それぞれの戦う理由   作:ふぃりっぷす

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来月から1ヶ月更新できないので、ペースを上げたいところ...


玉狛支部

【春日雄也・玉狛支部】

 

ランク戦も終わり、家路に着くと一人と一匹が出迎えてくれた。

 

「ゆうや、かえったか……」

 

我が家でもある玉狛支部が誇るお子さま、林藤陽太郎とそのペットのカビバラ、雷神丸。

 

陽太郎はいつものように雷神丸の背中に乗りどら焼きを食べていた。

 

「ただいま、陽太郎。晩飯近いんだからどら焼きはやめとけ。またご飯食べきれなくなるぞ?」

 

「ふっ、あまいなゆうや。おれのいぶくろはひびしんかをつづけている」

 

「ほぅ、言ったな? じゃあ今日はちゃんと米一粒残さず食えよ?」

 

「あさめしまえだな」

 

こないだもそんなこと言って残してただろ……。

 

「まったく……。疲れたしちょっと寝てるから、飯の準備ができたら起こしに来てくれ」

 

「まかせておけ」

 

目をキラリと光らせる陽太郎の頭を撫で、そのまま2階の自室のドアを開けた。

 

部屋に入ると、肩にかけた荷物を机の上に、ペンダントを枕元に置き、そのままベッドの上で横になった。

 

――ひどく疲れたが、同時に高揚感もあった。

 

今までは清隆と二人でやってきたが、どうしてもA級の壁と言うやつを越えられなかった。……まぁ昇格戦の相手が悪かったってのもあるけど。

 

だが、今期は諒もランク戦に参加してくれたおかげでかなり戦力も上がり、A級昇格についてもある程度目処が立ったと言える。

 

清隆や美奈ちゃんからしたら万々歳だろうな。2人は家のこともあるから固定給が入る身分になれれば大喜びだろう。

 

諒にしても昇格戦では今まで以上に手強い相手と戦えるだろうし、A級に上がればその機会も増える。どうでもいいとは言っていたが、今頃笑いながら素振りでもしているだろう。

 

俺も――まぁA級そのものにはあまり固執はしていないが……ここまできたらやるしかないな。

 

でも、今は……眠いから飯まで寝ていよう……正直疲れた……。

 

そして俺は徐々に眠りに着いていった。

 

………

 

……

 

「……さい……」

 

 

「…きなさいって……」

 

 

 

 

「起きなさいって言ってるでしょうが!!!」

 

突如馬鹿でかい声が耳を劈き、同時に首を締めつけられる感覚と頭部に強烈な衝撃を何度も受けた。

 

「!!!!????!!!??? がっ……ぐ……息、が……き、桐絵……ギブ、ギブ……」

 

気付けば桐絵に裸絞めの要領で首を絞められながら、何度も頭に拳を振り下ろされていた。

 

陽太郎が起こしに来てくれるのかと思っていたが、俺の意識を覚醒させたのは桐絵からの、目覚ましには必要以上すぎる暴力だった。

 

「やっと起きたわね。ご飯だって何度起こしても起きやしないんだから」

 

「二度と目覚めることがなくなるところだったんだが!?」

 

「死んでないんだからいいじゃない。ほら、早く下降りるわよ」

 

「はいはい……」

 

痛む首を押さえながら桐絵の後を追い1階まで下りると、玉狛隊の中心であり、俺の師でもある木崎レイジがちょうど晩飯の支度を済ませようとしているところだった。

 

陽太郎は目を光らせながら箸を手に持ち、すでに戦闘体勢に入っている。宇佐美は確か今本部に行っているからいないはずだし、京介はバイト、ゆりさんやクローニンさんはどっかにスカウトに行ってるから留守。迅さんは……最近あんまり見ないけどまぁどっかでなんか暗躍してるんだろう。

 

だが、今日は外出してないはずの林藤さんがまだ来てないな……まぁこっちは大方食事前の一服でも決め込んでるんだろう。

 

「起きたか。メシの準備もうすぐ終わるぞ」

 

「おはようございます、レイジさん。何か手伝います?」

 

「大丈夫だ。席についててくれ」

 

「了解です」

 

席に着くと同時に最後の一人が到着した。

 

「おっ、なんだ。俺が一番最後か」

 

「遅いわよ支部長(ボス)」

 

うっすらとタバコの臭いを漂わせながら、玉狛支部の支部長、林藤匠が部屋に入ってきた。

 

「悪ぃ悪ぃ。よう、雄也。ランク戦の結果はどうだったんだ?」

 

「もちろん勝ちましたよ。B級1位です」

 

「おっ、A級の挑戦権獲得か。今度こそ昇格できるといいな」

 

「はい。まぁどうにか上がってみせますよ」

 

「当たり前じゃない。誰がアンタを鍛えたと思ってんの? 今までに昇格できてないってのがおかしいのよ」

 

おー、なんか偉そうなやつがいるなー。

 

「はいはい、桐絵には感謝してますよー」

 

とりあえずてきとーに返しとこう。

 

「なんかムカつく言い方ね……まったく、アンタも私たちと一緒に組めばとっくの昔にA級だったのに」

 

「まぁそれはそれでよかったのかもしれないけど、誘われちゃったものは仕方ないし、今の面子に十分満足してるし問題ないかな。それに今の面子ならここの部隊とだっていい勝負できるはずだし」

 

「ふーん。まぁいいわ。そのうち相手してあげるわ。さて、ご飯の準備できたみたいだし食べるわよ」

 

「そうだな、食おう食おう」

 

気付けばテーブルの上には晩飯が並んでいた。

 

肉が多めの野菜炒め、味噌汁、ご飯。うん、美味そうだ。

 

そして俺はレイジさんの作った晩御飯で腹を満たして一日を終えた。




しばらくは設定補完の日常展開が続きますが、お付き合いいただけると幸いです。
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