スマイルプリキュア&時を超える桃太郎   作:紅鮭

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スマイルプリキュア take a デンライナー

ハナ「ずっとなれる人を探してた……一緒に戦って欲しいの。時の運行を、守るために」

 

良々「ちょと待って!」

 

 

 

良々はハナの言葉を遮った。

 

 

 

良々「まず、あなたは一体…誰?」

 

 

 

質問は山の様にあったが、まず名前を聞いてないので良々が尋ねる。

 

 

 

ハナ「あ、名乗りが遅れたわね。私の名前はハナ。未来からやって来たわ」

 

「「「「「「未来!?」」」」」」

 

 

 

にわかに眉唾物の話しがでた。

良々は怪訝そうな顔をしたがみゆきはと言うと。

 

 

 

みゆき「という事は未来人!?すっごーい!!」

 

 

 

みゆきは子供の様にハシャギ、喜んでいた。

良々はこの時、みゆきちゃんはメルヘンチックなんだな、と思っていた。

ハナは左手の時計をチラっと見ると

 

 

 

ハナ「そろそろね…」

 

 

 

良々の思考は、その一言に断ち切られる。

 

 

 

ハナ「端に寄っといた方がいいわよ。もうすぐここに電車が来るから」

 

良々「電車?」

 

あかね「んなアホな。ここは廃倉庫で、それに線路もないんにどこに電車が…」

 

 

 

あかねがキョロキョロと辺りを見回しながら言ってると。

 

 

 

カララララララララララッッ!! 

 

 

 

陽気な音を立てて路上に線路が展開された。

その伸びてきた先の風景があり得ない歪み方をしたかと思うと赤いヘッドの電車が走り、7人の前で停車する。

ハナ以外の全員がこの光景に目を疑い、固まっていた。

いや、約一名目を輝かせているのもいるが…。

ドアオープン。

 

 

 

ハナ「さぁ、しょうがないからみんな早く乗って。説明は車内でするから…」

 

 

 

ハナを筆頭に次々デンライナーに乗車するとデンライナーは再発進、再び歪みの中へと消えて行った。

 

 

 

そして、場面は変わらず、倉庫の一角。

 

 

 

バットイマジン『────はぁ…はぁ…はぁ…、くそ…』

 

 

 

ドラム缶の影から現れたのは、身体の半分が砂と化してるバットイマジンだった。

 

 

 

バットイマジン『おのれ、デンオウめ…』

 

 

 

あの時、バットイマジンは両断されたかに見えたが、致命傷をさけていた。

しかし、デンオウに滅多打ちにされたダメージが大きかったらしく、そのまま隠れてやり過ごしていたのだ。

 

 

 

バットイマジン『次はこうはいかねぇぞ…、ぜってーぶっ潰してやる。だが、ダメージが大きいか…回復するのを待とう』

 

 

 

バットイマジンは羽を広げ、どこかへと飛んで行った。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

今度こそ場面は変わって電車の中──

 

 

ナオミ「本日もデンライナーのご利用、まことにありがとうございます。客室乗務員の──ナオミでーす♪御用がある時は、気軽に“ナオミちゃん”って呼んで下さいね♪」

 

 

 

中は普通の電車だった。

しかも、食堂車。

なんか未来的なシンプルさが一周して逆に田舎っぽい。

ナオミと名乗る客室乗務員の格好がアレでなければ、ここが異世界を走る電車の中とはわからないだろう。

 

 

 

ナオミ「ご注文は?」

 

 

 

ナオミが聞いてくる。

 

 

 

ハナ「あの、何か飲まない?落ち着くし」

 

 

 

ハナの提案に皆の反応はというと

 

 

 

みゆき「私、メロンソーダ!」

 

あかね「ウチ、コーラ」

 

やよい「オレンジジュースお願いします」

 

なお「あたし、お茶で…」

 

れいか「ハーブティー頂けません?」

 

キャンディ「キャンディはイチゴ牛乳くださいクル~」

 

 

 

良々「あんたら落ち着きすぎだ!!」

 

 

 

混乱覚めやらぬ良々、今度はナオミが断ち切る。

 

 

 

ナオミ「オリジナルコーヒーはいかがですか?」

 

良々「あんたも話の流れを断ち切らないで!!」

 

ナオミ「すっごくおいしいコーヒーはいかがですか?」

 

 

 

とことんまで話を聞かない女だ。

ハナもそうだった未来人はこんな押し売りの様な人たちばっかなのか?

 

 

 

ハナ「じゃあ、メロンソーダにコーラにオレンジジュースに、お茶とハーブティーとイチゴ牛乳。あと、オリジナルコーヒーを2つ」

 

 

 

ハナがマイペースに注文を出すと、

 

 

 

???『俺も』

 

良々「え?」

 

 

 

良々の身体から再び砂が湧き上がり、今度は赤い角を生やした怪人が現れた。

 

 

 

「「「「「「「(ぎょっ!!)」」」」」」」

 

ハナ「………」

 

ナオミ「ハーイ、コーヒー1つ追加ですね♪」

 

 

 

ハナを除いた全員が目を見開き驚くが、ナオミは普通に接していた。

 

 

 

 

 

 

 

良々ピンク色の泡がブレンドされたコーヒーに口を付け、何とか気を落ち着かせる。

ちなみに良々はコーヒーにはうるさいのだが、中々コクも香りもよかったので、文句を言わず顔をほころばせる。

 

 

 

ハナ「さて、まず何から話していいのやら…」

 

良々「ちょと待って」

 

 

 

ハナが説明しようとした時、良々が止めた。

 

 

良々「まず、みゆきちゃん達の“アレ”について説明してくれないかな?アイドルみたいな衣装に身を包んで戦ってた“アレ”のこと」

 

 

 

この中で最も何も事情が知らないのは、良々。

まずはみゆき達の事について知ろうとした。

 

 

 

みゆき「プリキュアの事?」

 

良々「そう、そのプ…プリキュアって何?」

 

キャンディ「それはキャンディが説明さしてもらうクル!」

 

 

 

キャンディがテーブルに上がって説明することにした。

 

 

 

キャンディ「プリキュアは──伝説の戦士クル!」

 

良々「で…伝説の戦士?」

 

キャンディ「そうクル。伝説の戦士クル!」

 

 

 

キャンディが胸を張って堂々と答える。

 

 

 

良々「……………それで?」

 

キャンディ「…………クル?」

 

良々「………えぇ!!?説明終わり!?」

 

 

 

 

その後、みゆき達5人から詳しくプリキュアの事について聞いた。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

良々「悪と戦い、世界を救う戦士ねぇ…」

 

 

 

ハッキリ言って信じ難い話しだ。

メルヘンランドやバットエンド王国、世界をバッドエンドにしようとする狼や赤鬼や魔女。

専門用語がたくさん出てきて、理解しづらい事もあったが、ここまで来るともはや物語の領域だ。

良々はそんな子供アニメみたいなものはとっくに卒業したはずだった。

 

 

 

赤い怪人『へぇ、つーことはお前ら、正義の味方御一行なのか?』

 

 

 

コーヒーを飲みながら聞いていた赤い怪人がみゆき達の方に目をやる。

 

 

 

みゆき「まぁ、そんな感じ…。で、あなたは誰?」

 

 

 

今度はみゆきがその赤い怪人に尋ねた。

 

 

 

赤い怪人『俺か?俺は…イマ…イマ…ん~────』

 

ハナ「コイツらは『イマジン』」

 

赤いイマジン『そう、それだ』

 

れいか「イマジン?確か、ビートルズに同じ名前の曲がありましたね」

 

 

 

意味は確か『想像する』とれいか言葉を挟む。

ハナは続ける。

 

 

 

ハナ「あの蝙蝠もそう。コイツらはあなた達プリキュアに敵対しているバッドエンド王国からの使者なのよ」

 

あかね「え!!なんやコイツ敵なんか!!?」

 

ハナ「敵よ」

 

赤いイマジン『人聞き悪い事言うな。俺をあんな蝙蝠野郎と一緒にすんじゃねぇよ。俺はバッドエンド王国(あいつら)の事情なんざ知っちゃこっちゃねぇ。ただ好き勝手暴れまくりたいだけの…』

 

あかね「十分悪い奴やんけ!!」

 

 

 

あかねが思わずツッコむ。

 

 

 

キャンディ「でもキャンディはそんなイマジンなんて今まで知らなかったクル」

 

 

 

メルヘンランド出身のキャンディはウルフルンやアカオーニ、バッドエンド王国の事は兄から聞いていたが、イマジンなどというものは聞いたことがなかった。

 

 

 

ハナ「そうね。イマジンはこの時間帯で最近生まれたものだから。──“ある物”の誕生により作り出された」

 

みゆき「ある物?」

 

 

 

皆が疑問に思う中、やよいが手を挙げる。

 

 

 

やよい「もしかして、プリキュア?」

 

ハナ「正解」

 

 

 

ハナは静かに返した。

 

 

 

ハナ「あなた達が誕生したことにより、未来が次第にハッピーエンドへと向かおうとしてるの」

 

みゆき「本当!?」

 

 

 

みゆきが未来がハッピーエンドに向かっていることを知り、喜ぶ。

 

 

 

みゆき「いいことじゃないですか。私たちのおかげで未来がウルトラハッピーなんて」

 

 

 

ハナ「ところが、それを快く思ってない者もいる───バッドエンド王国の住人よ。そしてさらに、バッドエンドの未来の住人…」

 

 

なお「どうして?バッドエンドの未来の人が?」

 

 

 

誰でもハッピーエンドがいいに決まっていると考える皆の中で皆を代表してなおが訊いた。

 

 

 

ハナ「バッドエンドの未来にも、あなたたちがハッピーエンドを望んでいるのと同じようにその未来を快く思っている人間がいるの。そのバットエンドの未来人の精神に収集したバッドエナジーを加えて生み出したのが──

───イマジン」

 

みゆき「てゆうことはバッドエナジーが加わると未来の人ってみんなこんな姿になるの?」

 

赤いイマジン『言っとくが俺がこんな姿なのはこいつのせいなんだぜ』

 

 

 

と赤いイマジンは良々を指さす。

 

 

 

良々「え!何で私!?」

 

ハナ「イマジンは黙ってて!!私が話してるのよ!!」

 

赤いイマジン『んだと、コラァ!!』

 

 

 

とハナが赤いイマジンに喧嘩腰で黙らせようとするが、向こうも短気な様でチンピラのように腰をあげ、立ち上がる。

 

 

 

ハナ「何よ!!やる気!!?」

 

みゆき「二人ともやめて!!」

 

あかね「電車ん中で喧嘩すんなや」

 

 

 

みゆき、あかねを筆頭に二人を抑える。

ハナは気を取り直して説明をする。

 

 

 

ハナ「要約するにコイツらイマジンとは未来の人間の精神をバッドエナジーを加えて作りあげ、肉体はさっきれいかちゃんの言った通り、人間に取り憑き、取り憑いた人間の持ってる“イメージ”を使って身体を作ってるの」

 

 

赤いイマジン『そういうこった。にしても…何だ?このイメージ。センスねぇな。一体何のイメージだ?』

 

良々「ん~、『桃太郎』の…赤鬼かな?」

 

赤いイマジン『桃太郎ぉ!?』

 

ハナ「ぷふっ」

 

赤いイマジン『笑うんじゃねぇ!!お前イメージ貧困過ぎだろ』

 

 

 

イメージが桃太郎と聞いて不満なようだ。

 

 

 

やよい「でも、何で桃太郎本人じゃなくて赤鬼さんなの?」

 

良々「昔読んだ時、桃太郎に退治される赤鬼さんがかわいそうだなーと思ったからその影響じゃないかしら」

 

赤いイマジン『だからってコレはねぇだろ』

 

あかね「んー、確かに顔は鬼ってゆうより、角の生えた赤いドクロって感じやな」

 

赤いイマジン『それ以前の問題だろ!!』

 

 

 

プリキュアの敵のアカオーニと比べると虎の腰巻はしていないし、金棒も持ってなければ、パーマヘアーでもない。

鬼らしさに欠けてる。

 

 

良々「そうだ。あなたの名前まだ聞いてなかったわね」

 

赤いイマジン『あ?名前?そんなもん…ねぇよ』

 

良々「え?」

 

みゆき「どういうこと?」

 

赤いイマジン『俺らイマジンは未来の記憶がねぇんだ。精神は持ってきても記憶がない。自分の名前すらわかんねぇんだ』

 

 

 

良々がふ~ん、と少し考えると。

 

 

 

良々「じゃあ、名前ないと不便だしさ。みんなこのイマジンの名前考えない?」

 

みゆき、あかね「「さんせー」」

 

赤いイマジン『はぁ!?おい!勝手に決めんな!!俺は犬や猫じゃねぇぞ!!』

 

ハナ「そんな馴れ馴れしくしたら住み着いちゃうわよ」

 

赤いイマジン『だから、犬猫か!!俺は』

 

 

 

赤いイマジンの叫びを流しながら、話し合う。

 

 

 

みゆき「じゃあ、どんな名前付けようか」

 

やよい「オニタロウとかは…どうかな?」

 

なお「鬼と桃太郎くっつけただけじゃない。やっぱりここは鬼島桃太(きじまとうた)とか」

 

れいか「もう少し、呼びやすいお名前の方がいいと思いますよ」

 

良々「あかねちゃん考えてよ」

 

あかね「え?ウチ?」

 

良々「今朝みたいなカッコイイ名前を…」

 

あかね「う~ん、桃太郎…モモタロー…モモタロ………モモタロス。『モモタロス』ってのはどうや?」

 

良々「お、いいわね!それ」

 

赤いイマジン『ええ!?待て、コラ!!』

 

みゆき「うん、呼びやすいし。いいわね」

 

やよい「賛成」

 

赤いイマジン『だから待て!!お前ら!!』

 

なお「いいんじゃないの?ちょっと可愛いし」

 

れいか「決まりですね」

 

良々「これからよろしく、モモタロス」

 

(命名)モモタロス『俺は認めてねぇ!!お前ら揃いも揃ってセンスおかしいぞーっ!!』

 

 

 

狭い車両の中でモモタロスの不満げな叫びが木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

その後、モモタロスは何とか落ち着いたが、ブスッとすぬてしまった。

ハナは構わず説明を続ける。

 

 

 

ハナ「取り憑いた人間に望みを聞き、それを叶える事で『ある物』を頂く…」

 

良々「ある物?」

 

やよい「もしかして…命とか、ですか?」

 

 

 

やよいが恐る恐る聞くとハナは首を横に振り、重く言葉を返す。

 

 

 

ハナ「『過去』よ…」

 

 

「「「「「「「過去(クル)?」」」」」」」

 

 

 

皆は一斉に首を傾げた。

 

 

 

れいか「思い出って事ですか?」

 

ハナ「そう、奴らは願いを叶えるとその対価として、その人の大切な過去をもらう。それがイマジンと契約した人間の代償」

 

 

 

ばんっと、ハナの話の途中でモモタロスがテーブルを叩き、立ち上がった。

 

 

 

モモタロス『そうだ…契約だ!』

 

 

 

モモタロスはあの時、良々が願い事を言おうとした事を思いだした。

 

 

 

モモタロス『お前、あの時何て言おうとした?お前の望みは何だ!?』

 

 

 

モモタロスが改めて良々に聞こうとすると、ハナがそれを止めた。

 

 

 

ハナ「ダメよ。願い事をいえばコイツは自由になる。――けど、願い事を言わなきゃコイツは手出しはできない」

 

モモタロス『てめっ、余計な事言うな!!ハナクソ女!』

 

ハナ「何ですって~…!!」

 

 

 

ハナクソ女と言われて激怒するハナ。

 

 

 

モモタロス『やんのか?コラァ』

 

ハナ「イマジンの癖に生意気よ!!」

 

モモタロス『どこのガキ大将だ?テメェはよ!!』

 

 

 

両者一歩も退かぬメンチの中、その場にいた全員は止めたくても止められない状況だった。

 

下手に声を掛ければとばっちりを喰らう恐れがあったからだ。

 

沈黙の末、両者は右コブシを振り上げた。

 

それを見ていた良々は即座に察知し動いた。

 

 

 

モモタロス『だらああああああああああっ!!』

 

ハナ「はああああああああああっ!!」

 

良々「二人共そこまで!!喧嘩は…」

 

 

 

良々の言葉はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナ「え…」

 

モモタロス『あ…』

 

 

 

なぜなら、ハナのコブシを顔面から、モモタロスのコブシを後頭部に受けていたからだ。

 

 

 

みゆき「キャーッ!!良々ちゃーん」

 

 

 

みゆき達が急いで駆け寄る。

 

 

 

良々「大丈夫…、慣れてるから…(ガクッ)」

 

なお「いや、どんな慣れ!?」

 

 

 

鼻血を出しながら、笑顔を作る良々にツッコミをいれるなお。

 

 

 

ハナ「モモタロス!!あんた何て事してくれたの!!」

 

モモタロス『バカ!俺はグーで受け止めようとしただけだ。殴ったのはお前だろ!!』

 

キャンディ「二人共悪いクル」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良々を横に寝かせ、安静にさせた後、今度はデンオウの話に移る。

 

 

 

ハナ「そして、バッドエンド王国の連中は未来から何らかの方法でこの列車のパスを手に入れた。私はパスを取り返すため、バッドエンド王国に侵入しパスを取り戻したんだけど、そこで恐ろしい計画を知った」

 

みゆき「恐ろしい計画?」

 

ハナ「プロジェクト・イメージ───奴らの狙いはイマジンを地球へと送り込んで時の運行を乱し世界をバッドエンドへと早く導き、そしてパスを元に作ったベルトを使ってプリキュアを倒す事」

 

あかね「ウチらを!?」

 

 

 

あかねを含む、それを聞いた皆は緊張した。

 

 

 

ハナ「そこで私はそのプロジェクト・イメージを阻止するため私はベルトを奪い、そのベルトを戦力にしょうとしたの」

 

良々「でも、どうして私が変身するの?」

 

 

 

起き上がった良々はなぜ自分が変身するのか理解できなかった。

 

 

 

ハナ「それは貴方が『特異点』だからよ。特異点はその時代にごく僅かしかいない珍しい存在でね。その特異点こそが唯一デンオウになれる存在なの。

───これからもイマジンはバッドエンド王国から次々とやって来る。良々ちゃんって言ったわね、デンオウになって戦ってほしいの。過去と未来を守る為に……」

 

みゆき「そうだよ!良々ちゃん私たちと一緒に戦おうよ!」

 

あかね「そやな、あの強さ見たらなぁ」

 

やよい「頼りになりそうだし」

 

なお「うん、5人より6人!」

 

れいか「どうでしょうか?良々さん」

 

良々「……………」

 

 

 

良々は黙って、残ったコーヒーを最後まで飲むと一息ついて言った。

 

 

 

良々「──もう少し考えさせてもらえないかな?私も…心の準備があるから」

 

 

 

どこか煮え切らない表情で立ち上がった。

 

 

 

電車は一時停止。

くわしい説明はとりあえず後日合流してからということにして、二人は「現在」に帰ることになった。

列車のドアが開いた時、良々は心奪われ感嘆した。

 

 

良々「うわぁ…」

 

みゆき「きれー…」

 

あかね「おぉ…」

 

やよい「はぁ…」

 

なお「何なの?………ここ」

 

れいか「なんて神秘的なのでしょう…」

 

キャンディ「絶景クル…」

 

 

 

みゆき達もそれに同意せざるを得なかった。

列車の窓の外を全く見ていなかったからわからなかったが、

三人の前に広がるのは見渡す限り続く銀色の砂漠。

彼方に見える巨岩の上には虹色に輝く空とオーロラ。

本来なら交じり合うはずの無い二つの自然の神秘が、ここまで調和して融合しているとは。

やよいの方はスケッチブックを持って来ればよかったと少し後悔している。

 

 

 

ハナ「ここは時間の中だからね。この足元にある砂の一粒一粒が、流れる時間そのものなのよ」

 

 

 

両手を広げ、抱えきれない、もう戻らない愛おしいものを懐かしむように、ハナは独り言のように呟く。

 

 

 

ハナ「デンライナーはこの時の中を行き来する電車なの。過去と今と未来へ、続いていく時の運行を守るために」

 

良々「時の運行…?」

 

 

 

良々は時の運行を守るとは一体何なのか?

まだ、それは聞いてなかったので訊こうとした時、ハナがデンライナーを降りた拍子にそのポケットからキーホルダーが落ちた。

 

 

 

良々「ハナさん落ちましたよ?」

 

ハナ「え?あ、そうだ。これ、拾ったままだった!」

 

 

 

話を聞くところによるとハナはパスを探している時にこのキーホルダーを拾って交番に届ける途中、公園で良々を目撃したのだと言う。

 

 

良々「あれ?よく見ればネームプレート付きだ──羽黒テツオ」

 

なお「羽黒?ああ、あたしその人知ってるわよ」

 

良々「ホント?」

 

なお「3年の先輩で、かなり札付きの不良らしいわ」

 

良々「でも、困ってたら大変だし、明日位にちょっと行って返してくるわ」

 

みゆき「大丈夫なの?」

 

良々「心配ないわよ。返すだけだからさ」

 

 

現在に戻ると、そこは先ほど戦った廃工場地帯。

時刻は午後の7時7分。

6人は大慌てで別れて家路に着いた。

その後、6人とも親から

 

「こんな遅くまでどこほっつき歩いてた!!」

 

と、叱られるのはまた別の話。

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