「あの、すいません!」
「???」
廊下を歩いていたアカメに一人の少女が駆け寄ってくる。
「アカメさんですよね?」
「・・・・うん。」
アカメは首を縦にふる。
「実はおりいって頼みたいことがあるんですけど・・・・・」
「???」
【食堂】
「はい、のび太!あ〜ん!」
そう言いながらスプーンでよそったご飯を突き出してくるクロメ。
「のび太、こっちに口を開けて!」
今度は負けじと、チェルシーがウイナーが刺ささったフォークを突き出してくる。
「ちょっと、私が先でしょう!」
「違うよ、私だよ!」
そう言いながら火花を散らすチェルシーとクロメ。この光景も日常茶飯事、ただ今日はいつもと少し違う。
「あれ、アカメは?」
いつものび太の隣に座っているアカメの姿がない。
「どうしたんだろう?」
「トイレかな?」
食事の時間にアカメが遅れるなんて今までなかったこと。それ故にのび太は胸騒ぎを感じた。すると
〜♪
どこからともなく、音楽が流れくる。
「こんにちは、お昼の校内放送の時間です。」
いつものように放送されるお昼のニュース、と言っても内容は三組の田中くんがコンクールで優勝した、二組の鈴木さんの犬が子供を産んだなど、途方も無い事ばかりなのである。のび太はそんなことは気にも止めず席を立ち、アカメを探しにいこうとするが・・・
「今日のゲストは学園が誇る四大美女の一人、アカメさんです!」
「ぶっ・・・・・・・・・」
アナウンサーの言葉に全員使っていた箸を止める。
「今日は宜しくお願いします!」
「・・・・・・・よろしく。」
アカメの事が気になるのか、全生徒主に男子が放送の内容に耳を傾ける。
「アカメ・・・・・・大丈夫かな?」
そう言いながら心配そうに聞き耳を立てる彼女の婚約者。
「それでは、最初の質問です。アカメさんは家では普段どんなことをなさっているんですか?」
「私は家では炊事担当だ。だから朝食、夕食、弁当は私が作っている。」
「なるほど・・・・とても家庭的ですね。それでは次の質問です、どういう男性が好みなんですか?」
「よく分からない。ただ焼肉は、肉汁がしたたっているのがいいな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
その後も質問は続き、アカメはシンプルに答えていくが、いつの間にか話題が食物に変わっていた。
「それでは最後の質問です!あなたは野比のび太さんの事をどう思っていますか?」
「『「『!?』」』」
その質問に生徒たちだけでなく、のび太たちも聞き耳を立てる。
ゴクリ
食堂が静まり返り、皆が息を飲む。しばらく経つとアカメの口が開いた。
「私はのび太が好きだ。できればずっと一緒にいたい。」
「いきなりの大・胆・発・言!!!!!」
ガシャン
ガシャン
ガシャン
食堂のあっちこっちで茶碗が割れる音がした。
「も、もう少し具体的に!」
「・・・・・・・私の全てはのび太のもの、そしてのび太の全ては私のものだ。」
昨日見た恋愛ドラマの台詞をカッコよく真似るアカメ。
カチャカチャ
「ジャイアン、それパンじゃなくてお皿だよ。」
何故か泣きながら空になった茶碗に齧り付くジャイアン。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ