仕事の出来るエリートヘッドハンティングマンであるポップはパプニカ王国へ三賢者を引き抜いた事のアフターフォローを決して忘れない。
"エイミは頂いた。年増のマリンはいりません。 byヒュンケル"
と書いた手紙と共にミニ悪魔の目玉に録画した動画を同封して送っておいた。ちゃんと良い子は見ちゃ駄目だよって書いたから大丈夫だろう。これでヒュンケルの股間の鎧(笑)の魔剣も王族へ大公開されたね。気になって後日、一応姫の家庭教師してたからパプニカ王城へひょいっと顔を出したら、マリンが暗黒闘気に目覚めて体から日常的に駄々漏れしてた。草生えるわマジで。
もう三賢者じゃなくて二賢者だねってプークスクスと笑いながら言ったら、なんか城で会議が行われたらしく臨時で俺が三賢者(仮)になった。なんでや。パプニカから出せや。この国の人間じゃないぞ俺。まあ週一で顔を出せばいいからとか、仕事は姫に魔法を教えるだけでいいけどたまにマリンの暴走を止めてとか、給金は弾むとか言われたから仕方なく引き受けた。これで俺はアバンの使徒にしてマトリフとブロキーナの弟子であり魔の森ヘビー級V12王者のKOPでありながら魔王軍幹部(候補)にしてパプニカ三賢者(仮)となった。なんだこれ。肩書き多すぎ。
週一か。魔の森も週一で行ってプロレスやんなくちゃいけないからなあ面倒臭い。実はロモスにも月一で行かなくちゃいけないんだよなあ。偽勇者一行を意味もなくしばき倒して、月に一回上納金を納めさせてるから。バーン様にパプニカ王国の重鎮になったから週一で顔を出す事になったって報告したら、薄布越しだけど「何言ってんだコイツ……」みたいな空気をバシバシ感じました。正直、言ってる俺も何言ってるかよく分かってなかったのでセーフだと思います。
偽勇者達がやっと儲け話見つけてきて、モンスター島にゴールデンメタルスライムって奴がいて捕まえてきたらロモス王から沢山金貰えるはずだから上納金ちょっとだけ待ってくれとか言ってきた。
ん? それ読み切りの奴やんけ。原作始まるの? マジで? まあいいや。上納金びた一文まけないからさっさと宜しくと言っといたから多分急いでデルムリン島に行くだろう。俺? 無視だよそんなイベント。面倒臭いわ。
そんな事より最近のマイブームはハナタレ魔王ことハドラー様で遊ぶ事ですわ。なんか禁呪法でエネルギー岩石生命体を作るとか言ってたので今日は隅っこで見学してます。絶対に邪魔するなよと何度も何度も念を押されました。そんなに言われると、ちゃんと空気読むよ俺。儀式をじーっと見守っていると、何かに気付いたハドラー様が俺に声を掛けてきた。
「……おいポップ。貴様あの魔法陣の隅に置かれている魔法書を知っているか」
「ん? あーあれ? パルプンテの書だけど?」
「な、なんだと!?」
「いやー混ぜたら面白いかなーと思って」
「き、貴様……もう術式は展開されておるというのになんて事を」
「いいからいいからーテリーを信じてー」
「テリーとは誰だ! くそ、出ていけと言っても出ていかないと思ったらこいつは……!」
なんかハドラー様がすごい文句言ってる。でも文句言ってるだけなのは、一度ハドラー様しばいたからだね。正直、初期ハドラー様なんて今の俺でも余裕なんだよなあ。
「く、今さら止められん……!」
「お、魔法陣からピカーと光が出だした」
「ちぃ、成功してくれ……よ……」
「「あっ」」
ボフっと魔法陣から煙幕と共に、一人の女の子が現れた。どうやらパルプンテの書のおかげでバグったらしい。どうみてもブラックロックシューターな外見をしている。エネルギー岩石生命体……だ、大体合ってるんじゃないかな? 片目炎だし。炎だけど青いし。ロックだし。名前はフレイザードになったけど、お前が責任持って面倒見ろと押し付けられた。責任取れって……嫁にしろって事かな?
タグ付けすぎて増やせないので黒岩さんのタグが付けられない。