ドラえもん のび太のアカメが斬る！

第十四章：久々を斬る

OX高校では校門の前に人集りができていた。それに凄い数のパトカーが止まっている。

「あの、どうかしたんですか？」

スネ夫は野次馬の一人に声をかけた。

「なんでも銃を持った男たちが人質と一緒に学園にたてこもっているらしいよ。」

「銃？」

その言葉に唖然とするジャイアンとスネ夫。だがしばらくすると

「これだ！」

ジャイアンが何かを閃いた。その様子にスネ夫は

（・・・ジャイアンの閃きなんてまたロクなものじゃないぞ。）

「ジャイアン、やめようよ！！」

「何言ってんだ、これはチャンスなんだぞ！！」

ジャイアンは塀を乗り越え、校舎へと侵入する。そしてそれを止めようとするスネ夫。

「お前、いつものび太にいいカッコされて悔しくないのかよ！？」

「そりやぁ、悔しいけどさ・・・・・。」

「ならここで手柄を立てれば、のび太を見返せる。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「それにチェルシーちゃんもお前の事を・・・・・」

その言葉にスネ夫は黙り込む。

「チェルシーちゃん・・・・・・・・。」

頭も顔も良い。お金だってある。力もある。だがアカメとチェルシーの目線の先にはいつものび太がいる。彼女たちはいつものび太の隣をあるいている。彼女たちだけじゃない。クロメも、レオーネも、シェーレも。全てにおいて自分たちより劣っているのび太の隣を歩きたがる彼女たちをジャイアンや他の男子たちは理解できなかった。

のび太たちの学校がテロリストたちにのっとられてから数分後。

「急がないと。」

「ええ。」

早朝、飼育小屋のウサギに餌をあげてたおかげで難を逃れた男女、出木杉 英才と源静香。すると彼らは突然横から声をかけられる。

「どうするんだ？」

「もちろん、ドラちゃんに知らせるのよ。ドラちゃんに頼めば、テロリストの一人や二人・・・・・！？」

突然声をかけられたことに驚き、二人は視線を横に向ける。

「レ・・・レオーネさん！？」

「どうしてここへ！？」

そこにいたのはのび太の婚約者である金髪の女性。

「騒がしかったから見に来た。ところでこれはなんの騒ぎだ？」

「なんでも銃を持った人たちが人質と一緒に学園にたてこもっているらしいんです。」

「銃？」

出木杉は状況をレオーネに説明する。

「よーし、久々に楽しめそうだな！」

そう言うとレオーネは校舎に向かって歩き出す。

「ま・・・待ってください！！今がどういう状況か分かってるんですか？」

そんなマイペースな彼女の後を二人は慌てて追いかけた。

【校舎の中】

「ああっ！！」

「これは・・・・」

校舎の中には教師たちの死体が転がっていた。

「おええええええ。」

その酷さに静香は突然吐き出してしまう。

「気をつけろ、二人とも。犯人はまだ近くにいるぞ。」

レオーネの言葉に出木杉は落ち込む。

「ど・・・どうして僕たちが命令される方に・・・・」

年下とはいえ、校舎の事は自分たちの方が詳しい筈なのに。そんな二人をよそにレオーネは腕を回し始める。

「さーて、始めるか！」

「『？？？』」

「変身、ライオネル！！！」

パキッ

レオーネのベルトが光り出す。

「『！？』」

ズッ

「よしっ、この格好になると昂ぶる昂ぶる！」

久しぶりに獣化し、笑みを浮かべるレオーネ。

「「・・・・・・・・。」」

その様子に二人は唖然とする。

「ぐあっ」

レオーネは見回りに来ていたテロリストの一人を瞬殺する。

バタン

「あー、バッチイ。バッチイ。」

そう言いながら手を振るレオーネ。

「『・・・・・・・・・・・。』」

一方で、静香と出木杉は愕然としていた。ただの美人だと思っていた彼女が、何かとてつもない力を秘めていた。 しかも、この上なく強い。頼れる味方だったという喜びよりも、もし彼女が牙をむいたら、という恐怖が、二人の胸の中に広がっていく。 静香は思わず身震いした。

（アカメさんたちもそうなのかな・・？もしそうなら・・・・・これからどう接すればいいんだろう。

そんな疑問を抱えながら、静香はレオーネの後を追うのであった。