スマイルプリキュア&時を超える桃太郎   作:紅鮭

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助けた亀に釣れられて

【去年10月15日】

 

 

マーメイドイマジン『さーて、一体何処にいる?』

 

 

マーメイドイマジンはバッドエンドになった世界で何かを探すように辺りを見回す。

 

 

すると、懐中時計を片手に薄茶色のフェルト帽を目深にかぶり、同色の外套を羽織っている男が視界に入った。

何故かその男のみ、バッドエンドに染まってない。

 

 

マーメイドイマジン『みーっけ!』

 

 

マーメイドイマジンはその男をみると腕を翳し、その男目掛けて、電撃を放った。

しかし、その間に割って入るかの如く、デンライナーがその電撃を防ぐ。

 

 

 

マーメイドイマジン『何ぃっ!?』

 

デンライナーから降りてきたのは良々、なお、れいかの3人。

 

まず、なおとれいかが変身アイテム・スマイルパクトを開く。

そして、自身のキュアデコルをセット。

 

『Ready』の音声の後、二人は同時に叫ぶ!!

 

 

 

「「プリキュア・スマイルチャージ!!」」

 

 

『Go!GoGoLet’sGo!!』

 

 

二人はパフを身体に当てていき、なおは黄緑色の、れいかは水色のコスチュームへと姿を変えてゆく。

そして二人の髪が増量し、なおは後ろと左右に結ばれたいわゆるトリプルポニーテール、れいかは後ろに真っ直ぐ流す形となった。

そして、最後にパフを両頬に当てて変身完了!

 

続いて良々は変身アイテム・デンオウベルトを腰に巻くと、左手で赤いセレクトボタンを押し、右手のパスをベルトのバックル部分へ横切らせた。

 

 

良々「変身…」

 

 

 

<SWORD FORM>

 

 

 

良々は黒いライダースーツにその上から、赤い陣羽織が覆い被さった。

良々の髪と瞳が赤く染まり、髪を大きな白いリボンが逆さ蝶々結びでポニーテールを形成し、額には白鉢巻がしっかり巻かれた。

 

 

デンオウSF「俺、参上!!」

 

親指で自分を指し、そして勢い良く腰を捻り、両腕を広げ、高らかに宣言する良々の変身した戦士──デンオウ・ソードフォーム。

 

 

 

マーチ「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!」

 

折れず、曲がらず、心身ともに真っ直ぐな風の戦士──キュアマーチが名乗りを上げる。

 

 

キュアビューティ「しんしんと降り積もる清き心!キュアビューティ!」

 

優しくも、雪の様に澄んだ心を持つ戦士──キュアビューティが降り立った。

 

マーメイドイマジン『だあああああああぁぁぁぁぁ、またアイツらかぁ!!』

 

 

マーメイドイマジンはその三人を見るとウンザリした声を出す。

 

 

マーメイドイマジン『何度も言わせるな!!アタシはアンタ達と戦う事が目的じゃない!!』

 

デンオウSF「知るか!!こっちはそれが目的なんだよ!!行くぜ行くぜ行くぜぇーっ!!!」

 

 

デンオウSFが先頭切って走り出す。

 

 

マーメイドイマジン『ちっ、なら…、面倒だけどアンタらから始末してやる』

 

 

マーメイドイマジンは、まず自分の目的を阻害する目の前の敵を排除し、その後ゆっくり自分の目的を果たす事に決めた。

マーメイドイマジンは自分に突っ込んでくるデンオウSF目掛けて帯を鞭の様に振るった。

しかし、キュアハッピー達を吹き飛ばす帯であろうと所詮は布。

デンオウSFは素早く組み上げた得物でその帯を細切れにする。

 

 

マーメイドイマジン『何ぃ!?』

 

 

帯が切り刻まれた事に驚くも次は電撃を繰り出そうとするが、続けて両サイドからマーチとビューティが拳を振り上げ、パンチを繰り出す。

 

 

マーチ「はあっ!!」

 

ビューティ「やあっ!!」

 

 

マーチは持ち前のスピードを生かし、反撃を許さない連続攻撃を繰り出す。

ビューティは相手の出方を伺い、無駄な攻撃を削ぎ落とし、弱くとも急所を狙った確実な一撃を叩き込む。

そして、今回デンオウはSF二人のサポートに回る。

主にマーメイドイマジンの攻撃を防ぎながら突撃していく。

 

 

マーメイドイマジン『うぐっ!!』

 

 

さらに追撃するデンオウSF、マーチ、ビューティ。

コンビネーションにマーメイドイマジンは圧倒され、優勢に持ち込む。

 

 

マーメイドイマジン『クソ~、少々面倒だね』

 

 

悪態をつきながら考える。

すると、何処からともなく磯の香りがしてきた。

それに気付いたマーメイドイマジンは三人を飛び越え、トビウオの様なヒレで空を滑空する。

 

 

デンオウSF『逃がすか!』

 

 

デンオウSFはマシン・デンバードに跨り、マーメイドイマジンを追う。

マーチ、ビューティも建物の屋根の上を跳躍し、後を追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーメイドイマジンは近くの防波堤に到着すると海に飛び込んだ。

そして遅れて来た三人。

 

 

デンオウSF「くそ、また逃げられた」

 

 

デンオウSFが海面を覗きこんだ。

その時である。

海面から2本の帯が飛び出した。

 

 

マーチ「危ない!!」

 

 

それを察知したマーチはデンオウSFの襟首を掴み、後ろへ引っ張った。

しかし、そのためマーチが代わりにその帯に巻かれ、海中へと引きずり込まれた。

 

 

ビューティ「マーチ!!」

 

デンオウSF「今行くぜ!!」

 

ビューティ「え!?」

 

 

デンオウSFが身を乗り出し、ダイビング!!

その時ビューティが何か叫んでいたがデンオウSFの耳には入らなかった。

 

 

マーチを海中へ引きずり込んだマーメイドイマジンは帯に縛られたままのマーチをハープ型の武器で滅多打ちにする。

 

 

マーチ「グッ!」

 

マーメイドイマジン『フンッ、手も足も出ないだろうね』

 

 

優勢になった途端マーメイドイマジンは勢いづく。

 

 

デンオウSF「待ちやがれ!!」

 

 

マーメイドイマジン『デンオウ?!』

 

 

良々『ナオさんを助けるのよ!モモタロス』

 

 

しかし、しばらく潜ったあとデンオウSFはハッと気付く。

 

デンオウSF「あー、良々。ちょっといいか?」

良々『何?』

デンオウSF「飛び込んで今思い出したんだが…」

良々『だから何?』

 

 

 

 

デンオウSFから衝撃の告白。

 

 

 

 

デンオウSF「俺、カナヅチだ」

 

良々『は?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーメイドイマジン『?』

 

マーチ「モモタロス?」

 

 

マーチもマーメイドイマジンもデンオウSFの異変に気が付く。

異様に手足をバタつかせ、もがき苦しんでいる感じであった。

 

 

マーチ「まさか…あいつ泳げないの?」

 

マーメイドイマジン『こいつはいい』

 

 

デンオウが泳げない事に感ずくとマーチをハープ型の武器で挟み込み、近くの岩礁に拘束した。

マーチは何とか脱出しようとしたが息が出来ない水中では思うように力が入らない。

 

 

デンオウSF「マーチ!!」

 

 

拘束されたマーチを助けようと必死でもがくが、泳げないデンオウSFは水中ではほとんど満足に身体を動かせなかった。

 

 

マーメイドイマジン『まあ、アンタが泳げようが泳げまいが、水中戦でアタシに勝てる奴なんかいないよ』

 

 

その隙を突いてマーメイドイマジンが突撃してきた。

水中という立体空間をフルに使った文字通りの縦横無尽な突撃にもてあそばれ、ついにオーラアーマーが霧散。

身体の自由は取り戻した良々だったが、それまでに深く沈み過ぎた。

このまま では海底から脱出することもままならない。

それを見て助けねばと思いマーチも拘束を破ろうと必死になる。

しかし、両者とも息が続かず、ここまでかと思ったその時、

 

 

 

 

 

 

 

ウラタロス『お困りのようだね、良~々ちゃん♬』

 

良々『ウラタロス…?』

 

 

 

ウラタロスの飄々とした声が頭の中に届いた。

 

 

 

ウラタロス『全く君は甘いねぇ、僕みたいなの信用しちゃってさぁ…』

 

良々『何の用なの……?悪いけど…あなたの相手しているヒマ…』

 

ウラタロス『良々ちゃん、僕は嘘つきだ』

 

良々『何よ……今更……』

 

 

 

 

 

 

ウラタロス『けどね、僕は嘘はつけども裏切らない…』

 

 

期待も、友も。

 

 

ウラタロス『ボタンを押してご覧。僕は女の子のピンチを黙って見過ごしたりしないからさ♪』

 

 

見ると、ベルトの青いセレクトボタンが光っている。

デンオウPF・良々は青いセレクトボタンを押す。

すると、バックル部分が青く点滅し、どこからともなく海底を連想させるメロディが流れて来た。

そして、パスを横切らせる。

 

 

 

 

 

<ROD FORM>

 

 

 

 

その電子音と共に、赤い陣羽織のが再び形成される。

しかし、その陣羽織はそのまま羽織る事なく裏返り、群青色で腰までの丈のアロハシャツとなってそれを羽織る。

太ももの赤いラインは群青色のラインへと変わる。

前髪の青い七三に、後ろ髪はうなじの部分で結い。

さらに群青色の亀甲模様の海亀折り紙が何処からともなく現れ、デンオウの頭部に密着するとバンダナとなって、それをニット帽の様に頭部全体を覆う様に締まる。

後ろの結びは白く長く、ウサギの耳みたく上方に伸びた。

最後に青い瞳にオレンジ色の六角レンズのサングラスを掛けて変身完了!!

 

 

 

ビューティ「マーチ、モモタロスさん…」

 

 

 

岩場から二人を信じて待つことしかできず、祈るように海面を見つめていた。

すると、いきなり水柱が上がりマーメイドイマジンが岩場に着地した。

 

 

 

ビューティ「な?!」

 

マーメイドイマジン『ふん…』

 

 

 

マーメイドイマジンはビューティを見て得意そうな顔をする。

 

 

 

マーメイドイマジン『弱かったね、あの二人…』

 

ビューティ「二人をどうしたのですか!?」

 

マーメイドイマジン『さあね?ま、今頃は溺れてるだろうよ』

 

 

 

そう言って、デンオウSFが持っていたデンガッシャーを無造作に放った。

 

 

 

ビューティ「そんな…」

 

 

 

ビューティは信じられないというような表情になり、目を見開く。

 

 

 

マーメイドイマジン『残ったのはアンタだけだね。すぐに倒してやるよ』

 

 

 

マーメイドイマジンが腕に電気を走らせ、ビューティにゆっくり歩み寄って来る。

ビューティも二人の仇を取るため身構える。

その時だった。

海面から再び水柱が立ち昇り二人の頭上を飛び越え、ビューティの後方に着地した。

脇にはマーチを抱え、背中には「電王」の文字。

群青色のアロハシャツを着こなしたデンオウ──

──デンオウ・ロッドフォームがクルリとこちらに身体を向けた。

そして、爪をいじる動作をしながら、オレンジレンズのサングラス越しに光る青い瞳がマーメイドイマジンを睨み宣言する。

 

 

 

 

デンオウRF「お前、僕に釣られてみる?」

 

 

 

 

その言葉に身を竦ませたマーメイドイマジンが再び海へ飛び込もうとするが、デンオウRFは信じられない驚異の跳躍を見せる。

瞬く間にマーメイドイマジンの後ろ首を締め上げる。

 

 

 

デンオウRF「逃、げ、る、な!!」

 

 

 

マーメイドイマジンを引き戻し、落ちていたデンガッシャーを拾い上げ、そのまま華麗に回し蹴り!

それでも止まらず流れる様に一回転、二回転、三回転の回し蹴りを叩き込む。

そして隙をつき、素早くデンガッシャーを分解し、直列に連結する。

振りかぶるとその長さが倍近くにまで伸び、先端から刃が飛び出す。

デンガッシャー・ロッドモード。

そして立ち上がろうとしたマーメイドイマジンに強烈なスイングを炸裂させた!

 

 

 

マーメイドイマジン『うあっ!!』

 

 

 

 

 

 

 

マーチ「ごほっ!ごほっ!」

 

ビューティ「大丈夫ですか?マーチ」

 

 

 

その頃、マーチは海水を吐き出し、意識を取り戻した。

 

 

 

マーチ「ビューティ…?」

 

ビューティ「よかった」

 

 

 

ビューティはホッと胸を撫で下ろし、安堵した。

その目を覚ましたマーチの目に入って来たのは青い姿のデンオウ。

その姿を見てポツリとつぶやく。

 

 

マーチ「浦島太郎…?」

 

 

 

 

吹き飛ぶその胴にさらに突きの連撃が襲い掛かる。

 

 

 

マーメイドイマジン『この!調子に乗るんじゃないわよ!!』

 

 

 

両腕から紫電を迸らせ、デンオウRF目掛けて放電する。

しかし、デンオウRFは相手からけして目を逸らさず、電撃を見切り、スレスレでそれを回避する。

それでもよけきれない時は跳躍し、遥か向こうの岩場に着地、体操選手のように空中で身体を捻らせ、マーメイドイマジンを翻弄する。

水の様にしなやかで形にとらわれない柔軟な動きでマーメイドイマジンを次第に追い詰めて行く。

マーメイドイマジンは這いつくばって逃げ惑い、ズタズタに打ち貫かれながらも捨て身でデンガッシャーにしがみ付くと、投げ飛ばされるように海に飛び込んだ。

 

 

 

ビューティ「あ!」

 

マーチ「逃げられた」

 

 

 

戦線復帰したマーチとビューティが駆け寄った時にはマーメイドイマジンは海へと逃げた後だった。

だがその姿を見ても、デンオウRFは冷静を保ったまま。

 

 

 

デンオウRF「悪いけど、僕は逃がさないよ」

 

 

 

その言葉と同時に遠くの海中からRFの変身待機音を奏でながら、青いデンライナーが姿を見せた。

 

 

 

マーチ「あ、新しいデンライナー?!」

 

 

 

デンオウRF「なおちゃん、早速だけど…一緒に乗ってもらうよ。れいかちゃんはここで待っててね」

 

 

 

マーチ「え?ちょ…うわぁ!」

 

 

 

 

マーチの手を引き、青いデンライナー──デンライナー『イスルギ』から分離した亀型飛行艇──レドームへと乗り込む。

レドームはヒレの様なオレンジ色のブレードフィンを伸ばし追撃を開始する。

 

 

 

 

マーメイドイマジン『くそ~、冗談じゃないよ。とにかく、今は海中に身をひそめて隙をつくしか…』

 

 

 

マーメイドイマジンは電撃が効かない事に悪態をつきながら逃走していた。

隙あらばどう反撃しようか模索している。

 

 

 

 

 

 

 

 

その上空ではデンオウRFはレドームの下からソナーを放出し、マーメイドイマジンを追う。

 

 

 

マーチ「見つからない?」

 

デンオウRF「だけど相手の目的は分かっているよ。外海へ逃げる…なんて事はまずない。それに、ここいらの水深なんてたかがしれる。いくら海底に身をひそめ息を殺そうがカッパの屁だ」

 

 

 

ソナーと直結しているオレンジのサングラスが反応を示した。

 

 

 

デンオウRF「言った筈だよ。僕は逃がさないって…」

 

 

 

マーメイドイマジンの影を確認するとマーチに呼び掛ける。

 

 

 

デンオウRF「なおちゃん、相手は特に深い所にいるみたいだ。ちょっと君の力、かしてくれるかな?」

 

マーチ「どうするの?」

 

 

 

マーメイドイマジンは海底に身を潜めながら海面上空をみる。

そこにはレドームの影が見えた。

だが、マーメイドイマジンは海中まで追って来ないのを見ると一安心し、そのまま息をひそめる。

しかし、上空で常に準備は整っている。

 

 

 

デンオウRF「よし、あそこにお願いね!」

 

 

 

デンオウRFの海中を指さし、合図する。

マーチはスマイルパクトに気合いを込めると辺りの風がマーチの右脚に集中する。

 

 

 

マーチ「プリキュア!マーチシュート!!」

 

 

 

風のボールを蹴り上げ大きくカーブしながら、海中へと飛び込む。

 

 

 

マーメイドイマジン『残念、ここまで届かなけりゃ意味な……ッ!!?』

 

 

 

マーメイドイマジンは辺りの海流の流れの異変を察知したが、もう遅い。

マーチシュートの風が海流の流れを荒れさせ、大渦を起こした!

 

 

 

マーメイドイマジン『ぐ…ぐごぎががががががががががが………!!!』

 

 

 

突然の流れで反応する事が出来なかったマーメイドイマジンは海流の流れに翻弄され、海面付近に引き上げられた。

その一瞬をデンオウRFは見逃さない。

 

 

 

デンオウRF「そら!」

 

 

 

デンガッシャーから放たれた釣り針とワイヤーがマーメイドイマジンを素早く釣り上げ、陸の方へと投げた。

 

 

 

マーメイドイマジン『ぐあっ!!』

 

 

 

マーメイドイマジンは岩場に叩きつけられ、それを追ってマーチ、ビューティ、デンオウRFが岩場に立つ。

 

 

 

マーメイドイマジン『クソッ!!』

 

 

 

マーメイドイマジンは両手を突き出すが、それより先にデンオウRFのデンガッシャーがその、両手を弾いた。

その後、マーメイドイマジンの両手から電撃が放出されたが、それは見事に外れた。

 

 

 

マーメイドイマジン『何!?』

 

 

 

何故自分の攻撃が読まれたのかマーメイドイマジンは戸惑いを隠せない。

 

 

 

デンオウRF「無駄だよ。君の両手から出ている電撃は手の平の向きからおおよそどこに目掛けて放たれるか判断できる。それに電撃を放つ際必ず腕に充電しなきゃいけないからね。呼吸が分かれば…もう取るに足らない」

 

 

 

 

相手の一歩先を見切る戦法に翻弄され、足りない打撃はマーチとビューティが補い、マーメイドイマジンを次第に追い詰めて行く。

デンオウRFはデンガッシャーを振るい、足を引っ掛け、叩く。

マーチは相手の懐に潜り込み、速さを活かした接近戦で追い込む。

ビューティは逃走を図ろうとするマーメイドイマジンに回り込み、退路を断つ。

 

 

 

デンオウRF「釣った魚は早目に調理しちゃいますか…。

調理方は「あらい」でお願いね。れいかちゃん」

 

 

 

ビューティ「承知しました」

 

 

 

ビューティがスマイルパクトに力を込め、強力な冷気を放つ。

 

 

ビューティ「プリキュア!ビューティブリザード!!」

 

 

マーメイドイマジン『う、うぁああああああああああ!!!』

 

 

 

マーメイドイマジンの全身が凍結し、氷の彫像と化す。

 

 

 

デンオウRF「仕上げに、三枚におろすとしますか…」

 

 

その死刑宣告のあとトドメと言わんばかりにデンオウRFはパスを取り出し、ベルトのバックルへ翳した。

 

 

 

 <FULL CHARGE>

 

 

 

デンオウのバックルが青く点滅し光の線がデンガッシャーの柄頭に繋がるとデンオウRFは切っ先を凍結したマーメイドイマジンに向けて、構え、投げる。

デンガッシャーがマーメイドイマジンを貫くとそこを中心に六角形のエネルギーが展開し、マーメイドイマジンをロック──“ソリッドアタック”が決まる。

デンオウRFはその場で跳躍し、飛び蹴り──“デンライダーキック”をくらわした。

マーメイドイマジンは粉々に粉砕され、氷の粒が海へと落ちる。

しかし、その氷の粒が次第に増大し、大きくなってゆく…。

 

 

 

 

 

 

──むかしむかし、 深い深い海の底に、サンゴの壁とコハクのまどのお城がありました。

そのお城は、人魚の王さまのお城です。

王さまには6人の姫がおりまして、その中でも、とりわけ一番末の姫はきれいでした。

人魚たちの世界では、十五歳になると海の上の人間の世界を見に行くことを許されていました。

末っ子の姫は、お姉さんたちが見てきた人間の世界の様子を、いつも胸ときめかして聞いています。

「ああ、はやく15歳になって、人間の世界を見てみたいわ」

そうするうちに、一番末の姫もついに15歳をむかえ、海の上に出る日がきました。

喜んだ姫が上へ上へとのぼっていくと、最初に目に入ったのは大きな船でした。

「わあー、すごい。人間て、こんなに大きな物を作るんだ」

人魚姫は船を追いかけると、甲板のすき間から、そっと中をのぞいてみました。

船の中はパーティーをしていて、にぎやかな音楽が流れるなか、美しく着かざった人たちがダンスをしています。

その中に、ひときわ目をひく美しい少年がいました。

それは、パーティーの主役の王子です。

そのパーティーは、王子の誕生日を祝う誕生パーティーだったのです。

「すてきな王子さま」

人魚姫は夜になっても、うっとりと王子のようすを見つめていました。

すると突然、海の景色が変わりました。

稲光が走ると風がふき、波がうねりはじめたのです。

「嵐だわ!」

船乗り達があわてて帆をたたみますが、嵐はますます激しくなる一方。

船は見るまに横倒しになってしまいました。

船に乗っていた人びとが、荒れくるう海に放り出されます。

「大変! 王子さまー!」

人魚姫は大急ぎで王子の姿を探しだすと、ぐったりしている王子のからだをだいて、浜辺へと運びました。

「王子さま、しっかりして。王子さま!」

人魚姫は王子さまを、けんめいに看病しました。

気がつくと、もう朝になっていました。

そこへ、沿岸の村の娘がこちらに近づいてきます。

「あっ、いけない」

人魚姫はビックリして、海に身をかくしました。

すると娘は王子に気がついて、あわてて人を呼びました。

王子はそのとき、息をふきかえしました。

「あ、ありがとう。あなたが、わたしを助けてくれたのですね」

 王子は目の前にいる娘を、命の恩人と勘違いしてしまいました。

人魚姫はションボリして城に帰ってきましたが、どうしても王子のことが忘れられません。

「ああ、すてきな王子さま…──そうだ!」

以前姉達からとある魔女の話を聞かされた事を思い出しました。

その魔女は何でも望みを叶えてくれる力があると…。

もし、人間になれば、王子さまにまた会えるかもしれない。

そこで魔女のところへ出かけると、人間の女にしてくれるようたのみました。

魔女は人魚姫の願いを聞くと、こう答えました。

「ほう、人間の王子に会うために、人間の女にねぇ。なるほど。まあ、アタシの力を持ってすれば、人魚のしっぽを人間のような足にかえることは出来るわ。でもそのかわりに、アンタは声を失い話す事が出来なくなる。それと、もしお前が王子と結婚できなかった場合、アンタは二度と人魚には戻れない。いや、それどころか心臓が破れて、お前は海の泡になってしまう…。それでもいいの?」

「いいわ。王子さまと、一緒にいられるのなら」

「分かったわ」

魔女は小さな薬瓶を取り出すと、人魚姫に渡しました。

「この薬を呑めばアンタは人間となって人間の世界に行く事が出来る。でもね、――アンタの舌は動かなくなり言葉を出す事も、歌う事も出来なくなる。本当にいいの?」

人魚姫に迷いはありませんでした。

魔女の薬で人間の女になった人魚姫は、口のきけない身で人間の世界へ戻り、王子の城をたずねました。

「おお、なんと美しい娘だ」

王子は人魚姫をひと目見て気に入り、妹のようにかわいがりました。

しかし王子の心は、命の恩人と思いこんでいる、あの浜辺で会った娘にうばわれていたのです。

やがて王子と娘は、結婚式をあげることになりました。

二人は船に乗りこむと、新婚旅行に向かいます。

王子と結婚できなかった姫は、次の日の朝、海の泡になってしまうのです。

しかし人魚姫には、どうすることもできません。

ただ、船の手すりにもたれて泣くばかりでした。

そのとき、波の上にあの魔女が姿を見せました。

「どうやらアンタの想いは届かなかったようね。このままじゃアンタは泡になって死んじゃうわ。

――でもね、まだアンタの生きる道は残されている」

魔女は人魚姫にナイフを一本渡し、告げました。

「王子様の心臓を取って来なさい…それを食らえばアンタは王子と一つになり、また人魚に戻れる…」

人魚姫はナイフを受け取ると、王子の眠る寝室へと入っていきました。

「(王子さま、さようなら、わたしは人魚にもどります)」

人魚姫は王子のひたいにお別れのキスをすると、ナイフをひといきに突き立てようとしました。

「………」

でも、人魚姫には、愛する王子を殺すことができません。

人魚姫はナイフを投げ捨てると、海に身を投げました。

波にもまれながら人魚姫は、だんだんと自分のからだがとけて、泡となってゆきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、物語はまだ終わりません。

人魚姫の最期を見届けた魔女はその泡をかき集め、東の海へ向かいました。

そこの海底には竜王の住む『竜宮城』が存在しており、竜王はその竜宮城を受け継ぐ姫が欲しいといつも言っておりました。

魔女は人魚姫の泡で美しい一人の娘をつくりました。

魔女によって作られた娘は『乙姫』と名付けられ、竜王と共に竜宮城で暮らしました。

しかし、乙姫は人間の男の若さを貰わなければいずれ死んでしまう身体だったのです。

砂浜で海亀が若い男を連れ出し、竜宮城へ招待します。

若い男は若さを取られている事にも気付かず、お土産の玉手箱を開ける事で初めて気付くのです。

しかし、そんな乙姫も重い病にかかってしまいました。

その病は木の上に住む猿の生肝を食う事だった。

「そういえば亀、お前は友達に猿がいたそうだな。そいつを竜宮城へ連れて来たらどうだ?」

クラゲがそんな事を言い、亀は葛藤しました。

それもそうです。乙姫様のためとはいえ仲の良い友達を黙す事に戸惑いを感じました。

「猿の生肝を取って来たらたーんと褒美わ取らせる」

海亀は竜王の言った褒美に目が眩み猿を竜宮城へ連れてくる事にしました。

ああ、友情とは、かくもはかない…。

 

「お猿さん、お猿さん」

「海亀さん、何か用かい?」

「どうだい?竜宮城に遊びに来ないかな?」

海亀は猿をまんまと騙し、竜宮城へ連れてきました。

海亀に連れられ、猿は竜宮城の門をくぐるとカレイとヒラメ、クラゲが意味ありげに笑い、猿は少し気になったが、竜宮城へ入りました。

竜宮城の中はまるで天国の様でした。

食べた事のないたいそうなごちそうがところせましと並んでいました。

猿はとうとう酔いつぶれ引っくり返ってしまいました。

すると、隣の部屋からヒソヒソと話し声が。

「ひっひっひっ、馬鹿な猿め」

「騙されているとも知らずに…」

「これで、猿の生肝は頂きだな!」

これには猿はビックリ仰天!

「うわーん、大変だー!!」

猿は力一杯大声を張り上げました。

「生肝を松の枝に干してそのまんまだ!このままじゃ生肝が腐ってダメになってしまう!」

それを聞いた海亀は急いで猿を陸へ戻しました。

しかし、猿は陸へ戻ると木の上に登り、

「アホー、アホー、生肝なんか干せるか!よくも僕を騙したな!!カレイとヒラメとクラゲから話は聞いたぞ!とっとと帰れ!!」

猿は海亀目掛けて石を投げる。

石は海亀の甲羅に当たり、ヒビがはいりました。

その事を耳にした竜王は怒りました。カレイとヒラメを踏み潰し、クラゲはボコボコにされ、骨を抜かれ、その上竜宮城を追い出されてしまいました。

だから、いつまでも波の上をプカプカ浮いているのでした。

乙姫はというと…

病によって亡くなり、あれ程美しかった竜宮城はすっかり廃れて、なくなってしまいました。──

 

 

 

 

マーチ「何あれ…?」

 

 

クラゲの身体に、傘から竜のような首と尻尾が生えた、ギガンデス

──『ギガンデス・ミズチ』がその姿を表した。

 

 

 

 

デンオウRF「釣った魚はでかく見える……だけじゃないか」

 

 

ギガンデス・ミズチ

『GIGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!』

 

 

 

呑気に呟くデンオウRFを見下ろし、ギガンデス・ミズチは口から火球を発射してきた。

着弾と同時に爆発する火の玉を避けながら、デンオウRFが二人に向かって叫ぶ。

 

 

 

デンオウRF「二人共!デンライナーに飛び乗れ!!」

 

 

 

マーチとビューティはデンオウRFに言われるがまま後ろの食堂車を切り離したデンライナー・ゴウカに飛び乗る。

そして、その後から先程のデンライナー・イスルギがゴウカと並んだ。

線路は一つに合流し、イスルギの後ろにゴウカが連結!!

協調運転を開始する。

マシン・デンバードを操作すると運転モニターには

 

 

 

<Mode ISURUGI>

 

 

 

のコードが光る。

イスルギのレドームがせり上がり、ゴウカからはゴウカノン、ドギーランチャー、モンキーボマー、バーディーミサイルが出現した。

 

まず、ゴウカノンがギガンデス・ミズチを攻撃。

続けて、ギガンデスの左側に回り込みドギーバーグでダメージを与え、バーディーミサイルが舞い踊る。

しかし、相手はすぐに潜水。

海洋生物型のギガンデスなら視界をロクに確保出来ない水中戦の方が得意な筈。

デンオウRFは下方モニターを確認しながら、モンキーボマーを爆雷代わりに沈め始めた。

これなら直撃しなくても、炸裂の衝撃で炙り出せる。

思ったとおり潜行していられなくなったギガンデスは海面に飛び出し、デンライナーにクラゲの触手を巻きつけてきた。

デンオウRFがレドームのブレードフィンを広げ、線路のみを残し、一時脱線!

デンライナーを宙へ浮かした。

速度を変え、間一髪、線路だけを絡み付かれがらも驚異的な運転で新たな線路を形成し、加速して距離を取る。

ゴウカノンで触手を、ドギーバーグで飛んで来る電撃、火球を撃ち落とす。

勝ち目が無いとわかるとギガンデス・ミズチは逃走を謀る。

それより一瞬早くイスルギのレーザーブレードが頭部を捕らえた。一瞬のスパークの後、身体を両断されたギガンデス・ミズチはゆっくりと崩れ海の塵となった。

 

 

 

 

 

【現在】

 

 

そこにはベンチでレギュラーメンバーを大声で応援する大輝の姿が。

 

 

なお「大輝君、練習頑張ってレギュラーになるんだって、いままでは逃げてた自分を誤魔化していただけみたい」

 

 

デンライナーの食堂車の中では嬉しそうに話すなお。

 

 

ウラタロス『誤魔化して、嘘ついて偽ってこその人生だよ。なおちゃんも、そこは解って欲しいんだけどね』

 

なお「あのね、私は別にあんたを信じた訳じゃない。私はただ友達が信じたモノを信じただけ…」

 

 

そう言いながら、なおは良々の方に視線を向けた。

それに気付いた良々は口元を僅かに上げる。

 

 

ウラタロス『素直じゃないねぇ…』

 

モモタロス『おい、亀野郎!俺はまだテメェを許したわけじゃねぇんだからな!それに、お前は良々のお情けでココにいられる事を忘れんな!』

 

ウラタロス『ホント、間抜けを黙らすのに餌は要らないね』

 

モモタロス『んだとぉ…?新入りの癖しやがって…、先輩に対する口の利き方を知らねぇみてぇだな…』

 

ウラタロス『おやおや、ただの古株が何を言ってるやら…』

 

 

その言葉に眉を上げるモモタロス。

 

 

モモタロス『テメェ…亀鍋にすっぞ、コラ!』

 

ウラタロス『桃缶にしてあげようか?ん?』

 

モモタロス『テメェはそのあと雑炊だ!』

 

ハナ「やめなさい!!二人共!!」

 

 

ギスギスした雰囲気を醸し出し、喧嘩勃発かと思いきや良々がとっておきのジョーカーを繰り出した。

 

 

良々『二人とも、喧嘩したら私のパス共有しないから…』

 

 

そう言ってパスをチラつかせる。

 

 

ウラタロス『やだな~、そんな本気にしないでよ、良々ちゃん』

 

モモタロス『ちょっとしたコミュニケーションだろ?な~、カメ公!!♡』

 

ウラタロス『ね~、先輩!!♡』

 

 

そう言って肩を組む。

後ろでは、モモタロスがウラタロスの肩に爪を食い込ませ、ウラタロスはモモタロスの尻をつねっているのだが…。

 

 

あかね「うまくやっていけるんか?あの二人…」

 

みゆき「でも、桃太郎に浦島太郎か…、もっと増えるといいね」

 

ハナ「勘弁してほしいわよ…」

 

 

ナオミからコーヒーを貰い、他のメンバーは楽しそうに笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──夜

 

 

ハロウィッチは高層ビルの屋上で星を眺めていた。

 

 

ハロウィッチ「あれが天の川、アルタイル、ベガ、デネブ…もうすぐ七夕か…」

 

 

自分もいれて二人の男と三人でこの星を見たのを思い出した。

 

 

ハロウィッチ「桜井…貴方は……」

 

 

すると、頭の中から声が聞こえてきた。

 

 

ハロウィッチ「!」

 

???『なぁ、お前…現代で桜井を見たんだってなぁ…』

 

ハロウィッチ「アンタか…、いきなり人の頭に入ってくるなんて失礼ね」

 

???『あっはは、ごめん。反省するよ──俺、そーゆー顔してるだろ?』

 

 

 

声の主は反省の欠片もない陽気な口調で言った。

 

 

 

ハロウィッチ「知らない…」

 

???『ああ、顔見えないんだっけ?まあいいや』

 

 

 

耳触りな声にハロウィッチはかぶり物の中の顔をしかめる。

だが、耳を塞いだ所で声は頭の中に響く。

 

 

 

ハロウィッチ「で、用件は何?」

 

???『ああ、えっと…バッドエンド…だっけ?お前がいるの?』

 

ハロウィッチ「そうだけど?」

 

???『桜井侑人の足取り…まだ分かんないの?』

 

ハロウィッチ「キタカゼも探してるけど、まだ明確な居所は掴めていないわ」

 

???『な~んだ。ああ、そうだ、アイツの開発したデンオウのベルト──それを盗られて邪魔されてるらしいな』

 

ハロウィッチ「ええ、情けない…」

 

???『大丈夫、あいつがうまくやってくれるよ…。必ず…』

 

ハロウィッチ「あいつ?」

 

 

 

意味ありげに笑う声にハロウィッチは不審に思い訊き返す。

 

 

 

ハロウィッチ「あいつって誰?」

 

 

 

しかし、その返答は返される事なく、通信は途絶えた。

 

 

 

ハロウィッチ「勝手な奴…まぁいい。私は私のすべき事をすればいい。

────桜井…必ず見つける」

 

 

ハロウィッチは星空を見上げながら、バッドエンド王国へと帰還した。

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