ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第一章:赤ちゃんを斬る

キーンコンカンコン

 

「のび太さん、今日家に来ない?美味しいケーキを焼く予定なの!」

 

いつものように静香がのび太を遊びにお誘いする。そして毎度の事ながら彼女だけではなく。

 

「おい、のび太!今日のサッカーの試合、人数が足りねんだ!」

 

「入れてやるから、ありがたく思え!」

 

ジャイアンとスネ夫も現れる。普段なら喜ばしいお誘いなのだが、今日は違う。先客がいるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「のび太ー♪」

 

噂をすればなんとやらだ。のび太の耳が『ご飯よー』と言われたわんこのごとく、ぴくんと反応する。

 

「はい?」

 

すっかり帰り支度をしたクロメが、のび太の鞄を差し出し、

 

「約束でしょう?赤ちゃん♪」

 

と言った。クロメが公衆の面前で爆弾を投下する。

 

「『「『「『あ、赤ちゃんーーー!!!』」』」』」

 

静香は一瞬で石化する。

 

ざわざわ

 

ざわざわ

 

のび太と・・・・・クロメちゃんが・・・・あ、赤ちゃんですと・・・・・?

 

ざわざわ

 

ざわざわ

 

できたのか・・・・・作るのか・・・・・・

 

ざわざわ

 

ざわざわ

 

「語るに落ちたな・・・・・・」

 

スネ夫とジャイアンが、顔にタテ線を入れて青ざめている。そして、のび太を上から下へ、まるでイヤなモノを見るような目で見ていた。みんなが。みんなが、まるでのび太を欲望の権化か何かのような目で見ている。

 

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよぅ!違うよ?違うんだ!違うんだってば!」

 

のび太が、引き気味の教室全体に、手をぶんぶん振って、周囲のざわめきを否定する。

 

「僕と、クロメは、親戚のお姉さんのお見舞いに行くだけでね?妊娠してるのはそのお姉さんで・・・・・」

 

ざわざわ

 

でも、のび太も・・・・・クロメちゃんも・・・・・あんなに中が良ければ・・・・・。

 

ざわざわ

 

弁解しても無駄だと瞬時に理解する。のび太はクロメの手を取り、急いで教室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその後。のび太とクロメは病院へと歩き出す。

 

「あーうー、恥ずかしいナー、もう・・・・・・」

 

のび太は顔を真っ赤にしながら声を上げる。

 

「えへへ。まさかあんなことになるなんて、思わなかったね。」

 

クロメが頬を赤くしながら満更でもない笑みを浮かべる。

 

「まったく、できても作ってもないっての!」

 

腹の虫がおさまらないのび太は声を上げる。するとクロメは立ち止まり、空を見上げる。

 

「でも、たまに思うんだ。赤ちゃんほしいなぁって。」

 

ーぶふぅ!

 

クロメの発言に思わず吹いてしまう。

 

「あ、あ、赤ちゃんは、いくらなんでも早いだろう。」

 

「まあね。いくらなんでも、この歳では・・・・・・。」

 

「そうそう、お母さんもまだまだ頼りないしね。」

 

「それは酷いよ。」

 

「冗談。確かに今は頼りないかもしれないけれど、僕にとっては大切な頼りがいのある人だよ。」

 

「うん。いつか心身共に頼りがいのあるお嫁さんになれるように、頑張るよ。」

 

「期待してる。」

 

のび太とクロメは笑みを浮かべた。

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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