ドサッ
「いいか、これに懲りたら二度と俺たちに逆らうなよ!!!」
そう言うと不良たちは笑いながらその場を去って行った。そして後には
「う〜。う〜。」
全身傷だらけのジャイアンだけが残された。そして彼の心には悔しさだけが残った。あれだけ訓練したのに、あれだけ練習したのに、それなのに。それなのにいとも簡単に負けてしまった。しかもそれがアカメやクロメではなく。唯の不良たちに。
「・・・・・・・・・。」
これではのび太に追いつくどころか、距離は広がる一方だ。
「・・・・・・・・・・。」
するとジャイアンは昼間の事を思い出す。アカメの膝の上で磨かれていたあの妖刀。
(いいなあ〜。俺もほしいな〜。・・・・・・・・)
するとジャイアンの顔に段々と笑みが生まれる。
「欲しいものはどんな手を使ってでも手に入れるのが俺様だ!」
ジャイアンはこの時あることを決心する。
そして次の日。
コンコン
ガチャ
「『こんにちは!!!』」
「いらっしゃい。」
朝早く野比家の玄関を叩くジャイアンとスネ夫をシェーレが出迎える。
「のび太はいます?」
「のび太なら出かけましたよ。アカメとクロメも一緒です。」
幸運な事にのび太はクロメに連れられて、遊び(デート)に出かけたらしい。そして何故か二人に監視役と良い、付き添うことにしたアカメ。
ニヤリ
チャンスとばかりに内心笑みを浮かべる二人。
「実はこの間、のび太の部屋に忘れ物しちゃって、取りに行ってもいいですか?」
そのお願いにシェーレは少し考える。友だちとはいえ、他人に自分の部屋を荒らされるのは気分が悪いものだ。たとえどんな理由があろうとも。
「・・・・・・・・・・。」
コクリ
ジャイアンは目線でスネ夫に合図するとスネ夫は頷く。
「あの・・・・・シェーレさん、これ。」
スネ夫はお見上げ用のケーキを取り出す。
「みんなで食べましょうよ!」
そう言いながらスネ夫はシェーレを玄関から台所へと誘導する。そして二人が台所に入ったのを確認するとジャイアンは急いで階段を上がり、のび太の向かいにある部屋に入った。
「!!!」
部屋には女の子独特の香りが漂っている。最近何故かオシャレに気を使うようになったアカメ。それは彼女が『恋をしているから』ともっぱらの噂だ。それ故に彼女が以前よりも可愛く、美しく見えているのだ。
「いい匂いだ〜〜。」
部屋の香りにジャイアンは癒されている気分になる。そして数分後、我に返ると部屋の中を見渡す。そしてタンスの上に置いてある刀に目を向ける。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ