ドラえもん のび太のアカメが斬る！

第九章：大好きを斬る

「まったくのび太め・・・・・」

アカメは怒りながら部屋で裁縫をしていた。

「よし出来た！」

そう言うとアカメは出来上がった物を抱きしめる。

「自作ののび太人形だ！好きな人のマスコットを作るなんて乙女だろう。」

以前、のび太に男らしいと言われたことを気にしているアカメ。

「見ていろ、今に女らしくなってやる。」

そう言いいながらアカメは女らしくなると決心するのだが・・・・。












「また喧嘩したの？」

「私は悪くないぞ！」

学校から自宅謹慎を受けたアカメ。

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「女じゃなくていい・・・・・・。」

「？？？」

「あんなものを見過ごすくらいならいっそ男に生まれれば良かったんだ！」

アカメは、強い意志をもってそう言い放った。












考えてみればここに来てからのび太に迷惑ばかりかけている。・・・・・・・・私はここに来ちゃいけなかったかもしれない。









ここには私の居場所はないのか？

---

「アカメは一緒にいると安心する。男らしいとか、女らしいとか関係ないよ。僕は今のままのみんなが好きなんだ。」

「つまり、のび太さんはマ・・・・・アカメさんのことが大好きなんだね？」

「・・・・う、うん、大好きだよ？」」

「大、大、大好きなんだね？」

「んな・・・・そ、そうだよ！大、大、大好きだよ！」

すると少女はクスクスと笑い出す。

「？？？」

その様子にのび太は首を傾げる。

「だってさ、いい加減隠れてないで出ておいでよ！」

「？？？」

ガサゴソ

すると座っていたベンチの後ろの草むらから人影が

「アカメ？」

何故か顔を真っ赤にしたアカメが現れる。

（うっ・・・・・。しまった・・・・今の話を聞かれたのか・・・・。）

顔を真っ赤にして目を逸らす二人。

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

気まずい空気が周囲を囲む。少女は腕を伸ばす。

「ヤレヤレ、仲良しだこと・・・。」

「？？？」

「それじゃあ、私は帰るね！」

「えっ！？」

「！？」

「二人とも、一つだけ教えておくね。」

「『？？？』」

「あなたたちはこれから何度もつまづく。だけどそのたびに立ち直る強さももっている。帝国を救った時のように、真っ直ぐ、一歩づつ進んで。」

「ちょっと、待て！」

「君、名前は？」

慌てふためくアカメたちに少女は

「数年後に分かるよ！それじゃあ！！」

すると少女はどこに行ってしまった。

「・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・。」

残されたのは、呆然としたままののび太とアカメであった。

「・・・・一体、なんだった・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

（なんかあの娘、アカメに似てたな・・・・・）

（のび太に似ている・・・・）

のび太とアカメに似ている少女。彼女は一体何者なのだろうか？

「な、なあ、一つ聞いてもいいか・・・・」

「ダメ。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「ごめんなさい、嘘です。聞きます。聞かせてください。」

するとアカメは深呼吸すると

「これからも・・・・私はずっとお前の側にいていいのか？」

するとのび太は笑みを浮かべる。

「もちろん、そんなの僕の方から頼みたいぐらいだよ！」

その言葉にアカメの顔も自然と笑顔になる。

「ふふふ、そんなこと、お前は私に頼まなくても大丈夫だ。」

「？？？」

「私は・・『のびくん！！！！』！？」

すると突然後ろで声がした。振り向くとそこには

「翼ちゃん！？」

映画のロケで外国にいるはずの伊藤翼がやってきた。

「いつ帰ってきたの？」

「今よ。空港から直接ここに来たの！」

「そうなんだ。でも大丈夫？」

「何が？」

「トップアイドルがこんな所に来て。マスコミとか、カメラマンとか・・・・・」

「ああ、それなら大丈夫！」

「？？？」

「だって私・・・・・

　アイドルやめてきたから！！」