授業参観、学校で行われている授業の一環であり、生徒の保護者も教室に入り生徒の授業を見ることができる。
「・・・・・・・・・。」
玉子にとってとても憂鬱な日がやってきた。今まで何度もこの行事で恥ずかしい想いをしてきたのだ。だが今回は違う。何故なら、注目しなければいないのは息子だけではないのだから。
「〜♪」
音楽室に美しい歌声が鳴り響く。その声の主は黒板の前に立ち、先生の奏でるピアノの音色に合わせ、その美しい歌声を披露していた。
「・・・・・・・・・・。」
歌が終わると、観客から雨のように拍手が降り注いだ。
「御宅の娘さんたちは凄いですね!」
「羨ましいわ〜、一体どんな教育をなされてるんです?」
「今度、一緒にお茶でも。」
保護者たちは玉子に詰め寄る。アカメたちの優秀さに感激したのだ。
「それじゃあ次、野比!」
「・・・・・・・・。」
のび太は先生の言葉に答えない。
「野比?」
「すー。すー。」
なんとのび太は居眠りをしている。机に教科書を立て、そこに隠れた状態で机に突っ伏すという、見事な居眠りスタイルを実行していた。
「のび太さん!!のび太さん!!」
隣の席に座っている静香が小声で名前を呼ぶ。
ゆさゆさ
体を何度も揺するが、起きる気配がしない。そんな彼に玉子は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にし、担任は呆れてため息をつく。そして他の保護者たちもクスクスと笑い出す。
「なんであんなダメな奴がこの学園に通ってるだ?」
「さっさと退学すればいいのに・・・・・・」
「正直、何でクロメちゃんがのび太の親戚なのかねぇ・・・・」
教室にいる男子学生のほとんどがのび太をバカにしだした。
「待って、私は、そうは思わない。」
クロメは生徒たちにちょっとムッとしたのか、少し感情的にそう声を上げていた。
「だって、のび太はすごく優しい人なんだ。私が落ち込んだり困ってるときも、損得なしに助けてくれた。私はのび太に救われたし本当に感謝してる。それに私はのび太の事を愛してるんだから!」
クロメのひと言で、教室の中がにわかにざわつき始める。だが、まだクロメの言葉は止まらない・・・・。教室中の視線がのび太とクロメに集まっていた。なのにクロメは全然その視線に気付かず、みんなにのび太の良さを必死に訴えかけている。
「それにあの時だって、のび太は私に優しくしてくれた。・・・・・・・寂しいときにだってぎゅって抱きしめてくれたり、頭を撫でてくれたり・・・・」
どんどん、話がおかしくなってきた・・・・・。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ