中途難聴になった司令官は、指揮能力を疑われ、鎮守府にはいられなくなった。

失声症になった吹雪は、もう戦えないと判断され、鎮守府にはいられなくなった。

軍をお払い箱になって二年。二人の、ごくごくありきたりな、夏のお話。

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はじめましての方ははじめまして。瑞穂国と申します

今回の作品は、かなり長くなってしまいました。色々書きたいことがあったので

どうぞ最後まで、お付き合いください


あなたの声、わたしの世界

中途難聴、というのがある。先天的な理由ではなく、後天的な原因で聴覚に異常をきたすことだ。

 

完全に音が聴こえなくなるわけではないので、「失聴」とは違う。あくまで、音を聴きづらくなるのが、難聴だ。

 

音を完全に失ったわけではなく、かといって音に頼ることもできず。

 

後天性ゆえに、音の世界を知っているがゆえに、「現実を受け入れて、ありのまま生きろ」なんて、簡単にできることじゃない。

 

中途難聴の原因は様々だけど、僕の場合は、突発性難聴という病気だった。早期に治療をしなかったせいで、症状が重くなり、今では補聴器が手放せない生活をしている。たとえ補聴器をしていても、高い音が聴き取りづらいし、早い会話にはついていけない。

 

二年前まで、「提督」という職業についていた僕にとって、それは致命的なことだった。なぜなら、僕の職場である「鎮守府」にいるのはほとんど女の子で、高音を聴き取れなくなっていた僕では、彼女たちとコミュニケーションを取ることは容易ではなかったからだ。

 

筆談による意思の疎通で何とか誤魔化していたけど、やはりお互いに、どこかで線を引いてしまう。いつしか、僕から彼女たちに話しかけることはなくなり、彼女たちも僕を避けるようになった。

 

そして、決定的な出来事があった。

 

指揮官としての素質を無くしたと判断された僕は、提督解任が決まっていた。だからその前に、自ら除隊願を出した。

 

そうして、僕は今に至る。

 

 

 

二両編成のワンマン運転という、田舎特有の鈍行列車が、レールの上を走っていく。レールの継ぎ目を通過するたびに、懐かしさすら感じる揺れが、座席の下から伝わってきた。

 

駅で無料配布していた観光案内のパンフレットを読み終わり、僕は畳んだそれから顔を上げた。向かい合わせになった正面の座席に目を遣る。

 

車窓から見える景色を、飽きもせずに見つめる、一人の少女が、そこにはいる。

 

元艦娘、吹雪。艦娘というのは、僕が勤めていた鎮守府に所属している女の子たちのことで、近年海を脅かすようになった「深海棲艦」と呼ばれる怪異と戦っている。

 

艦娘の正体は判然としないけれど、海の精霊の類と考えられている。深海棲艦の対となり、世界の均衡を保つために産み出された存在だ。

 

姿形は人間の女の子そのもので、船の力を宿した「艤装」を扱うから、「艦娘」。そう名付けたのは、僕なんだけど。

 

特に吹雪は、最も最初期に確認された艦娘の一人で、「初期艦」とも呼ばれていた。五人いた初期艦には一人ずつ提督がつき、日本全国に五つの鎮守府が開設された。僕と吹雪が担当したのは、佐世保にある鎮守府だ。

 

そんな吹雪が、なぜ、僕と一緒に電車に乗っているのか。

 

理由の一つは、単純な話。彼女は二年前、軍を退役しているのだ。世界の均衡を保つための船の力を捨て、彼女はもはや、普通の人間に他ならない。

 

吹雪というのは、艦娘、ひいては船としての彼女の名前だ。退役後は、戸籍登録のために、彼女にもちゃんとした名前が与えられている。まあ、名字は僕と同じだし、名前は吹雪のままなんだけど。だから、僕の呼び方も、吹雪のままだ。

 

もう一つの理由は・・・まあ、おいおい。今の僕は、吹雪を見つめていたい。

 

車窓から見える海が、吹雪の瞳に吸い込まれて、キラキラと輝いている。嬉しそうに、今にも声を上げそうなくらい。

 

この景色は、僕の故郷でもある。こんなに喜んでくれると、やっぱり、嬉しいものがあった。

 

「気に入ってくれたかな?」

 

自分の声は、何となくだけど、聴こえる。自分が何を言っているかくらいは、骨を伝う振動で、わかる。

 

車窓から目を離した吹雪は、大きく頷いた。顔の横で垂らした、二房の前髪が跳ねる。

 

それから吹雪は、ワンピースの膝に乗せていたカバンから、小さなメモ帳とペンを取り出した。サラサラと何かを書きつけて、僕の方に見せてくれる。

 

《とっても綺麗なところですね》

 

声の代わりに伝えられた彼女の言葉に、僕は頬を緩めた。

 

僕たち二人のやり取りは、いつも筆談だ。それは確かに、僕の耳が女の子の声を聴き取りづらいから、という理由もある。でも、それだけじゃない。

 

吹雪には、声がないのだ。

 

失声症、と言う。精神的な負担などを原因として、声が出せなくなる病気のことだ。

 

・・・理由は、わかっている。結論から言えば、僕のせいなのだ。

 

突発性難聴と診断され、補聴器を使い始めたばかりの頃。それでも僕は、鎮守府で艦隊の指揮を執り続けていた。今思えばそれは、きっと単なる自己満足のためで、音を失ってパニックになりかけていた自分を、なんとか元のままであると思い込ませたかったからなのだろう。

 

大規模作戦中、僕は出撃中の彼女たちからの報告を、一度で聞き取ることができなかった。そして、それが命取りになった。

 

敵主力から猛烈な攻撃を受け、佐世保鎮守府の艦隊は壊滅的な被害を受けた。出撃した十二人のうち、帰ってきたのは半数の六人。他の鎮守府からの援護がなければ、その六人すらも沈んでいたかもしれない。

 

大規模作戦の中でも、最終段階となる出撃中の出来事だった。当然ながら僕は、考えうる最高の編成で出撃させていた。吹雪を筆頭として、僕の鎮守府でも、特に経験豊富な艦娘たちを。

 

鎮守府開設から、ずっと一緒に戦ってきた仲間を、吹雪は目の前で失ったのだ。

 

僕はかける言葉を見つけられなかった。

 

損傷の修復のために入渠した吹雪は、その後、声を失った。

 

元々、よく聴こえてはいなかった。それでも、そこには確かに、吹雪の声があったのだ。それを僕は、奪ってしまった。

 

よく聴こえない音、なのに吹雪の声なき号泣だけは、握りしめたシーツの擦れる音まで、はっきりと聴こえてしまった。

 

音を失った僕と、声を無くした吹雪。軍をお払い箱になった僕たちは、結局二人で暮らすことになった。

 

艦娘である吹雪には、引き取り先がいなかったことが、一番の理由だった。

 

それから二年間。二人の間に声はなく、それでも、確かな時間を積み上げてきたと、思っている。

 

多くの時間を、彼女と過ごした。

 

耳が聞こえなくなっても戦い続けた「英雄」として、軍は僕を利用したかったらしい。別段働く必要がないほどの生活費が支給されていた僕は、だからこの二年間、ずっと吹雪の側にいた。

 

贖罪の気持ちがなかったと言えば嘘になる。僕は恨まれても仕方がないほどのことをしたのに、吹雪はそれを伝えてくることはなかった。僕が一緒に暮らさないかと提案した時も、喜んで承諾してくれた。

 

元から、そういう娘だった。誰にも優しくて、いつでも明るい少女。

 

けれども、声を失ってから、吹雪も少しだけ変わってしまった。あまり外に出たがらなくなったのだ。

 

以前は休日となると、よく他の艦娘たちと外出していたのだが。僕と暮らし始める少し前から、部屋にこもりがちになっていた。

 

声を失うということは、誰かに何かを伝えられなくなるということ。その恐怖は、音が聞こえない僕とはまた違ったものなのだろう。

 

外出は、週に二回の買い物くらい。旅行もしたけど、そんなに遠出はしない。精々僕が車を運転して行ける範囲だ。

 

だから、今回の電車旅は、二人にとって初めてのものだった。

 

彼女からメモ帳を受け取り、僕もペンを走らせる。自分の筆談用メモ帳はあるけど。こうして同じメモ帳に書いた方が、会話をしてるみたいで、嬉しくなる。

 

《実家の近くに、静かな浜辺があるから、一緒に行こうか》

 

僕の書いた一文に、吹雪の表情が明るくなる。やはり、年頃の女の子なのだ。

 

《いいですね、行きましょう!あ、水着を買わないとですね》

 

飛んだり跳ねたりしているように紙の上を踊る字が、とても可愛らしい。やっぱりどうしても、頬が緩んでしまう。

 

車窓を流れる景色と、穏やかに揺れる電車。二人の文字が、メモ帳の上で楽しげに踊っていた。

 

 

 

さて、そろそろ、僕と吹雪が一緒に電車に乗っていた、もう一つの理由について、話しておこうか。

 

僕たちが乗っていた電車が向かっているのは、僕の生まれ育った故郷。つまり僕の実家だ。

 

提督をやめることが決まった時に来て以来だから、もう二年だ。しかも今度は、吹雪が一緒なわけで。

 

世話好きなお袋のはしゃぎっぷりが、今から想像できる。

 

そしてその場で、僕から両親に伝えておかなければいけないことがある。

 

それは、僕たち二人―――僕と吹雪の、未来に関することだ。

 

 

 

駅に降り立った僕たちを迎えるのは、夏の盛りの強い太陽。陽差しを遮る雲もなく、容赦ない陽光がアスファルトを焼いていた。

 

少し歩くことは、吹雪にも伝えてある。白いワンピース姿の彼女は涼しげだが、逆に言えば腕や鎖骨の辺りは剥き出しのままだ。やはり焼けるのは嫌だろう。

 

駅舎の庇から出たところで、吹雪が日傘を差す。その姿がどこか、大人びた物に映った。

 

・・・大人びた、という言い方は失礼かな。二年、いや鎮守府が開設されてからだから、もう四年になるか。

 

最初は、小柄な少女でしかなかったのに。グンッと身長が伸びたわけでも、特別胸が大きくなったわけでもなく。強いて言えば、髪を少し長くしたくらい。

 

でも、吹雪の纏う雰囲気は、もう十分に、大人の女性のものだった。

 

鎮守府にいた頃、「司令官と吹雪って、親子みたいだよね」とからかわれたことはあるが。

 

今は、また別の関係に、見えているだろうか。

 

海沿いを歩いていると、涼しい風が吹き抜ける。潮の香り。白波が砂浜に打ち寄せて、サラサラと砕けた。

 

ふと、僕の手に、吹雪の手が触れた。そのまま自然に、二人の手が絡み合う。間もなく正午になろうという太陽の下で、恋人繋ぎが揺れる。

 

吹雪が満面の笑みを浮かべた。太陽に負けないくらい、キラキラと眩しい瞳に、僕も暖かな気持ちになる。

 

海を背景にして、吹雪の白いワンピースがはためいた。ふとした風のせいだろうか。僕たちの間を抜けた、夏の風。

 

その風たちに包まれながら、二人は砂浜に沿って歩いていく。僕の家までは、十分ほどの道のりだった。

 

 

 

インターフォンを押すと、十秒もせずに扉が開いた。ワタワタと喜ばし気に開く引き戸が、その奥に待つお袋の存在を告げている。

 

そして案の定、開ききった扉の向こうから、年相応に年季の入ったお袋の笑顔が現れた。

 

「お帰り」

 

そう言っているのだろうが、唇の動き以外はよく聴き取れない。僕は短く、「ただいま」と答える。

 

それから、当然のように、お袋が吹雪の方に目を遣る。一瞬、吹雪が緊張したように、背筋を伸ばした。

 

「お帰り、吹雪ちゃん」

 

お袋の唇が動く。

 

僕は一人っ子だったから、お袋にとって、子どもは息子の僕だけだ。だから吹雪のことは、娘ができたようで嬉しいのだろう。

 

吹雪が勢いよく一礼する。彼女の失声症のことは伝えてあった。

 

お袋の笑みが、益々深まる。

 

手振りで上がるように示して、お袋が僕たちを家の中に導く。数日分の荷物が入った軽い旅行鞄と一緒に、僕たちは懐かしい家に足を踏み入れた。

 

鎮守府や、今住んでるアパートとは違って、典型的な日本家屋の実家が、余程珍しいんだろう。廊下を歩いている間、吹雪は興味深げにあちらこちらを見回している。小動物っぽい仕種が微笑ましくて、頬が緩んでしまった。

 

僕が笑っていることに気づいたのか、吹雪がわかりやすく頬を膨らます。それがやっぱり可愛くて、愛しくて、僕はさらに笑ってしまう。

 

しかしながら、少々調子に乗り過ぎたかもしれない。ついに吹雪が、つーんとそっぽを向いてしまう。彼女なりの、抗議のポーズだ。

 

何か、ご機嫌を取っておかないと。

 

《ごめんごめん、吹雪が可愛かったから、つい、笑っちゃった》

 

スマホのメモ帳に書いた僕の言葉は、ちゃんとフォローになったかな。

 

窺った吹雪の顔が、拗ねていた様子とは一変、リンゴもかくやというほどに、赤くなっていた。わかりやすい反応が、どうしようもなく、微笑ましい。

 

僕たちが荷物を落ち着けたのは、以前僕が使っていた部屋だ。八畳の部屋は、学生の頃には手狭に感じたものだが、改めて見ると、十分すぎる広さがある。少し痛みの入った文机と、綺麗に畳まれた二人分の布団。それ以外に何もないこの部屋は、僕のことを憶えていてくれただろうか。

 

荷解きもそこそこに、僕たちは居間の方へと向かった。帰ってきたら、まず仏壇に手を合わせるのが、僕の家の習わしだ。

 

久しぶりに家に戻った僕と、初めて我が家を訪れる吹雪。二人並んで仏壇の前に正座をし、(りん)を鳴らす。

 

―――おじいちゃん、おばあちゃん。僕の大切な人を、連れてきました。

 

そんなことを、心の中で呟きながら。

 

 

 

久しぶりに賑やかな夕食の席ということで、お袋は相当に張り切っていたらしく、四人掛けの机一杯に入りきらないほどの料理が並んでいた。

 

机を囲むのは、僕と吹雪、お袋、そして親父。

 

昼間は畑作業をしていたという親父が、採れたての野菜を持ってきてくれていた。鮮やかな色に茹で上がったトウモロコシが、とても甘そうだ。

 

お互い、料理が堪能なわけでもなく。それほど量を食べるわけでもなく。僕と吹雪の食卓は、決して豪華とは言えない。だからだろうか、珍しいものを見るように、吹雪が目を輝かせた。

 

「いただきます」

 

懐かしいお袋の味を前に、僕の心も浮き立つ。

 

吹雪が真っ先にトウモロコシに手を伸ばす。黄色い粒々が規則正しく並ぶ表面に、控えめな唇が触れる。親父が育てた自信作にかぶりついた吹雪は、言葉の代わりに全身で感動を表した。

 

「おいしい?」

 

山盛りのポテトサラダを取り分けながら、上機嫌にお袋が尋ねる。それに吹雪は、ブンブンと全力で頷く。

 

・・・犬みたいだと思ったことは、黙っておこう。

 

お袋と吹雪のやり取りを見ていた親父は、晩酌の焼酎を口にしながら、微笑している。元々表情の変化が乏しい人だったから、こういうのは珍しい。自分の育てたトウモロコシを食べて、吹雪が喜んで。それがよっぽど、嬉しかったんだろう。

 

よかった。吹雪の飾らない、純粋な笑顔は、お袋も親父も、気に入ってくれたようだ。

 

満面の笑顔のまま、吹雪は舌鼓を打つ。本当においしそうだな。そんな風に食べていると、こちらまで、数段ご飯がおいしくなる気がする。

 

・・・今度から、僕ももう少し、料理を頑張ってみようかな。

 

幸せな時間は、ゆっくりと過ぎていく。騒がしいおしゃべりはない。お袋はおしゃべりな方だけど、畳みかけるような話し方はしないし、親父は元々口数の少ない人だ。僕と吹雪は言わずもがな。

 

たくさんの話をしたわけではないけれど。これほど穏やかに、吹雪以外の人と会話ができたのは、初めてだった。

 

夕食を終え、たくさん並んでいた皿を片付けると、食後の歓談タイムになる。ちなみにだけど、我が家では、食後の片づけは、僕と親父の仕事だった。

 

僕と親父が皿を洗ってる間に、お袋がお茶を淹れる。その横には、吹雪もいた。もう随分と、仲良くなったみたいだ。

 

「皿、洗ったぞ」

 

親父が短く言えば、お袋が返事をする。そんな二人の関係が、僕は昔から好きだった。

 

席に戻って、四人で一息を吐く。湯呑みから口を離したところで、僕は吹雪に目配せをした。

 

ポッと頬を赤らめた吹雪も、コクリ静かに頷いた。

 

「親父、お袋」

 

僕の呼びかけに、二人はこちらを向くことで、話を聞いていることを示す。

 

吹雪の分まで、僕が、このことを伝えなければ。

 

「二人に、報告があるんだ」

 

・・・ああ、やっぱり、緊張する。

 

自分の親に、ただ一言、伝えるだけなのに。それでも、緊張するんだ。

 

今までの僕を育ててくれた人に、これからの僕たちのことを伝えるのは、とても緊張することだ。

 

その時。

 

ギュッ

 

左隣の吹雪が、そっと僕の手を握った。手のひらを重ね、優しく触れるだけの、暖かな感触。

 

それだけで、十分だった。

 

これから僕は、僕と吹雪の未来を、二人に伝える。

 

「僕たち、結婚することにしたんだ」

 

これが、僕たち二人の、この二年間で出した、答えだった。

 

多くは語らない。それこそ、僕と吹雪がこの答えを出すまでの話を語ろうと思えば、さらに多くの時間が必要になってしまう。

 

ただ、今言えることは。

 

僕たちが恋人同士になるのに、それほど時間はかからなかったこと。

 

僕は今、心の底から、彼女と幸せになりたいと思っていること。

 

そのことを伝えるために、僕たちはここを訪れたんだ。

 

先に口を開いたのは、意外にも、親父だった。

 

「・・・そうか」

 

短い言葉には、これまで以上に、重い響きがあった。

 

お袋も微笑む。

 

「そうねえ。もう、あなたもそんな年頃ねえ」

 

取り乱すことも、逆にはしゃぐこともなく。ただただ静かに、僕たち二人の答えを、聞き届けてくれた。

 

いつか来るものと、覚悟していたのだろうか。

 

いつかそんな日を、夢見ていたのだろうか。

 

「吹雪ちゃん」

 

お袋の唇が、吹雪を呼ぶ。しゃんと胸を張った吹雪は、大真面目に、お袋の顔を見ていた。

 

「息子のことを、よろしくね」

 

そう言ってから、僕には聞こえないように、吹雪に何かしらを耳打ちしている。

 

みるみるうちに、吹雪の顔が、耳まで赤く染まっていった。茹でダコみたいになった吹雪の頭から、湯気が出ているような錯覚までする。

 

チラリ。こちらを窺った吹雪は、すぐに目を「×」にして、手をワタワタとさせ始める。

 

お袋、一体何を吹き込んだんだ・・・。

 

訝しむ僕を呼んだのは、親父だった。

 

「何よりも、彼女を一番に、幸せにするんだぞ」

 

実感の籠ったその言葉は、「先輩夫婦」からのありがたいアドバイスとして、大事に受け取っておく。

 

もとより、そのつもりだ。

 

僕は力一杯に頷くことで、親父の言葉に答えた。

 

こうして一先ず、僕は今回の旅行の目的を、達成したのだった。

 

 

「いい()だな」

 

親父がそんなことを言ったのは、実家に帰って三日目のことだった。

 

青い海を臨む、真っ白な砂浜。サラサラとして熱を帯びるその上に腰かけていた僕の隣に、親父が座った。

 

低い親父の声は、補聴器をつけていれば、十分に聞き取れる。わざわざ読唇術を使う必要もなく、僕は目の前を向いたまま、答えた。

 

「ああ。僕なんかには、もったいないくらいだ」

 

僕が見つめる先。涼しげなサンダルを砂浜の上に脱ぎ捨て、真っ白な素足を晒して、吹雪が波と戯れている。着ているのは、昨日僕が選んだ、ワンピースタイプの水着だ。

 

はっきり言って、すごく、可愛い。パシャパシャ跳ねる水と、太陽の笑みをこぼす吹雪。

 

表情が綻ぶ。こうしているだけで、幸せだ。

 

「そんなことはない」

 

その言葉の理由も、何も、親父は教えてくれない。そういうところは相変わらずだ。

 

代わりに、ポンと肩を叩く。無言の想いが込もったそれと一緒に、親父は立ち上がった。その顔を、僕は見上げる。

 

「孫の顔を、楽しみにしてる」

 

「まっ・・・孫っ・・・!」

 

太陽に当てられたわけでもなく、僕の顔が熱くなる。そんなことなどお構いなしといったように、「スイカを持ってくる」と言い残して、親父は砂浜を後にした。

 

残された僕は、頬の熱を冷ましながら、再び吹雪を見遣る。

 

まばゆい笑顔で、吹雪が僕に手を振っていた。こっちに来て、ということらしい。

 

ふっと、笑みがこぼれる。

 

パーカーを脱ぎ、持ってきたカバンの中に突っ込む。補聴器は防水仕様のを持ってきたから、このままで大丈夫。

 

焼けた白砂の上を歩いていく。波打ち際まではすぐだ。

 

僕を迎えてくれたのは、打ち寄せる冷たい海水と、暖かな笑顔で手を伸ばす愛しい人だった。

 

 

花火大会の日は、僕たちが実家に泊まる、最後の日だった。

 

懐かしい。そんなに大きな催し物ではないけど、この辺では唯一の花火大会ということもあって、例年結構な人がやってくる。その賑わいは、今も変わってはいないらしい。

 

この日には、小学校や中学校の同期といった、懐かしい顔も、戻って来る。午前中に同窓会を開いて、午後は屋台を冷やかしつつ、花火を待つというのが、この辺りの子供の一種伝統のようになっていた。

 

けど。

 

・・・花火大会、か。

 

吹雪にも一応、この話はしてある。

 

ただ、まあ、反応は予想できたものだった。

 

困ったような、複雑な表情を、吹雪は浮かべていた。

 

花火大会、きっと行ってみたいのだろう。

 

けれどもやはり、人ごみは嫌なのだ。

 

それは、僕も同じだった。

 

誰かと一緒でも、怖いものは、怖いんだ。

 

ただまあ、解決策は、ある。花火を見るだけならね。

 

海上の船から打ち上げられる花火は、実は実家の縁側から、よく見えるんだ。海岸よりも少し高い立地で、遮るものも何もない。子どもの頃は、よく友達と、ここから花火を見ていた。

 

そういうわけで、結局僕たちは、花火大会の会場には行かないことにした。

 

夜までは時間がある。普段は人気の少ない海も、今日ばかりは花火大会の関係者で埋まっている。今日ばかりは、遊びに行けない。

 

さて、どうしようか。

 

《お父さんの畑に行ってみたいです》

 

吹雪の要望に、親父は目をぱちくりとさせていた。

 

そんなこんなで、僕と吹雪は今、軽トラの荷台で揺られている。運転してるのは、もちろん親父だ。

 

子どもの頃を、思い出す。

 

流れていく緑を、麦藁帽子を押さえながら、吹雪が眺めていた。僕はといえば、さっきからずっと、その横顔を見つめてばかりだ。

 

ものの十数分で、親父の持ってる畑につく。

 

「吹雪ちゃん、土いじりの経験は?」

 

親父の問いかけに、吹雪が首を横に振る。

 

「そうか。なら、今日は収穫だけだ。土いじりがしたければ、また来たときにしよう」

 

そう言って、親父は竹網の籠を僕に渡す。

 

「採るのはきゅうりとトマト。四人分だ」

 

「わかった」

 

夏休みには、よく手伝っていたんだ。どれを採ればいいのかくらいはわかる。

 

「行こうか、吹雪」

 

僕が伸ばした手を、吹雪は嬉しそうに取る。

 

真っ直ぐに育ったきゅうり。瑞々しい赤のトマト。二人で一緒に、それらを選んでいく。

 

静かな世界と、畑の匂い。降り注ぐ太陽に、うっすらと汗をかく。

 

少し多めに採って、籠一杯になったそれを、軽トラのところに持っていく。家で食べる分は、荷台に乗せるとして。

 

《近くに小川があるんだ》

 

僕がメモ帳に書いた文面に、吹雪が首を傾げる。

 

《小川がどうかしたんですか?》

 

ニヤリ。僕は去りし子どもの日を思い出しつつ、口角を吊り上げて笑った。

 

《余った野菜を、そこで冷やすんだ。で、ここで食べる。おいしいんだよ、これが》

 

吹雪の目が、これ以上ないくらいキラキラと輝いた。眩しい。

 

《いいですね!》

 

籠に紐を取り付けて、その中に多めに採った野菜を入れる。それを、わざわざ二人で持って、小川に向かった。

 

サワサワと流れていく小川の雰囲気は、広大な波打ち際とはまた違う。木陰の多い川面。岩場の間を、透明度の高い清流が流れていく。

 

手頃な岩に紐をかけ、水の中に野菜を入れる。お昼時には、程よく冷えてるだろう。

 

川につかった野菜を、吹雪は満足げに眺めていた。きっと、食べたら驚くに違いない。今から楽しみだ。

 

畑に戻ると、親父がトウモロコシを軽トラに積み込んでいた。吹雪においしいって言ってもらえたのが、よっぽど嬉しかったみたいだ。あれから毎日、トウモロコシが食卓に並んでいる。

 

ああ見えて、単純なのだ。というのは、お袋に親父との馴れ初めを聞いた今だからこそ、言えることだけど。

 

「昼まで時間がある。少し散歩でもしてきたらどうだ?」

 

親父の提案に、僕は吹雪の方を見る。どうする?目線だけで問いかけると、吹雪はコクコクと頷いた。

 

「親父はどうする?」

 

「昼飯のおかずを増やしてくる」

 

答えた親父は、どこからともなく、釣竿を取り出した。竹製の竿に、釣り糸と浮き、釣り針をつけただけのシンプルなものだ。

 

そして・・・この後に待っている結末も、僕は知っている。

 

多分、ボウズだ。

 

昔から、釣りの苦手な親父だった。

 

吹雪と連れだって、畑の周辺を歩く。山の麓ということもあって、生き物は多い。蝶やバッタをはじめとした虫。日向ぼっこ中のトカゲ。上空にはとんびの姿も見える。

 

鎮守府で暮らし、今も都会に住んでいる吹雪には、何もかもが珍しい物に映るようで。小さな花を眺め、おっかなびっくり虫に手を出し、トカゲに驚く。

 

反応が一々可愛くて、もっといろんなものを見せてあげたい、色んなものに触れさせてあげたい。そんな風に、思う。

 

結局、二人のお腹が鳴るまで、辺りを歩き回り、昼食のお弁当を食べるためにようやく軽トラに戻った。

 

その日は珍しく、親父がアユを一匹、釣り上げていた。

 

 

 

陽が暮れた縁側に、僕は親父と二人で腰かけていた。片手にはビール。おつまみ代わりのお好み焼きは、お袋が屋台で買ってきてくれたものだ。

 

さて、そのお袋と、肝心の吹雪は、ここにいないわけだけど。

 

夕陽に西の空が染まり始めた頃、吹雪の手を引いて、お袋は自室に入ってしまった。そこから、何の反応もない。中で何が行われているのかは、不明だ。

 

勝手に押し入るわけにもいかず、僕は親父と、静かに晩酌をしていたわけだ。

 

ぱくり。パックに入ったお好み焼きを摘まむ。少し濃ゆい、お祭りの味がした。

 

と、親父が俺の後ろを見遣る。ふっとした表情の緩み。

 

振り返ると、お袋が立っていた。顔には満面の笑み。それも、何かしらの悪戯を企んでいるかのような。

 

過去、この笑顔に騙されて、幾度となく悪戯にあってきた。

 

今度は何だ。身構えた僕は、しかし次の瞬間、完全にお袋の悪戯が成功したことを悟る。

 

楚々とした所作で現れたのは、吹雪だった。が、その姿が、僕の思考を完全にぶち破った。

 

彼女は浴衣を着ていたのだ。

 

水色の生地。打ち寄せる波、あるいは川の流れのような文様。漂うのは朝顔の花。薄い紫の帯が、神秘的な雰囲気を損なわず、引き締める。少し伸ばしていた髪は、三つ編みを編み込んで、結い上げられていた。

 

・・・気を失うのでは、と思った。

 

花火を見るために、室内灯は消してある。光と言えば、月と星だけだ。淡い明かりの中で、吹雪の姿が浮かび上がる。その姿があまりにも浮世離れしていて。

 

天使かと思った。いや、浴衣を着てるのに、天使っていうのはおかしいかな。適切な例えかどうかはわからないけど、まさに天へ昇っていきそうなその姿は、かぐや姫とでも言うべきか。

 

くしくも、今夜は綺麗に月が見える。満月ではないけどね。

 

頬をほのかに染める吹雪が、髪を耳にかける。その仕種だけで、こっちがドキドキしてしまう。

 

恥ずかしさを堪えるように、吹雪はメモ帳を取り出し、ペンを走らせて、ズイッと僕に見せてくる。

 

《似合ってますか》

 

もちろんだ。こんなに綺麗な浴衣美人は、世界に二人といまい。僕は本気でそう思った。

 

ペンとメモ帳を受け取る。上手く文字にできるかわからなくて。心臓の高鳴りで手が震えそうだ。

 

何とか書き上げた僕の言葉を、吹雪に見せる。

 

《よく似合ってる。とっても綺麗だ。かぐや姫みたいだなって、思った》

 

月明かりの中で、吹雪の頬が益々赤くなる。それから、目にもとまらぬ速さで、何かを書きつけた。

 

《私は、ずっとずっと、愛する人の側にいます》

 

僕の方が、月に登ってしまうほどの、凄まじい破壊力を持った言葉だった。

 

裾に気をつけて、吹雪は僕の横に腰かけた。お袋はといえば、ごくごく自然に、親父の隣に座っている。二人の間で何かしらの言葉を交わしていたみたいだが、僕には聴き取れなかった。

 

わかったのは、お袋も親父も、吹雪の方を見遣って、微笑んでいたこと。親父の頬が、微かに赤くなっていたこと。

 

・・・なるほど。

 

思い出したのは、親父とお袋が、まだ学生だった頃の話。

 

親父がお袋に告白したのは、同じ花火大会の日だったそうだ。浴衣を着て、おめかしをしたお袋に、随分とどぎまぎしたらしい。ちなみに、これをばらしたのはお袋だ。

 

その時の浴衣だけは、大事にとっていた。見たことはなかったけど、僕もその存在は知っている。

 

どうもお袋は、それを引っ張り出して、吹雪に着せたみたいだ。言われてみれば、二人の体格はよく似てる。

 

改めて吹雪を見る。お袋と親父の、大切な思い出である浴衣。その想いは、今、僕と吹雪に受け継がれたんだ。

 

それに。そういうことを抜きにして、吹雪は嬉しそうだった。浴衣を着れば、それだけで、お祭りを楽しんだ気分になれるしね。

 

僕の視線に気づいたのか、吹雪は首を傾げ、ニコリと笑った。

 

その横顔を、光が照らす。僕たちは揃って海の方を見た。

 

花火が始まっていた。もうそんな時間だ。

 

淡い月明りと星に満ちた空を彩るのは、赤、青、黄、緑、色とりどりの光たち。

 

力強い光。美しい尾を長く伸ばし、夏の夜空を走り抜ける。

 

光が束になり、あるいは広がって、大輪の花を咲かせる。牡丹のように、あるいは菊のように。流れる様はすすきのように。

 

最初は、一発一発、個々の個性を主張していた花火は、やがて複数が同時に上がるようになった。光が重なり、花火が消えたかと思えば、また新しい花火が開いて、僕の目に焼き付けられる。

 

チラリと、隣の吹雪を窺う。

 

花火の光が反射する彼女の顔は、それはそれは幸せそうに、笑っていた。

 

ドクン。胸が高鳴る。魅力的なその表情が、たまらなく愛しい。

 

吹雪の目が、こちらを向く。交わった二人の視線。ただ静かに、相手を見つめる、幸福な時間。

 

吹雪の手を取る。指を絡めて、お互いの存在を、確かめる。

 

花火はいよいよ、クライマックスへと向かっていった。花火師が腕によりをかけた、自信作の花火が、次々と打ち上がる。

 

最後に一発、特大の花火が打ち上がって、花火大会の終わりを報せる。名残を惜しむように、一層ゆっくりと、光の尾は深い黒に溶け込んでいった。花火がそのまま、星になってしまったかのような、そんな錯覚。

 

僕たちはしばらく、その余韻に浸っていた。

 

しばらくして、親父とお袋が、立ち上がった。寝る準備をするつもりらしい。

 

僕と吹雪は、そのまま縁側に腰かけ続ける。月と星、屋台の明かりを映す海を、ただ静かに見つめていた。

 

僕はおもむろに、メモ帳を取り出す。

 

《今回の旅行は、どうだった?》

 

受け取った吹雪は、それはそれは嬉しそうに、ペンを取り、何かを書き始める。

 

その動きが、はたと、止まった。

 

何かを思案するような間と、決意の呼吸。それから吹雪は、僕にメモ帳を見せる。

 

《とても楽しかったです。あなたの育ったところをたくさん見て、感じて。お父さんやお母さんにも、いろんな事を教えてもらいました》

 

親父とお袋、変なことを吹き込んでないよな・・・。そんな内心の心配は、次の瞬間に跡形もなく消し飛んだ。

 

吹雪が、口を開いたのだ。

 

僕は息を飲む。

 

失声症は、精神的な疾患によるところが大きい。主なものでは、大きすぎるストレス。

 

逆に言えば、ストレスが取り除かれれば、声が戻ってくることが多い。どんなに長くても、症状があるのは、半年程度と言われている。

 

吹雪はそれが、二年以上続いている。声帯そのものに異常があることが疑われたが、結局原因はわかっていない。こんな症例は初めてだという。

 

考えられることは、艦娘である、吹雪の出自。艤装との関係。

 

確かめる術はない。鎮守府にも医者はいるが、それは「人間のための医者」であり、艤装を装着した「艦娘のための医者」ではない。

 

工廠部の技師や妖精は艤装取り扱いのプロだが、艦娘特有の病気の専門家ではない。

 

結局、吹雪はまだ、完全に船の力の軛から、解放されたわけではないのかもしれない。

 

だから、吹雪の声が出るということは、しゃべることができるようになるということは。

 

吹雪がようやく、自由の身になるということを、意味している。ありのまま、たった一人の、吹雪として。

 

けれど。

 

奇跡、というのは、そう簡単には起こらなかった。

 

神様は意地悪なままで、彼女の声は、どんなに頑張っても、月からは帰ってこなくて。

 

何度か、吹雪は声を出そうと、頑張っていたけど。どうしても、音を紡げない様子だった。

 

再び、吹雪の唇が閉じられる。どこか寂し気に、彼女は眦を下げた。

 

代わりに、吹雪はペンを取る。口にできなかった、伝えたかったことを、紙に記す。

 

《ありがとう》

 

微笑む吹雪の瞳を、僕はジッと見つめる。

 

こんなことを言ったら、吹雪に失礼かもしれない。でも、あえて言わせてほしい。

 

僕は、吹雪との筆談が、好きなんだ。

 

言葉みたいに、早くはないけど。何かを伝えるためには、時間がかかるけれど。

 

その分、いろんなことを考えて、伝えたいことを書き出すことができる。

 

何より、言葉と違って、僕たちのやり取りは、消えることはない。メモ帳を見返せば、いつでも大切な思い出と吹雪とのやり取りを、思い返すことができる。それが何よりも嬉しいんだ。

 

音を無くした僕。声を失った吹雪。確かに、僕らの間には、声は少ない。でもそれは、決して言葉が少ないわけではないし、ましてや想いが少ないなんてことはない。

 

声で伝えられない分を、他のところで、伝えているだけ。それ以外は何ら変わらない。

 

そっと、彼女の頭に、手を伸ばす。結い上げた黒髪は、サラサラと心地よい手触りを返す。吹雪が幸せそうに目を細めた。

 

耳に触れる。頬に触れる。唇に触れる。吹雪のことを、一つ一つ、確かめるように。

 

吹雪がそっと、目を閉じた。

 

ほら、言葉がなくたって、僕たちはちゃんと通じ合っている。

 

唇を、重ねる。吹雪の唇に、僕の唇で、触れる。

 

言葉を伝える口で、僕たちは代わりに、お互いの温もりと、愛を伝える。

 

それだけで、十分なのだ。

 

短い口づけは、どちらからともなく終わりを迎える。頬を染めた吹雪が、恥ずかしげに目を泳がせた。

 

縁側から立つ。僕たちもそろそろ、寝る準備をしなくては。

 

更けていく夜。次第に冷めていく花火の熱を背中に感じながら、僕はいつの間にか、まだ見ぬ明日に思いを馳せていた。

 

それはきっと・・・いや間違いなく、隣にいてくれる、吹雪のおかげだ。

 

だから今日も、そして明日も、僕は幸せだ。

 

だから今日も、そして明日も、僕と吹雪は幸せだ。

 

だから明日も、明後日も、ずっとずっとその先も。

 

もっともっと、幸せになろう。




いかがだったでしょうか?

いつもとは違うコンセプトで書いたので、結構考えながら書いてました。もちろん、筆が乗り出してからは、いつも通りの勢いでしたけど

吹雪ちゃんの水着が書きたかったんです

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