【完結】ポップになりました   作:しらいし

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31.おじいちゃんの作ったマジンガーは無敵なんだ!

「ふははははははは! 見ろ! 人がゴミのようだ! 踏みにじれ! 矮小な人間どもにマジンガー鬼岩城の強さを知らしめるのだ! ふははははははは!」

「……調子に乗っておるのう」

「えー? そこは製作者として同じくノリノリでいく所じゃないのザボエラおじいちゃん」

「ふん、こっちはお主に言われてアレを作るので忙しくてあまり寝れなかったんじゃぞ」

「だって丁度良い動力確保出来たし……お? よし、そこだ! ルストハリケーンだ!」

 

 

 マジンガー鬼岩城の口元に当たる部分から強烈な風がオーザムの兵士に襲いかかる! ちなみにルストハリケーン=獣王痛根撃である。クロコダインめっちゃ働かされてる。

 

 我らが魔王軍は魔王軍一武道会で無駄に上がりまくった士気を発散すべく、オーザムへ侵攻を開始した。もう無理ですごめんなさいと言わせるべく、恐怖の象徴も必要だろうと思ってマジンガー鬼岩城も出撃させた。ぶっちゃけ全国規模で放送した魔王軍一武道会を見たオーザム連中の士気は最低である。バラン対フレイザードちゃんの戦い見てたらそうなるわね。しゃーない。

 

 士気が最高レベルな上に超兵器を持ち出した魔王軍とはなっから士気が最低なオーザム軍。しかしオーザムの上層部は抗戦を選んだ。だって上の連中割りと私利私欲と個人の恨みで動いてた連中だもの。ようはクソである。そんな奴等の命令で戦わされるオーザムの兵士。原作通り死滅してしまうのであろうか? そんな事は我らがフレイザードちゃんがさせません。傷ついた敵兵に回復呪文をかけ、降伏の意思を確認し、次から次に捕虜として受け入れる作業をしています。天使の笑顔に皆次々に降伏していきます。傷つけて回復させるマッチポンプではあるが、降伏したベンガーナの人間達が王族を除き何の害も無く迫害もされず普通に生活しているという情報がまわっていて、降伏する事にオーザム兵の躊躇はまったくない。むしろ聖女の笑顔を見れてご褒美と言ってもいい。

 

 

「ふははははははは! いけえいマジンガーよ! 憎き人間共を討ち滅ぼすのだあああ!」

「やれやれ、滅ぼす気など毛頭もない癖に……ん?」

 

 

 マジンガー鬼岩城の正面に一筋の光が立ち上った。数十メートルはあろうかという巨大な光の柱。

 

 

「ノオオオザングランブレエエエエドオオオオオオ!!!」

「は?」

 

 

 斬。

 

 

 マジンガー鬼岩城が真っ二つに切り裂かれた。ダイの剣装備したダイ並みの威力? いや、このマジンガー鬼岩城の装甲はキラーマシンの装甲の表面にメタルスライムと同等の金属を塗布した超合金Zで出来ているというのに。ていうか頭に乗って操縦してるミストとか乗ってる俺らとか……まず……

 

 

 落下。

 

 

「ぎゃあああああぁぁぁぁぁ……」

 

 

 ぐしゃ。俺だけ落ちた。動揺でトベルーラ使えなかった。ミストやザボエラはともかくクロコダインは飛べないだろうがって思ったけどガルーダがクロコダインの肩掴んでた。咄嗟に動けなかったの俺だけでやんの。

 

 

「魔王ポップ! 北の勇者ノヴァが貴様に一騎打ちを申し込む!」

「は? なんでこっちが圧倒的優勢なのに一騎打ちなんてしてやらないといけないんだよ」

「あの鉄の巨人は僕が倒した! 後は貴様だ!」

「あー、確かに凄い大技だったね。……あと何発撃てるのあれ」

「ふん、貴様を倒すのにあれは不要だ!」

「じゃあもう撃てないんだな? そりゃあ残念。いけえええ! サンダーブレークだあああ!」

 

 

 マジンガー鬼岩城を真っ二つにしたノヴァがポップに挑戦状を叩きつけるも、ポップが勝ち誇った顔で指示を出した。一拍の間をおき、雷光が走りポップとノヴァの間に衝撃が落ちる。その光、ギガデイン。

 

 

「な、な、な、なんだとおおおお!!?」

 

 

 ノヴァが驚愕する。鋼鉄の巨人おかわり。グレートマジンガー鬼岩城が現れた。ポップがザボエラに無理させてたのはこれ。武道会の裏でせっせと作らせていたのだ。マジンガーの動力が爆弾岩なのに対し、グレートの動力は黒の核晶。本来ハドラーに埋め込まれる予定だったものを、ザボエラがポップに「これ埋める?」と問い、「いや、バーンの魔力起爆を解除して動力に使おうぜ」と横領したのである。ハドラーの体内には代わりに馬糞がいれてあります。バーンが魔力を込めると馬糞が爆発します。だからなんだよ、臭えよって変な空気になること間違いなし。なんで入れたのかな? 丁度入ったからだよ!

 

 

「くっ、ならばこの生命の輝き、もう一度見るがいい! はあああああ!!! ノオオオザングランブレエエエエエドオオオオオ!!!」

 

 

 ………

 

 

 斬れませんでした。ノヴァの闘気全開でいっても駄目でした。つっても闘気残りっカスだったけど。

 

 

「きしゃしゃしゃしゃしゃしゃ! このグレートマジンガー鬼岩城はなあ! 全身はぐれメタル装甲で、いわば超合金ニューZで出来ているのだ! 加えて! 操縦は竜の騎士! 貴様ごときの闘気が竜闘気に勝てるはずがないだろが! はーっはっはっはっはっは!」

「くっ、くそ、なんて奴だ。こんな奴に負けるわけには……!」

 

 

 まるでザボエラのような気持ち悪い声で勝ち誇るポップ。作ったのお前じゃねえよ。

 

 

「ノヴァ! 大丈夫!?」

「マリンか!」

 

 

 ザッと並び立つノヴァとマリン。……ん? これ一騎打ちですら無いよ? ていうかやる気なの? なんなのお前ら。お前ら一応オーザムのボスキャラやろ。そんなに簡単に前線出るなし。人の事言えないけど。あ、俺が魔王だからボスキャラなのか。

 

 

「こちらが不利であっても! 貴様さえ倒せば!」

「いくわよノヴァ!」

「おう!」

 

 

 あー、魔王軍側が静観する姿勢に入った。駄目なんだよ。こっち側どうも一騎打ちとか、戦いの邪魔しない騎士道精神が芽生えてる奴多いんだよ。ていうか二対一やぞ。誰か邪魔してどうぞ。


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