ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第十章:怪物を斬る

その頃、新アジトでは

 

「フー。アジトに風呂があるっていいよな。」

 

「体を休めるのにちょうどいいわ。」

 

風呂に入りながら、体を休めるナジェンダとマイン。

 

「なぁ、マイン。」

 

「何よ、改まって。」

 

「心残りはないようにした方がいいんじゃないのか?」

 

「???」

 

ボッ

 

急に顔を真っ赤にするマイン。

 

「ど・・・どどどどどどどういう意味よ、それって!」

 

「私ほどの人間になると部下の心情が分かるわけだ。」

 

「今日も、昨日も、おとといものび太と一緒にいたもんな。ま、どうするかはお前次第・・・・」

 

「!!!」

 

「ボヤボヤしてるとレオーネに・・・・・」

 

バシイ

 

ナジェンダにお湯をぶっかけ、即退場するマイン。

 

「もうあがるわ!」

 

怒りながら脱衣場に向かうマイン。

 

「フ・・・若いな。」

 

そんな彼女をナジェンダはクスクスと笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『力でいままでお前を馬鹿にしていたヤツらに復讐できるぜ』

 

のび太の頭に浮かぶあの時の言葉。この何日間、彼は悩んでいた。何故なら、彼は学校では

 

「また遅刻か、のび太。廊下に立ってなさい!」

 

家では、

 

「勉強が勉強して勉強になって勉強する事が 勉強の勉強だから勉強なのよ!わかった!?」

 

そして友達には

 

「このまま無事に逃げられると思ったら、大間違いだぞ。必ず捕まえて空手の練習台に使ってやる。二、三十発は殴らせてもらうからな!」

 

「新記録だってねえ。すごいなあ。君のママが、この大二ュースを聞いたら、どんなによろこぶか。」

 

「ほほほほほ!忘れんぼのあんたが? 」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

すると突然声がした。

 

「お~い!こら、覗き魔!何してんのよ田舎者!!」

 

「!?」

 

振り返るとマインがいた。

 

「今日は手下としてあたしに付き従いなさい。」

 

「え〜っ!?また!?」

 

「いいから早く来なさいよ!」

 

マインの買い物に再び付き合わされることになったのび太。するとマインは突然立ち止まる。

 

「ねぇ、のび太。」

 

「???」

 

「この戦いが終わったら大事な話があるんだけど、聞いてくれない?」

 

「今じゃダメなの?」

 

「ダーメ。」

 

「???」

 

(これでいいわ。ボスとアタシの考えは逆。生き延びたいって気持ちを少しでも強くしないとダメよね。)

 

自分の気持ちを押しとどめるマイン。すると彼女は頭の中で声が聞こえた。

 

 

 

 

『目覚めよ・・・・・』

 

 

 

「!?」

 

 

 

マインはその場に崩れ落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああああああああ!!」

 

マインは頭を押さえながら苦しみだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『目覚めるのだ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『目覚めよ、サンプル M!!』

 

「いやあああああああああ!!!!」

 

「マイン、大丈夫!?」

 

のび太は急いでマインのもとに駆け寄るが

 

ボコォ

 

ボコォ

 

ブチッ

 

「何、これ!!?」

 

マインの背中から翼のような物が飛び出す。

 

『サンプル M。その男をやっザキにしろ。』

 

「!?」

 

その瞬間、マインの目から光が消える。

 

ボコォ

 

ボコォ

 

彼女の体はみるみる変化していく。

 

「な・・・・なんだコレは!コレじゃまるで・・・・危険種じゃない。」

 

ギャアアアアア!!!

 

最早、目の前にいるのはマインではなく、理性を持たないタダの怪物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドラえも〜ん!!!」

 

怪物と化したマインから逃げるのび太だったが、

 

「行き止まりだ・・・・・・。」

 

目の前には崖、後ろには怪物。

 

ギャアアアアア!!!

 

『さあ、やれ!サンプル M!!小僧の頭蓋を粉々に打ち砕いてしまえ!!』

 

「マイン!!!」

 

必死で彼女の名前を叫ぶのび太。

 

「・・・・・・の・・・・・び・・・・・・た?」

 

その叫びに怪物の動きが止まる。だが

 

『何をしている、早く砕け!!』

 

ギャアアアアア!!!

 

すぐに怪物はその鋭い爪でのび太を切り裂こうとする。

 

スルッ

 

「わああああ!!」

 

運悪く、のび太は足を滑らせて崖から転落した。

のび太の結婚相手は?

  • 静香
  • ジャイ子
  • 梨華
  • なつみ
  • その他

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