俺の幼馴染はコミュ力お化け   作:有象無象

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第25話 想定外は想定できないから想定外

俺ね。もっとこう、激戦になると思ってたんだよ?

 

なんだこのさっくりな感じは。

 

経過を説明すると、まず俺のチームはカルナとアルジュナの戦いを見守っていた。ここにいる面子は皆決闘という物を良く理解し、尊重する面子だったから。

 

ちなみに、結果はカルナの勝ちだった。しかし、負けたはずのアルジュナはどことなく満ち足りた顔をしていた。そういえば、アルジュナはマハーバーラタにおいて、神々によって力を削がれたカルナと戦い勝利を授けられたわけだから、英霊の立場とはいえ、戦士として全力に近いカルナと戦えたのが、嬉しかったのかな?

なんにせよ、これでアルジュナを倒せる。というところで、カルナがクーフーリン・オルタの不意打ちによって倒された。

そして、水を差されたアルジュナはそれを不服として離脱。そのまま、クーフーリン・オルタと俺達の戦闘に突入した。

 

でもね、これ、想定内なの。

 

いや、カルナがやられたのは想定外だったし、痛かったけどさ。向こうはアルジュナ失ってるからね?

 

クーフーリン・オルタがここに現れることは想定してた。何せ俺のチームは騎士王五人とネロ帝、カルナ、ラーマの超攻撃型パーティーなのだ。誰だって俺が本命だと思う。クー・フーリン・オルタの性格上、攻撃は攻撃で叩き潰すと思っていたから、ここに来ると予想していた。

 

だから、これ幸いとネロ帝にお願いして、宝具たる黄金劇場で、俺達ごと閉じ込めてもらった。

 

クー・フーリン・オルタは俺達が攻撃の要だと思っただろうけど。本当は俺達が足止めなんだよ。いや、わかっていても戦力が集中しすぎて無視できなかったのかもしれない。ただでさえ、ロビンフッドとアパッチ族の皆様の活躍で北部人員が六割削られたんだ。雑兵を当てるのも難しかったろうし。

 

作戦の実行から数時間。なんにせよ、これで

 

アルジュナ離脱。

アイツのチームはほぼストレスフリーで本拠地に到達。

そして、クー・フーリンのオルタが罠にはまってる。

 

これほどの戦果が上がったのだ。

 

今きた北部の部隊からの連絡によると北部はベオウルフが投入されて、ほぼ均衡状態となったとはいえ、戦力に余裕はあるらしい。

 

素人考えの作戦にしては上手くいったというレベルではない。作戦がうまく行きすぎてる。と思うぐらいだ。

 

いや、ある意味当然かもしれない。

 

だって。このチーム編成、俺と歴戦の戦士たちによって練られたいくつかある作戦と、それのためのチーム編成パターンの中から騎士王達の直感で上手く行くと思ったやつを選んでもらったからね。

上手くいって貰わないと困る。

 

 

で、今。戦闘開始から早くも小一時間経っているが激しさを増していくばかりだ。いや、待ってこの人強すぎない?!

色物ばかりとはいえ、カルデアの誇る屈指の戦力である騎士王連中と、現地サーヴァントでも指折りの武闘派相手に、しかも黄金劇場で力を削がれてなお渡り合ってんだけど?!

なんならこっちがむしろ押されてんだけど?!なんなのこの人、どんどん強くなってるんだけど?!姿どんどん変わってくんだけど?!

 

護衛として側についているリリィ、がマスター、もっと下がりましょうと進言してくるのだけど、いやまって、ここ最後列なの!やめて!それ以上押し込まれたら、壁にめり込む!

 

くそ!かなり時間は稼げてるけどアイツはどうなったんだ!黄金劇場の中じゃ通信も思うように行かない!

 

「む!すまぬ!これ以上はもたん!」

 

え?ネロ帝?まさか、この状況で?黄金劇場とけるの?

 

確認する間もなく黄金劇場が消えた。ただでさえ強いクー・フーリン・オルタがより強くなって再登場だ。

嬉しくない。

しかもなんだろうこの嫌な感じがする、まるで魔神柱がいるような。

 

「この感じは、チッ!あの女逝ったか」

 

あ、通信が繋がった。え?メイヴは撃破したけどすんでのところで二十八人の怪物になぞらえて魔神柱を召喚した?しかも28本?まじかよ。

で?聖杯は?え?なかった?

 

まさか?と思ってクー・フーリン・オルタを見る。手元にいつの間にか見慣れた聖杯が抱えられていて。

 

お前がもってたのかよ!そりゃ強いわ!姿もより最適化されて変化もするわ!

 

メイヴ死んだのにまだやるの?何で殺意マックスなの?

 

え?メイヴの心意気に答えて死力を尽くす?何それカッコいい。けどやめてほしいかな?

 

ん?通信の続き?こっちに助っ人に行く?それはありがたいし嬉しいけどさ。

 

お前は北部向かって。こっちは俺がなんとかするから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香side─

 

お前は北部向かって。こっちは俺がなんとかするから。

 

あいつからの通信に、心底驚いた。アルテラであんなに怯えていたあいつが、そんなことをいうと思わなかったから。聖杯入りクーフーリン・オルタとか言う怪物相手に増援を断った。声震えてるけど。

 

わかったよ。そこまでいうなら。北部に向かうね。

 

最後にそう伝えて、通信を切った。

 

私が戻るまで死なないでよ!

 

 

 

 

 

 

 

─秋人side─

 

わかったよ。そこまでいうなら。北部に向かうね。

 

アイツはそう言って通信を切った。アイツは、俺を信頼してここを任せた。それに、アイツはアイツはの仕事。メイヴ暗殺をやりとげた。

 

なら俺も、俺の仕事をやり遂げよう。

 

クーフーリン・オルタは必ずここで、俺達が仕留める。

 

 

 

 

 

という訳で、作戦を思い付いたんだけど皆。

 

令呪でブーストするから。突っ込んで仕留めてくれる?

 

滅茶苦茶言ってるのはわかるけど、俺を信じて託して欲しいんだ。

 

やってくれるの?自分で言っといてなんだけど、俺ならふざけるなってぶん殴ってるよ?

 

えっちゃん?私は貴方の剣ですから、思うように振るってください?

皆も同じ気持ちなのか?そっか。ありがとう。

 

令呪をもって命ずる!一気に攻めて敵を斬れ!

 

すべての令呪を魔力リソースとして捧げ、アルトリアズをブーストする。

 

作戦開始だ。

 

作戦にしたがって突撃するアルトリアズを迎撃せんと繰り出される槍。しかし、それらを一人一撃ずつ迎撃する。

 

最後にえっちゃんがクーフーリン・オルタの眼前に迫る。防御など考えもしていないえっちゃんに、クーフーリン・オルタもまた全力をもって叩き落とそうと槍を振り上げた。しかし、その槍が振り下ろされることはなかった。

 

なぜなら、体が一瞬。前触れもなく硬直したからだ。ほんの一瞬。しかし、歴戦のヴィランたるえっちゃんには、そのほんの一瞬で十分だった。

 

クーフーリン・オルタの無防備な懐に潜り込んだえっちゃんの宝具が展開される。

 

ゼロ距離から撃ち込まれた『黒竜双剋勝利剣』は見事にクーフーリン・オルタを貫いた。

 

 

 

 

 

 

 




えっちゃんを膝に乗せてこたつでグータラしながら、和菓子シュレッダーにしたかった正月。
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