ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第七章:勝ち組を斬る

「なによ、これ?」

 

「これはウルトラミキサー。」

 

「ウルトラミキサー?」

 

のび太の説明に首を傾げるアカメとマイン。

 

「これでエクスタスとパンプキンを合体させよう。」

 

「合体!?」

 

のび太のとんでもない提案に唖然とする一同。当然だろう、帝具同士の合体なんて聞いたことない。むしろ土壇場でこんなこと言い出す馬鹿は普通いない。

 

「ダメだ、危険すぎる!」

 

アカメが真っ先に反対する。そもそも通常帝具は一人に一つ。もし一人が二つの帝具を同時に使ったら、その人間は崩壊する。ましてや合体した帝具ならなおさらのことである。

 

「情けだ、トドメを刺してやろう。」

 

いつの間にか上空にいるブドーが雷をまといながら叫んだ。

 

「浮いている・・・・!?帝具の力なのか?」

 

「あそこまで規格外とか・・・・!」

 

「くっ・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

「僕たちはここで終わらない。なるんだよ、勝ち組に!」

 

そう叫びながらのび太は吸引口の片方をエクスタスに付ける。のび太の言葉にマインはハッと我にかえる。

 

「!?」

 

マインは西の異民族とのハーフで、差別され続けた悲惨な幼少時代を過ごし、それゆえ国交で多くの血が入り交じった「差別のない」新国家を誕生させるために戦っている。差別されてきた反動からか、「勝ち組」への執着も強い。

 

「合体すれば本当にブドーに勝てるの?」

 

「マイン!?」

 

「わかんない、でも今より強くなるのは確かだよ。」

 

「我が帝具アドラメレクの奥の手、喰らうがいい!!」

 

マインはもう片方の吸引口をボロボロのパンプキンに付ける。

 

「全員で、誰一人欠けることなく、ここから戻るのよ!絶対に!」

 

「ソリッドシューター!!!」

 

巨大な雷の玉がのび太たちに向かって放たれた。のび太はスイッチを入れると、二つの帝具は中へ吸い込まれる。しばらくすると本体の上部から強い光が放たれ、

 

「こ、これは!!」

 

ブドーの巨大な雷の玉を消し飛ばし、そのまま周囲を包みこむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは・・・・。」

 

「眩しい。」

 

あまりの眩しさに、目を瞑る一同。

 

ギャアアアアア

 

ピユーン

 

二つの鳴き声が聞こえる。のび太は目を開けると、見たこともない二体の危険種がいた。二体は雄叫びをあげると、混ざりあうように体を重ね、消えていった。しばらくすると、本体の上部から何かが吐き出される。

 

「これは・・・・?」

 

合体、万物砲台「エクスキン」。吐き出された物を手に取るのび太。それはパンプキンでもない、もちろんエクスタスでもない。形は銃というより、バズーカに近いが引き金はなく、あるのは握り鋏(和鋏)。

 

「どう使うんだろう?」

 

すると空にいるブドーが叫んだ。

 

「アドラメレクよ・・・・轟雷を呼び込め!!」

 

「やばい!」

 

「マイン!のび太!」

のび太の結婚相手は?

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