、体に悪いから気をつけてね!」
【渚】 「うん、気をつけるよ。ありがとう」
すると突然、僕の携帯が鳴った。
【渚】 「なんだろう?母さん?」
【カエデ】 「出てくれば?」
【渚】 「ごめん、じゃあ、ちょっと出てくるね」
茅野に促されるままに僕は個室を出る。
【渚】 「なぁに、母さん」
【母】 「渚!彼女さんとデートうまく行ってる?」
【渚】 「まぁ、ぼちぼち」
【母】「そっかぁ、実はね。お得意先から、ケーキいただいたのよ。お父さんとも話したんだけど。彼女さんにもご挨拶したいし、寄れるかしら?」
【渚】 「い、いやっ」
(待てよ。今僕は、親からお金を借りてこのレストランにいる。もしかして.....このために....(泣) )
【渚】 「わかった。母さん、一応話してみるよ」
【母】 「待ってるわねー」
プチっと、母さんが言いたいことを言い終えたところで電話が切れる。
【渚】「はぁー…。母さんは相変わらず母さんだった....」
ため息を漏らして、僕は個室に戻る。茅野をあまり待たせてもいけないし。
渚が電話に出ている間、残された茅野は今日の渚の行動を振り返っていた。
【カエデ】 「んー、しかし今日はやけに攻めてくるなー」
ふと席を立ち、夜景を眺めて振り返ると伝票が目に入る。
「ゴクッ」(失礼なこと承知で、見るのもどうかとは思うけど大丈夫よ!!雪村あかり!!今日はちゃんと現金持ってきてるから!!ちょっとくらい足しになれば....)
チラッ
¥ 2 0 0 0 0 0 税抜
【カエデ】 「グハッ.....。う、嘘....。た、足しにもならないなんて、私の戦闘力では.....クッ.....」
(それにしても、こんな大金どうやって....まさか!?)
【渚】『先生って大変でさー』
『はぁー』
【終】
【カエデ】(まさか.....いけないお仕事してるんじゃ....)
【渚】「茅野さ」
突然の背後からの声に一目散に席に着く。
【カエデ】 「ん、なに?」
【渚】 「母さんが、このあと茅野に会いたいって言ってるんだけど」
【カエデ】 「え、私に?」
【渚】 「いや、今日食事するって言ってあったから。せっかくだし連れて来いって」
【カエデ】 「あー、いいよ!明日、仕事オフにしてもらってるから」
【渚】 「よかった。じゃあ、僕の家まで案内するよ」
僕は伝票と荷物を持ち会計へと向かった。
茅野は、ちょっと遅れて後ろからついて来てるようだ。
【店員B】「では、お会計こちらの金額です」
【渚】「はい、この封筒にぴったり入ってると思います」
【店員B】 「確認いたします」
【店員B】 「確認できました。ちょうどお預かりいたします。またのご来店、お待ちしております」
【渚】 「はい、美味しかったです」
【カエデ】 「はい!とても!!」
僕らはそういうと、レストランを後にする。
【カエデ】「ここから渚の家ってどれくらいなの?」
【渚】 「近いよ。歩いてすぐ」
【カエデ】 「そうなんだ」
大通りをまっすぐ歩き、狭い路地へと入っていく。
日は完全に沈みきり、街灯だけと月明かりが僕らを照らしていた。
【カエデ】 「渚!!」
【渚」 「どうしたの?茅野?急に大きな声で」
【カエデ】 「渚、何か隠してない?」
【渚】 「っ!。なんだよ、急に.....」
【カエデ】 「渚のこと、ずっと見て来たからわかるよ。嘘つくとき、冷たくなって右下向くもん。盗み見るつもりなかったんだけど、見ちゃったんだ。今日のご飯代」
【渚】 「.....」
【カエデ】「何か....。まずい…。」
【カエデ】 「まずい仕事してるんじゃないの?」
【渚】「へ?」
【渚】「な、何言ってるの茅野!確かに、僕が教育実習してるのは不良生徒多いし廃校寸前だけど。
別に、変な仕事してないし。それに、今日のお金だって、両親から借りたお金。ほんとは時間をかけて用意するつもりだったんだけど、勘違いされて、彼女とご飯食べにいくっていう解釈になっちゃってて。
息子のためにってお金を貸してもらった.....だけです」
(全部いっちゃった....)
【カエデ】 「え、えーと……。結構大変だね……」
【渚】 「うん…」
【カエデ】 「渚の家つくまで、頑張って解釈するからもう一回説明して」
10分後。
【カエデ】 「なーんだ、そういことだったのか」
【渚】 「いろいろ、秘密にしててごめん」
【カエ】 「いいよ、いいよ。言いたくないなら、言わなくても。でも、今度はちゃんと、お食事誘ってもらえると嬉しいな」
【渚】 「うん!」
話を終える頃には、僕の家の前に着いていた。
【カエデ】 「私は、雪村あかねの方がいいんだよね」
【渚】 「うん、まず誤解を解いてからね」
【カエデ】 (しれっと、傷つくなぁー)
【渚】 「ただいまー」
【母】 「あら、渚。お帰りなさい」
【カエデ】 「こんばんわ」
【母】 「わざわざ、遠路はるばる.....。えぇーーーー!?!?」
【父】「どうした!?母さん!っ!!」
両親共々、茅野を見て絶句していた。
【カエデ】 「雪村あかりです。夜分遅くに、お邪魔します」
【母】「あらあら。どうぞ、ささ上がって上がって」
所変わって、リビング。
僕は事情を話し始めた。
【渚】 「母さん、父さん。実はね、今日一緒にお食事したのは、カヤッ....あかりさんとなんだ」
【カエデ】 (あ、あかり///)
【母】 「そうならそうと言ってもらえれば」
【父】 「なぁー、父さんだって張り切ったってもんだ」
【渚】 「いやだから!」
【カエ】 「私たちは、付き合ってないんですよ。渚は優しいから、休みの日ぐらいいい思い出をと思って企画したらしいんです」
【父】 「そ、そうなのか?渚」
【渚】 「だから、お金のため方教えてと....」
【母】 「ちょっと、早とちりしちゃったようね。母さん恥ずかしいわ。
お詫びに、ケーキもらったのよ。よければ、どうぞ」
なんと、母さんが出して来たケーキはさっき僕が勝ったケーキと同じ所のやつだった。
【渚】 「....」
【カエデ】 「では、お言葉に甘えて」
パクッ
【カエデ】 「美味しいです!!」
【母】「そう?これ、駅前にできた新店舗のやつなのよ」
【カエ】 「椚ヶ丘駅のですか?」
【母】 「えぇ、帰りよかったら寄ってみるといいわ。プリン以外は全部あったと思うわよ」
【カエデ】 「そ、そうなんですかぁ」
(ぷ、ぷりん....)
【渚】 「母さん、僕着替えてくるね」
【母】 「いってらっしゃい」
僕は席を外し、自室へ。
(はぁー、今日はなんて日だ....)
・リビング
【父】「それで、あかりさん」
【母】「私たちは、渚には幸せになって欲しいと思ってるわ。だから、正直渚のことどう思ってるか教えてくれない?」
【カエデ】「え、えーと」
【父】「母さん!あかりさん困ってるじゃないか!」
【母】「だって気になるでしょ」
【カエデ】「7年間、ずっと片思いです...///」
【父】「ほら!こんなにも困って.....」
【父 母】「えええええええーーーーーー!!」
【母】「それ、ほんとなの!?あかりちゃん」
【父】「あの、女優さんが?」
【カエデ】「はい、渚は自分の道をまっすぐ見てる。私が脇目をさせちゃいけないと思って」
【母】「それは違うわ!それもこれも、私が恋心を教えなかったばっかりに....」
【父】 「母さん」
【母】 「渚!!!!!」
【渚】「はいっ!!!!」
【母】 「今すぐ、あかりちゃんを駅まで送って行きなさい!!!」
【渚】「何がどうなって....」
帰り道
【渚】 「なんかごめんね。せわしなくって」
【カエデ】 「うんうん、大丈夫」
【渚】 「それにしても、さっきはびっくりしたよ」
【カエデ】 「あははは」
(どうしよう。言った方がいいのかな....でも、親公認ってことだよね?じゃあ、あとはこの鈍感王子を私が落とせるかどうか!!)
その瞬間冷たい風が吹く。
5月でも、夜は少し冷え込む。
こんな夜遅くになるとは思っても見なかった。
【渚】 「茅野」
【カエデ】 「え?」
渚の着ていたコートが私にかかる。
【渚】 「それじゃあ、風邪ひいちゃうよ」
暖かい。
さっきまで、着ていたコートは、少し暖かくて、渚の匂いがして。
まるで、渚に包まれているみたいだった。
【渚】 「さ、電車なくなっちゃうよ。行こっ」
【カエデ】 (先に行っちゃう。待って!まって!まって!!)「渚!!」
【渚】 「ん?何?茅野」
【あかり】 「ここからは、磨瀬榛名でも茅野カエデでもない。雪村あかり。私が7年間秘密にしてきたことを言うね」
【渚】 「....」
【あかり】 「ずっと、ずっと7年間大好きでした!!あのキスの時から、ずっと!!」
【渚】 「茅野....」
【あかり】 「我慢してたんだよ。芸能活動やってるから、むやみやたらに恋はできなかったけど、渚には許せた」
(もっと、もっと、渚に近ずくために精一杯今の思いを)
ギュッ
【渚】 「っ!!カヤッ!!」
【あかり】 「今は、雪村あかり。茅野カエデは、もうおしまい。今、渚の前にいるのは、もう君の知ってる女の子じゃないんだよ?」
【渚】 「本当に、僕のことを7年間も....」
【あかり】 「うん、そうだよ。渚は今日、全部話した。だから、私も言おうと思って....」
私は、渚の顔を見上げる。
【あかり】 「私じゃ.....ダメ?」
【渚】 「でも僕ほら、そう言う経験ないし、背も高くないし、今でもたまに女性と間違われるくらいだし」
【あかり】 「私だって、お芝居の恋は一杯やったし勉強もしたけど、リアルで同級生を好きになるなんて経験ないし///似た者同士だね」
【渚】「カヤッ」
【あかり】 「ほら!また、茅野って言おうとしてる!!」
【渚】 「あかり!!」
ギュッ
【渚】 「僕と、付き合ってもらえますか」
【あかり】「はい....」
完
原作の続きを想像して書いた物語です。
個人的には、王道を行ったつもりなんですがどうですかね?(´∀`;)
追記:ピクシブと同時投稿しています。