プロローグ
「あのー、すいません・・・・・・・・」
突然声をかけられてのび太はドキッとしてしまう。声をかけてきたのは、格好から見て番組のレポーター。
「只今、番組の企画でカップルにアンケートをお願いしているのですけれど、ちょっとお時間よろしいでしょうか?」
「恋人?」
「いや、僕たちはそんなんじゃー」
ドカッ
「は、はい!恋人ですっ!私達アッツアツのカップルです!アベックなんです!近所では死んでも直らないバカップルって言われてます!」
チェルシーは思いっきり強烈に自分達が恋人だとアピールしまくっていた。しかもスリスリとネコのようにのび太の腕に頬を擦り寄せて、ラブラブっぷりをアピール。
「・・・・・・・・・・。」
のび太はチェルシーの態度に苦笑いしか生まれなかった。
見ているこっちが恥ずかしくなるくらいチェルシーは幸せいっぱいな感じで話す。アンケートに答えていくチェルシー。もはや美味しいものを食べているわけでもないのに、ほっぺが落ちそうなほど表情が緩んでいた。レポターもチェルシーの、幸せでノリのいい返答っぷりにエンジンがかかってきたようで、明るい口調で次々と質問してくる。
「彼氏の方にもお尋ねします。彼女の好きな場所を教えてくださいっ。」
「サバト霊園かな。」
ドス!!
「うふふふっ・・・・・・・もうのび太ったら、照れてバカなこと言わないの。『完璧に理想通りの女の子』っていってくれたじゃない!」
「言ったっけ、そんな事?」
ドスッ!!
僕に発言権!発言権を求む!
「いやー、先程から思っていましたが本当に中でいいですねぇ。こっちまで幸せになりそうです。」
「そ、そんな・・・・・恥ずかしいです・・・・・」
レポーターの感想にぽっと頬を染めるチェルシー。
(貴様の目は節穴かあぁぁっ!!どこの世界にここまで虐げられる中のいいカップルがいるのものがあぁぁっ!)
チェルシーを持ち上げるだけ持ち上げたレポーターは『アンケートにご協力いただきありがとうございました』と言って、また別のカップルのところへと向かっていった。
「いい人だったね・・・・・・」
チェルシーはぼーっとした様子だ。
「あ、ああ・・・・・・・そうだな。(僕は貴方に突かれて脇腹が痛いです。)」
のび太は、ため息をつく。
「そろそろ帰ろう、チェルシー。」
これ以上、恋人ゴッコして、チェルシーを調子突かせてはいけない。
「えー?『今夜は寝かせない』って言ったじゃない。もう少し見てこうよ?」
「言ったっけ、そんな事?」
ドスッ!!
チェルシーは人目も憚らず、堂々と腕を組み始めた。ぼよんと、柔らかな乳房が腕に押し付けられ幸せなハズなのに、のび太の目からは涙が止まらなかった。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ