「・・・あのさ。」
「・・・・何?」
「・・・あのさ、チェルシーは何で殺し屋に?」
「何でそんなことを聞くの?」
「いや、だって、興味あるでしょ?僕は成り行きでなったけど、チェルシーはどうなのかなって思ってさ。」
「ま、いいでしょ。教えてあげる。」
チェルシーはのび太の隣に座ると、自分の過去を話し始めた。
お前はとても優秀だな。期待しているぞ。
はい、お父様。一所懸命頑張ります。
頼んだよ。
・・・子供の頃から秀才で、器用で、お金に不十したことながなかった。
「実は私、地方の大商人の娘・・・・。」
「・・・・・お嬢様?」
その言葉にチェルシーは頷いた。
「チェルシー・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・。」
「嘘つくんだったらもっと・・・。」
ぎゅうーーーーーーーーーっ
「う・る・さ・い。黙って聞きなさい!!!!」
「ふいまへんへした(すいませんでした。)」
縦横無尽にほっぺをつねるチェルシーに半泣きになりながらギブを宣言しているのび太がいた。
「でもいいな〜。僕もそんな風に生まれたかった。」
「本当にそう思う?」
「勿論!!」
「・・・・・・・・・。」
ニコリと笑うのび太を尻目にチェルシーは話を続けた。
「でも私には小さい頃から出来なかったことがあったの。」
「???」
「友達作り・・・・・。だから学校でもいつも一人で過ごしてた。けど・・・」
「???」
「ある日、クラスの女子から急に親切にされ初めた。いつも一人だったから急に親切にされ始めて少し戸惑ったりしたけど。放課後みんなで一緒に帰ったり、おしやれを教えてくれたりするうちに感謝するようになって。ちょっとずつ仲よくなっていった。その時は生まれて初めて友達がたくさんできて嬉しかった。背一杯彼女たちに合わせた。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「でも彼女たちにとって私は・・・・友達ではなくて・・・金蔓だった。」
「???」
「だんだん彼女たちは私に高いものをねだるようになって・・・・それが嫌で彼女たちと一緒にいるのをやめた。そうしたら廊下で足を引っかけたり、無視をされたりするようになった。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「ある時・・・クラスメイトの財布がなくなったの。それでクラス全員で持ち物検査したら私の鞄から出てきて・・・まったく身に覚えがないのに先生が私を疑って・・・・・クラスのあちこちから私のことを・・・・あざ笑う声が聞こえてきて・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「親も、兄弟も、誰も信じてくれなかった・・・・。私は誰も信じられなくなった。結局私はお嬢様としか見られていなかった・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
友達、アンタ本気で言ってるの?
何で私がアンタみたいなとろい奴の面倒見てたか、分かってる? アンタの面倒みてやるとねぇ、内申書の足しになるからよ!
お金がないアンタに用はないわ!
「・・・・・・・・それでヤケになって殺し屋に?」
「・・・・・・違う。私が初めて人を殺した時、皆がホッとしていた・・・・喜んでいた・・・私は世直しをした。親の権力なんかじゃない・・・・。自分自身の力で・・・・・・腐敗した世界そのものを変えられるかもしれない・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・チェルシーも結構甘いんだね。」
「うっ!?」
ボコン
「・・・・痛っ。」
「違うわよ、私の精神衛生上の問題ね。」
「・・・・・でも、チェルシーは自分の本当にしたいことが分かってるんだ。うらやましいな。僕はまだわかんないんだ、本当は何がやりたいのか・・・。」
「そう?ひょっとしたらそれって案外、目の前にあるのに気づいてないだけかもしれないわよ。」
「・・・・・・・・・・目の前・・・・・。」
「それとね。さっき『誰も私を信じてくれなかった』って言ったけど。」
「???」
「一人いたの、信じてくれた人。」
「私、自分自身よ。」
「・・・・・・・・・・・。」
「人は自分自身を信じられなくなった時、本当の意味で死んでしまう・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「だから私は自分を信じて殺し屋になった。誰に言われたわけじゃない。腐敗した世界そのものを変えられると信じて。」
「うん。それじゃあ僕は・・・」
「???」
「僕はそんなチェルシーを信じるよ。狡くて、お転婆で、可愛くて、寂しがりやなお姫様を・・・・」
「!?」
「それが僕の『やりたい事」だよ!」
「//////!!!///////////」
ぺチン!!!
チェルシーはのび太の顔を思いっきり引っ叩いた。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ