そして数日後、怪我も完治し、何事もなかったかのように空き地で野球をするジャイアンたち。するとそこへ
ザッ
「・・・・・・・・・・・・・。」
梨華が姿を現す。彼女に気づくと、ジャイアンたちは動きを止める。
「あれって・・・・・・・」
「うん、多分ね・・・・・・・・・」
梨華が包みを大事そうに抱えている。その包みに何が入っているのか三人は知っていた。何故なら今日はバレンタインデー。世界各地でカップルの愛の誓いの日とされる日だ。
「・・・・・・・・・・。」
のび太は数日前のジャイアンの姿を思い出す。体を張って女の子を守ったジャイアン。あんなカッコイイ所を見て、惚れない女性はいない。なのでのび太は梨華がジャイアンの勇姿に心を奪われたと推測した。
「・・・・・・・・・・・。」
告白現場にのような甘い空気が空き地を包み込む。のび太とスネ夫は気を効かせ、ジャイアンから少しづつ距離を取っていく。
「おめでとう、ジャイアン。」
「うん、お似合いだね。」
少し寂しい気持ちなるが、別に構わない。なぜなら彼ら三人はずっと『心の友』だ。それは変わらない。そしてこれからは『ジャイアンの恋を応援しょう』と心に誓う二人であった。
そしてしばらくの沈黙の後、梨華はジャイアンの元へと走り出す。その表情は少し赤らめていた。ジャイアンも頬を赤くしながら照れ臭そうにその場に立ち尽くす。
すると
その場にいた誰もが予想していない事が起こった。
「『「あれ?」』」
三人の声がハモった。
梨華はジャイアンの真横を通り過ぎると
「これ受け取ってください!!!」
のび太の真正面に立ち、包みを差し出す。
「・・・・・・・・・・・・・。」
のび太は無言でその包みを受け取る。
「野比のび太さん、好きです!どうか私と付き合ってください!」
そう言いながら顔を真っ赤にする梨華。
「『「・・・・・・・・・・・・・・・。」』」
少女の言葉に三人は唖然とする。
(何で?どうして?)
のび太の頭が混乱し始めた。つまり彼女の目線の先にいたのはジャイアンではなく自分だった。でも仮にそうだったとしても、あのジャイアンの勇姿を見て何とも思わないのかこの娘は?
「はっ!」
のび太は一瞬我にかえり、ジャイアンに視線を移す。
「・・・・・・・・・・・・・。」
ジャイアンはその場に固まったまま動かない。
「あの・・・・・・・ジャイアン・・・?」
スネ夫はジャイアンに近づき、呼びかけるが反応がない。すると
「遅かったか・・・・・・」
後ろで声がしたのでスネ夫は振り向く。するとそこには神主がいた。
「あ、あなたは?」
「彼奴についている悪霊は一体だけではなかった!」
「えっ!?」
そう言うとスネ夫はのび太に視線を移す。
「数十、いや数百体はおる。あれ程の霊を祓うのはワシには不可能じゃ!!」
「『!?』」
神主の言葉にスネ夫とジャイアンは呆然とする。
「そ、それじゃあ・・・・・・のび太はこれからもずっと女の子に・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
スネ夫とジャイアンは愕然とする。これから先何十、・・・・・・・いや何百という女性から告白され続けるのび太。ますます拡大していくのび太ハーレム。すると固まっていたジャイアンは
(おれは・・・・・・おれは・・・・・猛烈に!!!!!!)
ワナワナと震えだす。
3
2
1
0
「ぶっとばす!!!!!!!!!」
鬼神と化したジャイアンはバットを片手にのび太を追いかけ回す。
「うわあああああああああああああああ!!!!!」
そしてそんな彼から全力で逃げるのび太。
「のび太!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ