「おじいちゃんの作ったマジンガーは無敵なんだ!」
「うるさい! いいから手伝わんか!」
「いやいやいやいや、作ってもらうからこそ価値があるんやで」
「お前がめちゃくちゃ言うから忙しくなったんじゃろうが! いいから手伝え!」
最近、ザボエラおじいちゃんとイチャイチャしてるのが1日の大体の過ごし方となってますポップです。まあ、それはいいんだけどこっちに来て最初にぶち当たった壁があったんだよね。
食事。マジでまずいわ。人間の舌に合うように作れよ。後、まだ人間辞めてないから俺に出しちゃいけない肉出すな。本気でしばいといたけど。まったくヒュンケル良くこんなとこで生きていけるわと考え、そういやヒュンケルどうしてんだろと思いピョコピョコヒュンケルの元へ顔を出した。めっちゃ修行してた。でも空気読まず邪魔する事にした。
「ようヒュンケル」
「ポップか……。魔の森以来だな」
「ああ、俺も魔王軍入りしたんで宜しくな」
「フッ……」
相変わらず格好つけたニヒルな笑いをする奴だぜ。死ね。じゃなかった聞きたい事あるんだった。
「なあヒュンケルよ、ここ飯まずくない?」
「……慣れた」
「マジかよ。慣れんなよ。改良しろよ」
「……郷に入れば郷に従えと言うだろう」
「いやいやいやいや、人間考えるの辞めたら終わりだよ? 思考の放棄は駄目だって。こんなクソまずいもん食べてやってられないって。なんとかしようぜ」
「……俺は別に今のままで構わん」
ヒュンケルはそう言うと再び剣を握り修行を再開した。こいつに言っても無駄だった。しょうがない。人間の料理人を連れてこよう。チョロそうな奴にしよう。そう考えパプニカへルーラで飛んで行った。
パプニカの街中をうろうろしていると、チョロい賢者……じゃなかったパプニカ三賢者の一人であるエイミを見つけた。さっそくヒュンケルにモシャスして近づいたら、なんか顔赤らめてやんの。
「な、何かしら」
「……俺の名はヒュンケル」
「な!? 貴方が姉さんを困らせてる!?」
「それは誤解なんだ。いや、それはもうどうでもいい。貴女の名前を教えて欲しい」
「わ、私? エイミだけど……」
「エイミ!」
ガッと勢いに任せエイミの両肩を掴む。ぐっと顔を近付けてもこいつ拒絶しないでやんの。これがイケメンの力か。あいつ死なねえかな。
「俺に毎日料理を作ってくれないか!」
「え……いきなりそんか事言われても……私も立場や仕事が……」
なんだかんだ言いながらも離れようとはしないエイミ。イケる。こいつエロゲのヒロインよりチョロインだぞ。
「君にも立場があるのは分かった。だが、そんなの関係無い! 俺は君が欲しいんだ!」
「は、はい……」
「よし、ルーラ」
「え……えええ~!!!」
こうしてパプニカ三賢者改め魔王軍料理長エイミが誕生した。ヒュンケルも飯が美味くなってなんとなく嬉しそうだった。二人の仲を取り持つなんて、俺の口車があれば余裕なんやで。と言うわけで二人は割りと良い仲になった。そして二人の夜の秘め事はザボエラと作ったミニ悪魔の目玉でバッチリ録画した。
そのうちバレるだろうって?バレてなんか問題でも?