スマイルプリキュア&時を超える桃太郎   作:紅鮭

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俺、いよいよ参上ッ!!


俺、参上!!(後編)

 

 

 

デンオウPF「おお!」

 

キャンディ「へ、変身したクル!!プリキュア?いや、違うクル」

 

 

 

自分の服が変わった事に思わず声を漏らす良々。

キャンディは最初はプリキュアかと思ったが、似ているだけで違うらしい。

 

 

 

ハナ「それが“デンオウ”よ!!どう?」

 

 

 

ハナは変身した良々・デンオウPFに感想を聞いた。

 

 

 

デンオウPF「これが…デンオウ?──なんか地味…」

 

ハナ「地味ぃ!!?(ガーン)」

 

 

 

露骨に嫌そうに答えた。

良々的にはすごくダサいらしい。

 

 

 

ハナ「贅沢言わないの!!」

 

 

デンオウPF「えー、私も星空さん達みたいに可愛いのが…」

 

ハナ「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!!早く戦って!!」

 

デンオウPF「え?戦うって?」

 

ハナ「あのイマジンと戦うの!!」

 

デンオウPF「……えーっ!!無理無理!私、暴力喧嘩嫌いだもん」

 

 

 

 

 

 

そしてそれを遠目で見ていたバットイマジンとプリキュア達は。

 

 

 

ハッピー「の、野上さん…」

 

サニー「何やっとんねん…」

 

ピース「………」

 

マーチ「あちゃー」

 

ビューティ「あらあら……」

 

 

 

バットイマジン『あれがデンオウ?』

 

 

 

呆れていた。

 

 

 

バットイマジン『フンッ、あんまり強そうには見えねぇけどなぁ…』

 

 

 

先に動いたのはバットイマジン。

デンオウPF目掛けて飛び出した。

 

 

 

バットイマジン『その力、見せて貰おうかぁっ!!』

 

サニー「あっ!!」

 

ハッピー「野上さん、危ない!!」

 

 

 

その言葉に気付いた時にはバットイマジンはデンオウPFに飛行しながら跳び蹴りをくらわした。

デンオウPFはゴロゴロと転がり倉庫の壁にぶつかり停止した。

 

 

 

バットイマジン『やったぜ』

 

ハッピー「あぁ……」

 

 

 

しかし、デンオウPFは何事もなく立ち上がってきた。

 

 

 

バットイマジン『何ぃ!?』

 

ハッピー「野上さん!」

 

ハナ「あなた、大丈夫なの!?」

 

デンオウPF「え、ええ、正直…余り痛く…」

 

 

 

どうやらデンオウPFはあまりダメージを受けていないようだ。

 

 

 

デンオウPF「(どうやらこのスーツ、あの蝙蝠怪人に蹴られたり、殴られたりする程度じゃビクともしないようね)──よし!」

 

 

 

今ので自信がついたデンオウPFはバットイマジンに向かって走り出す。

今度はこっちの番だ。

 

 

 

デンオウPF「やあああああああああっ!」

 

 

 

デンオウPFの右ストレートがバットイマジンに決まった。

 

 

 

バットイマジン『ん?何だぁ~?何かしたのかぁ?』

 

「えっ!?」

 

 

 

効かない。

デンオウPFはすぐに下がり、バットイマジンは腹を摩って全然ダメージを受けてる様子はなかった。

 

 

 

バットイマジン『おいおい、何だ今のヘナチョコパンチは?拍子抜けだぜ』

 

デンオウPF「くっ、おりゃ!どりゃあ!どっせい!このやろう!」

 

 

 

デンオウPFは何度もパンチやキックをくらわすがバットイマジンはまるで応えてなかった。

そしてバットイマジンの方もいい加減鬱陶しくなってきた。

 

 

 

バットイマジン『うぜぇなあ…、フンッ!!』

 

デンオウPF「グッ!!」

 

バットイマジン『って、あまり効いちゃいねぇのか…』

 

 

 

バットイマジンはデンオウPFを払い飛ばしたが、打撃程度では無駄だとわかると立ち上がったデンオウPFの腹部を鷲掴みした。

何をする気だと疑問に思ったが、理解した時には遅すぎた。

ドンッ!!

何かが内臓を突き破り、背中へと出た。

 

 

 

デンオウPF「がは…っ!!」

 

 

 

あまりのダメージに思わず腹を抑え、膝を付く。

 

 

 

バットイマジン『キキキキキキキッ、どうやら外部からの衝撃にはいくらか耐えられるらしいが、内側からの衝撃には弱いらしいなぁ…』

 

デンオウPF「お…音波……?」

 

バットイマジン『おー、よく分かったな。いい分析力だ』

 

 

 

昼食後でない事が幸いした。

今、胃に物があったら吐いている程、口の中には酸っぱい胃液が逆流しているのがわかる。

このままじゃマズイと思い距離を取ろうと咄嗟に立ち上がり、走る。

 

 

 

バットイマジン『逃がすかよ』

 

 

 

しかし、それを黙って見てるバットイマジンではない。

音波砲を連射してデンオウPFを狙い撃ちする。

 

 

 

バットイマジン『キッキッキッキッ、情けねぇなぁ、デンオウ。ちったぁ戦えよ』

 

デンオウPF「う、うるさい───ぐはっ!!」

 

 

 

音波砲がデンオウPFを直撃した。

腹を抑えてうずくまった。

 

 

 

バットイマジン『全く、一体デンオウってどんなのかと思ったが、てんで大した事ないなかったな。あまりに弱くて片腹痛いぜ。おっと、本当に痛いのはお前の方だったか?』

 

 

 

キキキッと笑い、今度は蝙蝠傘を取り出しデンオウをめった打ちにする。

 

 

 

デンオウPF「ぐっ…!」

 

 

デンオウPFはそれを素手で防いだり避けたりするが、さっきの蹴りとは比べものにならない程痛い。

 

 

 

ハナ「そんな…、ダメなの…?デンオウは……未来を救う戦士じゃないの……?」

 

 

 

ハナはデンオウの劣勢に最早絶望の色に染まっていた。

いや、考えてみれば当然の事だ。

戦いの経験のない少女にいきなり戦えなど自分勝手もいい所だ。

 

 

 

ハナ「もういい、君!もう戦わなくていい!!このままじゃあなたが死んじゃう!!だから…、早く逃げて!!」

 

 

 

ハナが大きく叫んだ。

 

 

 

バットイマジン『キッキッキッ…、そりゃそうだな。勝ち目のない戦いをしちゃおうなんて事程馬鹿げた行為はねぇよ。お前がいつ逃げ出すか楽しみだぜ(ま、逃がしゃしねぇんだけどな)』

 

ハッピー「はぁっ!!」

 

バットイマジン『ガッ!?』

 

 

 

いきなり後方からのミドルキック。

バットイマジンは横くの字に曲がり、吹っ飛んだ。

 

 

 

ハッピー「大丈夫!?野上さん」

 

デンオウPF「星空さん!」

 

 

 

助けに入ったのはキュアハッピー。

 

 

 

サニー「おおきにな、野上さん」

 

ピース「あなたが戦ってる間に、ちょとでも回復できたから…」

 

マーチ「後はあたし達にまかせて」

 

ビューティ「よく頑張りました」

 

 

 

サニーも、ピースも、マーチも、ビューティもデンオウPFの前に現れた。

 

 

 

デンオウPF「ちょ…、ちょと待ってみんな!私も──」

 

 

 

そこまで言ってデンオウPFは口を閉じた。

自分に何ができる。

共闘しても彼女達の足を引っ張るだけじゃないか…。

そうしてる間にバットイマジンは立ち上がってくる。

 

 

 

ハッピー「野上さん、後は任せて逃げて…。大丈夫、私達は負けないから」

 

 

 

ハッピーはニッコリと笑って言う。

デンオウPFは踵を返し、情けない気持ち胸一杯で走っていった。

 

 

 

バットイマジン『プリキュアァ~、よくもやってくれたなぁ。しっかしまあ、デンオウの方は薄情だったなぁ…。お前らもお前らだ。あんなヘナチョコ守って何になる?』

 

ハッピー「決まってるわ!」

 

 

 

5人は一声に答えた。

 

 

 

「「「「「友達だから(や)(です)!!!」」」」」

 

 

 

それを建物の影に隠れて聞いていた良々は涙を流した。

壁に背中を預けながら腰を落とし、両手を顔に当てる。

みんなは私のために戦ってくれている。

だけど結局、私には何もできない。

彼女達の力になる事もできない、情けない。

 

 

 

情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない、情けない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『本当に情けねぇな』

 

 

 

不意に頭にそんな声が響いた。

良々の体から砂がこぼれ落ち形作る。

あの時の上半身と下半身が逆の砂の怪人だ。

 

 

 

???『本当に助けに行かねぇのか?あいつらはお前の為に戦ってんだぞ』

 

 

 

良々はうずくまり涙目で目を逸らす。

 

 

 

???『いい加減にしやがれ!!いつまでメソメソしてんだよ!!──俺はな、メソメソした奴は嫌いなんだよ!その上仲間を見捨てちまう様な薄情な奴は大嫌ぇだよ!!お前も…いつまで逃げてんだ。いつまで泣いてんだ。お前がまず戦わなきゃなんねぇのはてめえ自身だ、コノヤロウ!──お前自身が変わんなきゃ…何も変わんねぇんだよ!!!』

 

 

 

『それ』が言った言葉を聞いた瞬間、良々の中の何かが弾けた。

 

 

 

「りたい…」

 

『あ?』

 

「私!!変わりたい!!!!」

 

 

 

そう叫んだ時、ベルトの4つのボタンの内、赤いボタンが僅かに光った。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

ハッピー「あぁっ!」

 

サニー「ぐっ!」

 

ピース「うっ!」

 

マーチ「くっ!」

 

ビューティ「あぅっ!」

 

 

 

5人のプリキュアはバットイマジンに苦戦をしいられていた。

 

 

 

バットイマジン『キーッキッキッキッキッ!やっぱ、決定打がねぇとキツイかな?プリキュア~~』

 

 

 

全然余裕のバットイマジンは最早勝利を疑わなかった。

 

 

 

ハナ「プリキュア…」

 

キャンディ「みんな頑張るクル!負けないでクル!」

 

 

 

ハナもキャンディも見守るしかなかった。

 

 

 

バットイマジン『さ~て、そろそろ飽きたし、とどめといくかな』

 

 

 

バットイマジンは蝙蝠傘を撫でながらゆっくりと歩み寄ってくる

 

 

 

ハナ「!」

 

ハッピー「!」

 

 

 

ハナとハッピーの視線がある物にとまった。

 

 

 

バットイマジン『んん?』

 

 

 

バットイマジンはそれが自分の背後にむけられていることに気づいた。

 

 

 

視線の先には──

 

 

 

 

ハッピー「野上さん…」

 

 

バットイマジン『コイツは意外だな、てっきり尻尾を巻いて逃げちゃったかと思ったぜ。で、デンオウ、お前はここに何しにきた?』

 

 

デンオウPF「あんたを倒しに来た」

 

 

バットイマジン『あ?』

 

 

デンオウPF「聞こえなかったの?何度でも言ってやるわ。──お前を倒しに来た」

 

 

 

バットイマジン『………、キッ、キッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ、サイコー!デンオウになると面白いギャグが言える様になるのか?キッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ、あー腹痛て…』

 

 

 

 

 

抱腹絶倒である。

プリキュア達はバットイマジンのその態度に胸糞が悪くなった。

 

 

 

 

バットイマジン『キッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ、ヒャッ、ヒャッ…』

 

 

 

 

だが、デンオウPFが表情を崩さず睨むのを見て、バットイマジンは笑いを止める。

 

 

 

 

バットイマジン『だが、そんなギャグが言える元気があるって事は、まだ俺の怖さが理解できてねぇとみえるな。そんなボロボロの体で本気で俺に勝てると思ってんのか!?お前も可哀想な奴だ。あの女に関わっちまったが故にこんな戦いに引きずり込まれちまって───まあ、お前が特異点である事がすでに運の尽きだたったが…』

 

 

 

デンオウPF「別に私は勝てるなんて思っちゃいない。

そして、私は確かに不運かもしれない。

でも、自分が“不幸”だなんて一度も思った事はない。

私は心のどこかで自分で自分を“諦めてた”。

自分の不運を仕方ないとばかり受け入れていた。

だけど、星空さん達は本気で幸せを掴みたいと思っているから、あんなに楽しそうに笑うんだ!!

うずくまってただ泣いているだけの私が、みんなを置いて一人で逃げるような私が星空さんやみんなと仲良く笑い合っていいはずがない!!

友達であっていいはずがない!!!!」

 

ハッピー「野上さん…」

 

バットイマジン『おおぅ、友情じゃん。泣けるねぇ…』

 

 

 

キッキッキッと、バットイマジンは笑う。

心底腹の立つ、人を馬鹿にした態度だった。

 

 

 

デンオウPF「私は逃げない…自分自身を変えたい!そんでもって、お前を倒す!!」

 

 

 

 

バットイマジン『はっ、減らず口を叩くんじゃねぇよ、バーカ!!』

 

 

 

バットイマジンは羽根を広げて、滑空しながらこちらに迫ってくる。

その瞬間、デンオウPFのベルトのバックル部分が赤く点滅し、陽気な音楽が流れる。

デンオウPFは驚くも再びパスをバックルに横切らせた。

 

 

 

 <SWORD FORM>

 

 

 

その電子音と共に暴走族の特攻服を連想させるシルバーラインの入った赤い陣羽織が出現、バットイマジンを弾き返す。

 

 

 

バットイマジン『グッ!』

 

 

 

その陣羽織はデンオウの周囲を一周するとデンオウはそれをはおる。

ベルトは陣羽織をしっかり締め、髪は前髪を残して大きなリボンで一つに纏まるポニーテールとなり、前髪は真ん中分けとなり、白い鉢巻きが額に巻かれる。

ちなみにポニーテールの白いリボンは逆さ蝶々結びで、まるで桃を連想させるようだ。

太ももには赤いラインが入り、髪は全体も赤く染まり、瞳の色も赤くなり、目付きは先ほどとは違い目尻が上がって鋭くなる。

そして最後に背中に黒字で「電王」と書かれ、変身完了。

──デンオウ・ソードフォーム

 

 

デンオウSF「俺、再び参上ッ!!」

 

 

 

 

 

 

ハッピー「変わった!」

 

 

 

声は良々本人のモノだがその声の気迫はまるで別人。

ハッピーは黒から赤い姿に変わった事に驚いた。

弾かれたバットイマジンは体制を立て直し、デンオウSFを睨む。

 

 

 

バットイマジン『今更、黒から赤になったからってよ。一体何になる!!』

 

 

 

バットイマジンは今度こそ飛び出したが、デンオウSFはバットイマジンの攻撃をかわすと飛行中のバットイマジンの横顔に裏拳を叩き込んだ。

 

 

 

バットイマジン『グホッ!!…っ!?』

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

 

 

殴り飛ばされたバットイマジンは倉庫の壁を突き破り、中へと転がった。

プリキュアはそれを見て驚きを隠せなかった。

まずはあの攻撃を完全に見切った事と、それに合わせて攻撃を決めた事、そしてデンオウの攻撃が効いた事。

 

 

 

ハッピー「す…すごい…」

 

 

 

ハッピーは思わず呟いた。

デンオウSFは落ち着き払って左腰に両手を構えた。

そこにはバトン・デンガッシャーが左右の腰に4本。

その内の左腰の2本を並行に連結し、上へと投げる。

落下の刹那、右腰にもあった残る2本のデンガッシャーで挟むように連結し、組み上がると同時に赤い刃が出現し、剣となった。

それを片手にバットイマジンを追撃するため倉庫の中に入る。

バットイマジンはよろめきながら立ち上がると、デンオウSFではなく『それ』に問い掛けた。

 

 

バットイマジン『こ、この力に…気配…、まさか…“同胞”か!?』

 

デンオウSF「だったらどうした?」

 

バットイマジン『お前、一体何考えてやがる。俺らの“使命”を忘れたのか!?』

 

 

 

使命

そう、これはあくまで過程でしかないのだ。

そのためには『特異点』が邪魔になると言うことも。

しかし『それ』は──デンオウSFは組み上げたデンガッシャーを肩に背負いながら、あまりにもアッサリと返した。

 

 

 

デンオウSF「そんなもん最初っから覚えてねぇな。さっきはヘコんだが、こっちの方が面白そうだぜ。って言うか、俺はこーゆーのがやりたくて来たんだよ!相手は関係ねぇ!!」

 

 

バットイマジン『だったら、あのプリキュア共を相手にすりゃいいじゃねえか!!どうして俺だ!?』

 

 

デンオウSF「別に俺はどっちでも構わねぇ。けどな、お前と違って俺は強い奴と戦いてぇんだ。なぜなら────

そっちの方が面白れぇからに決まってんだろ!!!」

 

バットイマジン『コイツ……バカか?』

 

バカである。

訂正はしない。

なぜなら

 

 

 

 

デンオウSF「言っとくが俺は、最初からクライマックスだぜ!!!」

 

 

聞いちゃいないからだ。

 

 

 

デンオウSF「行くぜ行くぜ行くぜーっ!!」

 

 

 

デンガッシャー・ソードモードを振り上げ、バットイマジンに斬りかかる。

5人のプリキュア達も助太刀するため倉庫内に入るが、デンオウSFの攻撃は凄まじかった。

 

 

 

デンオウSF「オラオラオラオラオラオラオラオラーッ!!!」

 

 

 

太刀筋、剣の振り方はまるで素人同然。

子供のチャンバラゴッコと言ってもいいような物だったが、とにかく速かった。

 

 

 

バットイマジン『ブッ!がっ!!がふっ!!おまっ…やめっ!!』

 

 

 

バットイマジンも蝙蝠傘を取り出し応戦するが、敵の斬撃は防げず、避けることもできない。

傘を広げ盾にするも、下から払われ斬られてしまう。

デンオウSFが最も得意とするレンジでの戦いにバットイマジンはなす術なく、斬り飛ばされ、叩き伏せられる。

飛んで逃げようと思っても距離を詰められ過ぎて逃げる暇などない。

倒れようとしても胸倉をつかまれ、頭突き、蹴り、タックルなどが炸裂し、太刀打ちできずされるがままだった。

 

 

 

ピース「すごい、あのコウモリさんを圧倒してる…」

 

 

 

助太刀する隙も与えないデンオウを見てピースは呟いた。

 

 

 

マーチ「ってゆうか…野上さん、なんかテンション上がってない?」

 

ビューティ「口調や一人称も変わってますし…何があったんでしょう?」

 

 

 

マーチ、ビューティはデンオウ・良々の強さより性格の変わりように驚いていた。

マーチの方はどちらかと言えば引いていた。

 

 

 

ハッピー「桃太郎…」

 

サニー「え?」

 

 

 

ハッピーが不意にそんな事を呟いた。

 

 

ハッピー「桃太郎だよ!陣羽織に鉢巻き、絶対桃太郎だよ!!」

 

 

 

ハッピーはまるでヒーローショーを見に来た子供の様に目を輝かせ、はしゃいだ。

 

 

 

サニー「そうか?ウチには改造した学ラン着てバイクをブイブイいわしとる田舎の不良にしかみえへんけどな…」

 

 

 

一方、サニーの目には不良にしか写らなかった。

 

そんな話しをよそについにバットイマジンは倉庫の外に投げ出され、最早立つこともやっとなくらいフラフラのグロッキー状態だった。

 

 

 

バットイマジン『何だこいつは!チクショー、デンオウがこんなに強えなんて聞いてねぇぞ!!』

 

 

 

バットイマジンは泣き言を言うが、デンオウSFは容赦しない。

 

 

 

デンオウSF「よーし、さっきは外したが目ん玉ひんむいてよく見とけ──俺の必殺技をよぉ」

 

 

 

デンオウSFはバックルにパスを長い間翳すと電子音が響く。

 

 

 

 <FULL CHARGE>

 

 

その電子音と共にパスを放り、剣を構える。

 

 

 

デンオウSF「俺の必殺技・パート2!!」

 

 

ベルトバックルが点滅し、バックルからの光の線は剣の柄頭につながり、デンガッシャーの赤い刃は真上に射出された。

デンガッシャーから射出された赤い刃はデンオウSFのスイングに沿って宙を舞い、バットイマジンを一刀両断した。

バットイマジンは断末魔の悲鳴を上げる間もなく爆発した。

 

赤い刃が元の位置に戻ると「ふぅ…」と息を吐き出し、

 

 

 

デンオウSF「ぅおっしゃー!!ようやく決まったぜーっ!!んんー、にしてもいいなぁデンオウ(こいつ)は!気に入ったぜ!!」

 

 

 

デンオウスーツをまじまじ見て、まるで面白いゲームかオモチャを与えられた子供の様にはしゃいでいた。

 

 

 

良々『そろそろいい?』

 

デンオウSF「おう」

 

 

 

ベルトを外すと羽織やライダースーツ、デンガッシャーは霧散し元の姿へと戻った。

もちろん、髪形や目付きも。

 

 

 

みゆき「野上さん!!」

 

 

 

あっちも元に戻ったみゆき、あかね、やよい、なお、れいかが駆け寄ってきた。

 

 

 

みゆき「すごいね!あのコウモリさん倒しちゃうなんて、あれなんなの?」

 

 

 

目を輝かせて訊くみゆき。

 

 

 

良々「わかんない。それに…実際戦ったのは私じゃないし」

 

みゆき「?」

 

あかね「それってどうゆうこっちゃ?」

 

良々「さあ…?」

 

 

 

あかねは疑問に思うが、良々は皆が無事でよかったと笑う。

 

 

 

みゆき「あ、ようやく笑ってくれた!」

 

 

 

みゆきは良々の笑顔を見て言った。

 

 

 

みゆき「野上さん、ずっと本気で笑ってなかった気がしたの。でも今、本気の笑顔が見れた気がするの」

 

 

 

良々はそれを聞いて、心の中の何かが暖かくなっていくのを感じた。

それは大雨に降られてずぶ濡れになった時に入る風呂よりも暖かい、そんな気分だった。

 

 

 

良々「あの…星空さん」

 

みゆき「ん?」

 

良々「あなたの事…みゆきちゃんって呼んでいいかな?」

 

みゆき「!」

 

良々「…友達だから」

 

 

 

さっきまでの自分じゃ胸を張れずに言えなかった事を言う。

それに対してみゆきはパアッと満面の笑顔となる。

 

 

 

みゆき「もちろんだよ!!じゃあ私も良々ちゃんてよんでいい?」

 

良々「うん!」

 

あかね「ウチもあかねって呼んでええよ」

 

良々「よろしく、あかねちゃん。えっと…」

 

 

やよい「あ、そういえば私達の名前まだだったね。私の名前は黄瀬やよい」

 

なお「緑川なお。よろしくね」

 

れいか「青木れいかと申します」

 

 

良々「よろしく、やよいちゃん、なおさん、れいかさん」

 

 

 

良々が挨拶し終えたとき、キャンディが戻ってきた。

 

 

 

キャンディ「みゆきー!!」

 

みゆき「あっ、キャンディ」

 

良々「ん?そういえばこの変わった大福みたいな生き物、なんなの?」

 

キャンディ「ムッ、キャンディは大福じゃないクル~!」

 

 

 

と言われてキャンディは怒った。

 

 

 

みゆき「この子はキャンディ、妖精よ」

 

良々「妖精?ずいぶんぷにぷにした妖精ね…」

 

 

 

キャンディの両頬をつっつきながら言った。

 

 

 

れいか「それはそうと──」

 

 

 

今度はれいかが言い出した。

 

 

 

れいか「さっき良々さんが変身した。あれは何だったのでしょう?」

 

あかね「ウチも思ってた所や」

 

やよい「良々ちゃん性格変わってたし…」

 

なお「プリキュア…じゃなかったわよね」

 

みゆき「桃太郎だったわよね?」

 

 

 

良々の変身した姿に皆が一斉に訊いてきた。

 

 

 

良々「いや…だから私にも良く──

「デンオウ…」

 

 

 

全員が声のした方を向く。

良々の言葉を遮ったのは、ハナ。

 

 

 

良々「あなたは…」

 

 

 

ハナ「それがあの姿の名前。過去と未来を守る戦士──デンオウ」

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