ウルトラ姉弟(笑)の黒一点~胃痛と戦え!ウルトラセブン!~   作:三途リバー

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短いです…しかもまだ次回まで続くという…。
すいません、ホントにすいません。


光と鋼鉄…やっぱりシスコン

「遅くなりました、ゾフィー姉さん。」

 

「いや、大丈夫だ…と言いたいが…早くもエメラルド星人から泣き叫ばんばかりの大量通信が入っている。確認してくれ。」

 

ゾフィー姉さんが指し示すディスプレイを見れば、

 

『敵なのか味方なのか判別がつかない、助けてくれ!!』

 

『味方と思しき光源隊の飛行の余波で船団の20%が航行不能、救助求む』

 

『高速で飛来する刃物のような物のせいでロクに移動も出来ない』

 

『なんだアレ…なんだアレ!?』

 

などの悲痛な叫び(SOS)の数々…。最後のに至ってはもはや救助信号ですらないじゃないですか。ていうか宇宙船が余波で航行不能ってどんなスピードですか、馬鹿なんですか兄さん。

 

「ドロボン星の事を思い出しますね…」

 

「やめろ、セブンではないが胃痛がぶり返す」

 

タロウが地球で任務に就いている頃、ジャック姉さんがカラータイマーをドロボン星の戦闘員に奪われ、仮死状態に陥るという事件がありました。奪わせる事が姉さんの作戦だったのですが、報告を受けた兄さんは見習いのゼアスがガチ泣きするレベルで大激怒。すぐに地球に飛ぼうとしたのですが、タロウに一任すると父さんから通達されるとスーツ装着状態で大隊長執務室へ殴り込m…O☆HA☆NA☆SHIへ。どうにか宥められたそうですが、無事に事件が解決してカラータイマーを取り戻した姉さんが光の国に帰還した時、更なる事件が起こりました。

 

『ちょっとドロボン族(あいつら)シ メ て く る 』

 

と言って飛び出した馬鹿兄が1匹…。

1時間もしないでドロボン星から全面降伏の通信が入り、駆けつけたゾフィー姉さんが暫く寝込むレベルの惨状が広がっていたとか…。

ドロボン星の代表は

 

『一生、いや星の命が続く限りウルトラの姉妹様達に手向かうことは致しません。』

 

と本部へ来て謝罪。

ジャック姉さんの顔を見るなり、靴を舐めんばかりの見事な土下座を決めていましたね。まぁその後ジャックに近付くなと兄さんに蹴り飛ばされていましたが。

 

あの一連の兄さんの暴走は『シスコンご乱心事件』と呼ばれ、姉妹の中で兄さんおそるべしという声が不動の物となりました。

もしかしたら今回はそれを超える事態になるかも…。

 

「誰を連れて行けば良いですか?あの状態の兄さんを見てもマトモに動ける人物となるとかなり数が限られますよ。」

 

「そうだな…。よし、80とパワード、それにスコットとチャックを連れて行ってくれ。」

 

「了解しました。では、支度が整い次第出発します。」

 

「頼んだぞ。…巻き添えを食わないようにな。」

 

怖いですからボソッと呟くの辞めて下さい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「なんて…馬鹿げた、強さ…」

 

クソッ、ジャンボーグAがこうまで手も足も出ないなんて…。グロース星人総統、グロースゴーネ。地位は飾りじゃ無かったって事かよ…!

 

「脆弱…脆弱!この程度の者に、我がグロース軍団は地球の侵略を阻まれたのか!許さん!許さんぞジャンボーグA、立花ナオ!!」

 

月で1回Aはぶっ壊されてるが…あの時とは比べ物にならない損傷だ。上半身と下半身は千切れて、残っているのは

頭部と右腕だけ。その右腕も肘から先はボロボロときちゃあ、もう打つ手がねぇ…。

 

「ここまでか…!」

 

すまない、兄貴…エメラルド星人の皆…俺は今度こそ、駄目らしい…

 

「楽には死なさん…コックピットごと、徐々に潰れていくが良い!」

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ウルトラ…マン…シル…早速だけど、助けて欲しいぜ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「司令!このままではジャンボーグAと立花ナオが!」

 

「分かっています!ですが私達に残された戦力ではあの悪魔には勝てません…!」

 

私達エメラルド星人の兄弟でもある地球人の青年…立花ナオ。その命が儚くも今、私達の目の前で散ろうとしています。

 

何も、できない…。何も出来ず、ただ彼が死んでいくのを見ているだけだなんて…誰か、助けて…!

 

「!?司令、光速で突っ込んでくる何かがいます!何だよこれ、敵の新手か!?…いや、味方!?周りには小さい刃物みたいなのが飛んでて…改造超獣を次次に八つ裂きに!」

 

「う、ウルトラマン?」

 

「それにしちゃ戦い方が怖すぎませんかねぇ!グロースゴーネに特攻する模様ッ!」

 

「あれは…」

 

一体、何者…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ジャンボーグAの頭部を握り潰さんとし、その腕に力を込めるグロースゴーネ。彼は現在の地位を受け継いだ者ではない。自ら掴み取った者だ。

故にその力は絶大。地球を攻撃しに舞い降りた4人の戦闘隊長とは比べものにならぬ、圧倒的な力の持ち主である。

 

しかし。

 

「!」

 

そんな彼が、愚直な特攻を察知出来なかった。

 

「フッ!」

 

咄嗟に残骸を離し、飛び退った場所には隕石が堕ちたかのような大穴が開く。

そして揺らめくように立ち上がった赤い男…

 

「テメェが…」

 

「む?貴様、ウルトラマンか。丁度いい、ウルトラ族の女を1人捕獲し損ねていてな。貴様に代わりになってもらおう。まぁ、男だと遊べず少々つまらんが…。やれ、ブロッケン。」

 

改造され、胸に荷電粒子砲を積んだ超獣が雄叫びを上げる…より早く。

 

「ギャピッ!?!?」

 

耳障りな音を残し、その体は地に沈んだ。

真紅の貫手が喉を貫いている。完全には絶命せず、ぴくぴくと動くブロッケン改には目もくれないで男は歩む。

 

「な…貴様、出来るな…!」

 

右腕にこびり付いた血を振り払い、男は…輝刃(シスコン)は漸く口を開いた。

 

「テメェがシルを、傷つけたのかぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

最も大切な存在…最も失いたくない存在を傷つけられ、セブンの怒りはとうに臨界点を超えていた。

 

叫びと共に、惨劇の幕が上がる…。

 

 

 




次回こそシスコンの本領発揮!!

第2回アンケートの結果を活動報告に載せておきました。沢山の方のご協力、本当にありがとうございました!

リメイクしたとして、どの時期のセブンが見たい?

  • 5姉弟時代
  • 6姉弟〜レオ指導時代
  • メビウス時代
  • ゼロ誕生以降、ベテラン時代

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