ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第二章:判決を斬る

太陽が沈み、窓の外は既に真っ暗。人っ子一人歩いていない。そんな中、ある教室では張り詰めた空気が部屋中を支配する。そしてついに裁判長が声を上げる。

 

「陪審員、判決を!!!」

 

五人の男子生徒たちが椅子から立ち上がると口を揃えて

 

「『「『「死刑!!!!」』」』」

 

と言い放った。満場一致でのび太の死刑が確定した。

 

カンカン

 

「判決!!!」

 

五時間の話し合いの末、裁判官の下した結論は

 

「被告人、野比のび太には死刑よりも恐ろしいジャイアンのリサイタルの刑を言い渡す!」

 

その言葉に陪審員たちは

 

「『「『「おおおおおおお!!!!」』」』」

 

と言いながら騒ぎ出し、顔色を変える。

 

「何て残酷な・・・・・・・」

 

「恐ろしい・・・・・・・・」

 

「あんなヘタクソな歌を半日も聞くなんて・・・・・」

 

「死んだ方がマシだよ・・・・・・」

 

「容赦ない・・・・・・」

 

「情けはないのか・・・・?」

 

「人間というのはここまで残酷になれるものなのか・・・・?」

 

「悪魔?・・・・・それとも神?」

 

全員ジャイアンの歌の恐ろしさは十分に知っている。それ故にこの判決がどんなに恐ろしいものなのかを瞬時に理解した。そしてそれと同時に被告人に哀れみの気持ちが湧き出す。

 

「それでは・・・・・罪人を・・・・・・あれ?」

 

全員部屋の中を見渡す。

 

「あれ?罪人はどこだ?」

 

のび太の姿が見当たらない。一体何処へ?すると陪審員の一人が声をあげる。

 

「裁判長、罪人は用事があるとのことで先に帰りました!!」

 

「なにーーーーーーーーーーーーーっ!!!!????」

 

「『「『「『なんだと!?』」』」』」

 

男子たちの叫びが校舎中に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその数分後、悪夢が彼らを襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{剛田家}

 

「タケシーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

女性はホウキを持ちながら少年を追いかけ、少年は頭を抑えながら必死で逃げる。

 

「こんな夜中まで何処ほっつき歩いてんだよ!!!」

 

バコン

 

バコン

 

「痛い!!!母ちゃん、やめて!!」

 

 

 

 

 

 

 

{骨川家}

 

「ママーーーーーーー!!!!!!!!許して、ママーーーーーー!!!!!!」

 

ドン

 

ドン

 

少年は泣きながら玄関のドアを叩く。

 

「夜遊びする子はうちの子じゃないざます!」

 

「ママーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

{源家}

 

「ママ。お願い、開けて!!!!!!」

 

ドン

 

ドン

 

少女は泣きながら玄関のドアを叩く。

 

「こんなに遅くまで遊んでる子はうちの子じゃありません!」

 

「ママ、ごめんなさーーーーーーい!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

この夜、少年少女たちの泣き叫ぶ声が消えることはなかった。

 

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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