【完結】ポップになりました   作:しらいし

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25.オリハルコンの駒が恐怖に震えている

 ベンガーナ、GETだぜ!

 

 テランがある程度落ち着いたのでベンガーナ貰っとこうとひょいひょいやってきたんだぜ。住民から大歓迎を受けたんだぜ。いやー、新聞全社買収して、連日キングダムオブポップの素晴らしさや新連載にして大人気記事である勇者でろりんの共存最高! を始めたり(もちろん全部捏造)、イケメン魔族ラーハルトのグラビア特集とか、商人買収してキングダムオブポップめっちゃ良いところって噂を国中に時間掛けて広めさせたのが功を奏した模様だぜ。

 

 勿論、うちとの戦で負傷したり死んだ兵の家族には恨まれているが、そういった連中はマリンが組織したと噂の暗黒組という反共存及び怨ヒュンケル連合組織が取り込んでいっているらしい。まじかよ那珂ちゃんのファン辞めます。お前パプニカどうしたんだよ。まあこちらとしてもそういった連中が一箇所に固まっていてくれたほうが対処しやすいので今のところ放置している。それに全社買収した一社だけは反共存を詠わせてるしね。反共存派の情報はそっちから集めてるんだぞ。表現や報道の自由? 何それ美味しいの?

 

 と言うわけでもっとやれ。情報戦は完全に頂いているので余裕余裕。プロパガンダ万歳。反共存派は全部そっちへ行ってどうぞ。理想は共存派のトップと反共存派のトップ、両方うちでやりたいがそこまでは面倒なので、そっちの組織の頭は今みたいに頭が固いほうが思考が読みやすいから変わらないでね。まるでどっかの国の政党みたいおっと誰か来たようだ。

 

 

 住民が共存を受け入れてくれたら後は簡単です。王族纏めてOHANASHIして隠居して頂くだけの簡単なお仕事です。という訳でここベンガーナはもう今までのベンガーナではありません。でも国名はそのままにしときます。属国という事にしてKOPにプレミアム感を出していきます。みんな大好きやろ? 限定とかプレミアム感とか。

 

 

 

「楽勝だったぜベンガーナ……」

「相変わらず回りくどい上に面倒臭いのう」

「いやいやザボエラおじいちゃん。魔族に頭下げる人間を見て痛快に思ってる奴もいるしええやん。だいたい面倒事はほとんど俺がやってるしいいじゃない。あ、そういやバーン……様から褒美出たんだよ」

「ほう、一体なんじゃ?」

「オリハルコン製のチェスの駒。禁呪で使えってさ」

「ふむ、いつやるんじゃ?」

「いや売ってフレイザードちゃんにプレゼント買おうかなぁと」

 

 オリハルコン製の駒達は脅えている!

 

「それならオリハルコンを溶かして作り直したほうが良いものが出来るのではないか?」

「……確かに!」

 

 オリハルコン製の駒達は恐怖で震えている!!

 

「まぁ、バーン様から頂いたものなら素直に禁呪を使う材料にしたほうが良いと思うがのう」

「えー……面倒臭い……」

 

 オリハルコン製の駒達は抗議している!

 

「禁呪ねえ……またパルプンテの書とか適当に混ぜるかなあ。……ネギとか混ぜたら何が出てくるかな。後は……ハドラーでも混ぜる?」

「お主は……。ふん、まっそれはいいが、お主もうちょっとフレイザードちゃんに頼み事や仕事振ったほうが良いぞ?」

「……あー、やっぱり? でもなあ……」

「この間、わしの所で愚痴っておったわい。わしも人の事は言えんがのう。……汚い事をさせたくないのも戦わせたくないのも分かるが、信用されてないと思っておる。そのうち暴走するぞ」

「まぁ……うん、分かってるんだけどさ」

 

 

 

「ポップ」

 

 ベンガーナ城内でザボエラおじいちゃんと話していたら、その話の種であるフレイザードちゃんがレオナ姫と共にやってきた。……傷だらけで。足取りこそしっかりしているものの全身ボロボロである。一瞬でポップの思考が切り替わった。なんでレオナがとかそんなもの全部どうでも良かった。フレイザードちゃんがボロボロなのが問題である。

 

「よしパプニカを跡形も無く滅ぼそう」

「ポップ、話を聞いて」

「お、おう?」

 

 フレイザードちゃんが真っ直ぐな目を俺に向け、俺の行動を制した。フレイザードちゃんの視線に思わず飲み込まれてしまう。こんなに力強い視線をする娘だったかな。僅かな間に、フレイザードちゃんが大きく成長したように感じた。何があったし。

 

「……パプニカは、聖女フレイザードの誓いの旗の元へ、魔王軍の元へ下ります。それを貴方へ伝えに参りました。魔王ポップ」

「ふぁっ!? ……ほんと何したのさフレイザードちゃん」

「なんでも無いよ、なんでも」

 

 だからなんで魔王やねんレオナまでさぁ、と今それはどうでもいい。ていうか聖女って何!? 何があって何してたのフレイザードちゃん。でもなんでも無いよと笑うフレイザードちゃんのすっきりした笑顔を見ると、何も言えなくなった。きっとフレイザードちゃんは何かをやり遂げたんだと思った。だからとりあえずフレイザードの頭を撫でながら言った。

 

「……そっか、よくやったねフレイザードちゃん」

「うん!」

 

 

 フレイザードちゃんの満面の笑みは天使だったので、全部どうでもよくなりました。




書き貯めてストックしてた分がこの話まで……

次の話難産してるので投下するの何日か掛かるかも知れません。
何回か消して書いて繰り返し中なんです。
楽しみにしてくれている方いらっしゃったら申し訳ないねえでゲス。

多分次の話いつもより長めです。それ終わったら完結まで突っ走れそうです。いつも感想感謝です。評価して下さった方々ありがとうございます。完結の目処が立ちほっとしとります。

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