ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第八章:放送を斬る

「あの、すいません!」

 

「???」

 

廊下を歩いていたアカメに一人の少女が駆け寄ってくる。

 

「アカメさんですよね?」

 

「・・・・うん。」

 

アカメは首を縦にふる。

 

「実はおりいって頼みたいことがあるんですけど・・・・・」

 

「???」

 

 

 

 

 

 

 

 

【食堂】

 

「はい、のび太!あ〜ん!」

 

そう言いながらスプーンでよそったご飯を突き出してくるクロメ。

 

「のび太、こっちに口を開けて!」

 

今度は負けじと、チェルシーがウイナーが刺ささったフォークを突き出してくる。

 

「ちょっと、私が先でしょう!」

 

「違うよ、私だよ!」

 

そう言いながら火花を散らすチェルシーとクロメ。この光景も日常茶飯事、ただ今日はいつもと少し違う。

 

「あれ、アカメは?」

 

いつものび太の隣に座っているアカメの姿がない。

 

「どうしたんだろう?」

 

「トイレかな?」

 

食事の時間にアカメが遅れるなんて今までなかったこと。それ故にのび太は胸騒ぎを感じた。すると

 

〜♪

 

どこからともなく、音楽が流れくる。

 

「こんにちは、お昼の校内放送の時間です。」

 

いつものように放送されるお昼のニュース、と言っても内容は三組の田中くんがコンクールで優勝した、二組の鈴木さんの犬が子供を産んだなど、途方も無い事ばかりなのである。のび太はそんなことは気にも止めず席を立ち、アカメを探しにいこうとするが・・・

 

「今日のゲストは学園が誇る四大美女の一人、アカメさんです!」

 

「ぶっ・・・・・・・・・」

 

アナウンサーの言葉に全員使っていた箸を止める。

 

「今日は宜しくお願いします!」

 

「・・・・・・・よろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカメの事が気になるのか、全生徒主に男子が放送の内容に耳を傾ける。

 

「アカメ・・・・・・大丈夫かな?」

 

そう言いながら心配そうに聞き耳を立てる彼女の婚約者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、最初の質問です。アカメさんは家では普段どんなことをなさっているんですか?」

 

「私は家では炊事担当だ。だから朝食、夕食、弁当は私が作っている。」

 

「なるほど・・・・とても家庭的ですね。それでは次の質問です、どういう男性が好みなんですか?」

 

「よく分からない。ただ焼肉は、肉汁がしたたっているのがいいな。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

その後も質問は続き、アカメはシンプルに答えていくが、いつの間にか話題が食物に変わっていた。

 

「それでは最後の質問です!あなたは野比のび太さんの事をどう思っていますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『「『!?』」』」

 

その質問に生徒たちだけでなく、のび太たちも聞き耳を立てる。

 

ゴクリ

 

食堂が静まり返り、皆が息を飲む。しばらく経つとアカメの口が開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はのび太が好きだ。できればずっと一緒にいたい。」

 

「いきなりの大・胆・発・言!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ガシャン

 

ガシャン

 

ガシャン

 

 

 

食堂のあっちこっちで茶碗が割れる音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「も、もう少し具体的に!」

 

「・・・・・・・私の全てはのび太のもの、そしてのび太の全ては私のものだ。」

 

昨日見た恋愛ドラマの台詞をカッコよく真似るアカメ。

 

 

 

 

 

 

 

 

カチャカチャ

 

「ジャイアン、それパンじゃなくてお皿だよ。」

 

何故か泣きながら空になった茶碗に齧り付くジャイアン。

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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