そうして彼らの思いは交錯し、運命は分かたれる《完結》 作:神崎奏河
ちょっとした間奏ですが、お楽しみ頂けれぱ嬉しいです!
ずっと一人だった。
姉がいるけれど、そんなことは関係ない。
私はずっと一人だったのだ。
だから強くなろうとした。
一人でも負けないように。
自分の正義を貫くために。
ただ一人、気高く。
でも姉は背中を追いかけているだけと言って、私の歩んだ道を断罪した。
まともに反論できなかったのは、どこかでその通りだという自覚があったからだろう。
そんな時、彼と彼女が硬質のドアを開けた。
とても不器用だけど素敵な彼。
とても明るくて優しい彼女。
そんな二人と一緒に、奉仕部として、友人としてたくさんの時間を共に過ごした。
色々な事があったけれど、三人で過ごす時間は嫌いじゃなかった。どこかで失いたくないと思っていたから、大切に抱きしめていた。
彼と彼女の優しさに触れていると、自分は強くなくても良い、一人で頑張らなくてもいい。そういう錯覚に陥ってしまう。
他人を頼ることを、こんなにも真剣に相手から願われたのは初めてだったから。
三人で過ごす時間はとても素敵だった。
でもそんな素晴らしい時間は容赦なく過ぎて。
私たちを結びつけてきた高校、奉仕部という存在が消える。
友人関係が消える訳ではないが、私たちが目を背け、先送りしてきた問いの答えを出さないといけない。逃げることは許されない。
私はこれからどう歩むべきなのか。
彼女が彼に好意を寄せているのは知っている。
私は彼と、彼女に何度も救われた。
楽しい時間も辛い時間も共有しようとして、出来る限り理解しようとしてくれた。
彼も今まで慕ってくれた彼女の思いに応えたいと思っているはずだ。今までの行動からそれは容易に窺い知れた。
だがいまだに二の足を踏んでいるのは、きっと私のことを気にしているから…
自惚れかもしれないが、間違いないだろう。
だって彼は優しいから。
私たちの間に生まれた「きずな」と呼べるものが、彼の「ほだし」になってほしくない。
私はもう十分。
次は私が彼、彼女を救う番だろう。
そう、奉仕部の部長として私が最後になすべきことは…
式前に彼に話した時は緊張からだろうか、胸の動機が高まってしまった。
次は冷静に成し遂げてみせる。
そう決意して行き慣れた教室のドアを開く。
教室はすでに片付けてあり、全てが始まったあの日と似た光景が広がっている。ティーカップと湯呑みが並ぶ、あの温かい光景はもうすでにない。
何もない、閑散とした部屋。
空っぽで虚ろな部屋。
終わりには相応しい舞台ね。
思わずそう自嘲してしまう。
ドアを後ろ手に閉め、ゆっくりと中へと入る。
入ったばかりで暖房をつけていない教室はまだ寒く、私の手は小刻みに震えていた。
ここで少し間奏を入れたいと思いまして、投稿させて頂きました!
本編の続きをそのまま投稿するのも良いのですが、こういうのも良いかなって(*´ω`*)
え、Interludeに影響されただろ!ですか?
やだなぁ、そんなことないじゃないですか!(目そらし)
本編の続きは近いうちに投稿できると思います ( ̄^ ̄ゞ
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m