「大丈夫?」
のび太は少女をおんぶしながら歩く。
「うん、ありがとう。」
先程の騒ぎでボロボロになった少女。
「だからやめた方がいいって言ったのに。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「のび太さんっていつもこんな目にあってるの?」
「うん、まあ・・・・・。」
5人の肉食動物たちと暮らしているので、のび太の毎日はいつも命がけである。すると
「のび太さんの背中って、結構広いのね。」
「ああ、まあ僕も一応男だからね。畳二畳分ぐらいある。」
「そんなに背中広くてどうするのよ。それだと、あなた身長3メートルは超えるわよ?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「ふふっ、でもこうやって、毎日登下校はあなたの背中に乗るのも悪くは無いわね。」
「えっ?」
「冗談よ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
するとお互い自然に無言になる。
「またこうしておんぶしてもらって良い?」
「???」
「・・・・・・私、男の人におんぶなんてされたこと、今まで一度も無かったから・・・・・。」
「そうなの?」
「うん。ママたちにはされたことあったけど、パパには・・・」
「???」
「私のパパは、私が小さい頃に死んじゃったから・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「だからね、やっぱり少し不思議なの。」
「???」
「こうして今、あなたに会って当たり前のようにあなたに甘えてる自分のことが、本当にちょっと不思議に思うの。」
「・・・・・・・・・・。」
「だから今日、あなたに会えて良かった。」
「???」
少女の言葉にのび太は首をかしげる。
「君って一体、誰なの?」
「知りたい?」
「・・・・・・・・・うん。」
ギュウ
すると少女の腕に力がこもる。
「教えない♡」
「え〜っ、何だよ、それ!」
少女は笑みを浮かべる。
「大丈夫、あと数年後に分かることだから。」
「数年後?」
「うん。あっ、あれは・・・・・」
すると正面から見知った顔が歩いてくる。
「シェーレ、なにしてんの?」
のび太は小走りで彼女の元にやって来た。
「夕飯の買い物です。あっ、アカメ!どうしたんですか?」
シェーレは後ろにいる少女に視線を移す。
「あっ、シェーレ。この娘はアカメじゃなくて。」
「???」
すると少女はのび太の背中から飛び降りる。
「シェーレって・・・・もしかして先生?」
「???」
少女は興奮気味にシェーレを観察し始める。
「わあ〜、凄い!!!アルバムで見た通り!!」
「『アルバム?』」
少女の言葉にのび太たちは首を傾げる。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ