キーンコンカンコン
「のび太さん、今日家に来ない?美味しいケーキを焼く予定なの!」
いつものように静香がのび太を遊びにお誘いする。そして毎度の事ながら彼女だけではなく。
「おい、のび太!今日のサッカーの試合、人数が足りねんだ!」
「入れてやるから、ありがたく思え!」
ジャイアンとスネ夫も現れる。普段なら喜ばしいお誘いなのだが、今日は違う。先客がいるからだ。
「のび太ー♪」
噂をすればなんとやらだ。のび太の耳が『ご飯よー』と言われたわんこのごとく、ぴくんと反応する。
「はい?」
すっかり帰り支度をしたクロメが、のび太の鞄を差し出し、
「約束でしょう?赤ちゃん♪」
と言った。クロメが公衆の面前で爆弾を投下する。
「『「『「『あ、赤ちゃんーーー!!!』」』」』」
静香は一瞬で石化する。
ざわざわ
ざわざわ
のび太と・・・・・クロメちゃんが・・・・あ、赤ちゃんですと・・・・・?
ざわざわ
ざわざわ
できたのか・・・・・作るのか・・・・・・
ざわざわ
ざわざわ
「語るに落ちたな・・・・・・」
スネ夫とジャイアンが、顔にタテ線を入れて青ざめている。そして、のび太を上から下へ、まるでイヤなモノを見るような目で見ていた。みんなが。みんなが、まるでのび太を欲望の権化か何かのような目で見ている。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよぅ!違うよ?違うんだ!違うんだってば!」
のび太が、引き気味の教室全体に、手をぶんぶん振って、周囲のざわめきを否定する。
「僕と、クロメは、親戚のお姉さんのお見舞いに行くだけでね?妊娠してるのはそのお姉さんで・・・・・」
ざわざわ
でも、のび太も・・・・・クロメちゃんも・・・・・あんなに中が良ければ・・・・・。
ざわざわ
弁解しても無駄だと瞬時に理解する。のび太はクロメの手を取り、急いで教室を出て行った。
そしてその後。のび太とクロメは病院へと歩き出す。
「あーうー、恥ずかしいナー、もう・・・・・・」
のび太は顔を真っ赤にしながら声を上げる。
「えへへ。まさかあんなことになるなんて、思わなかったね。」
クロメが頬を赤くしながら満更でもない笑みを浮かべる。
「まったく、できても作ってもないっての!」
腹の虫がおさまらないのび太は声を上げる。するとクロメは立ち止まり、空を見上げる。
「でも、たまに思うんだ。赤ちゃんほしいなぁって。」
ーぶふぅ!
クロメの発言に思わず吹いてしまう。
「あ、あ、赤ちゃんは、いくらなんでも早いだろう。」
「まあね。いくらなんでも、この歳では・・・・・・。」
「そうそう、お母さんもまだまだ頼りないしね。」
「それは酷いよ。」
「冗談。確かに今は頼りないかもしれないけれど、僕にとっては大切な頼りがいのある人だよ。」
「うん。いつか心身共に頼りがいのあるお嫁さんになれるように、頑張るよ。」
「期待してる。」
のび太とクロメは笑みを浮かべた。
のび太の結婚相手は?
-
アカメ
-
クロメ
-
チェルシー
-
シェーレ
-
レオーネ