どうやら、随分と長い時間病院にいたようだ。暗いとまでは言わないが、もうすっかり夕方近くになったいた。
「なんだか、ホントに赤ちゃん欲しくなっちゃったかも。」
「・・・・・・・・・。」
「結婚して、子供を産んで、親子仲良く、素敵な家庭。」
のび太とクロメは、クレープ屋で、バナナプリンクレープを2つ買って、近くのベンチに腰を下ろす。そしてのび太はクロメに話しかける。
「もし、もしだよ。ホントにもし・・・・・・・」
「うん。」
「もし、僕達がこのまま、付き合い始めて。」
「そんなに、もしもし言うことじゃないじゃ、ないかな・・・・・」
「いや、でも、もし、このまま付き合ってけ、結婚することになってさ。」
「う・・・・・・、うん。」
「たぶん、子供も生まれるでしょう?」
「産むんじゃないかな・・・・・・、たぶん。」
のび太も、しどろもどろに喋っているが、クロメもなんだかもじもじと喋っている。
「子供さ、クロメは何人くらい欲しい?」
「いっぱい、欲しいかも・・・・・」
「子供達だけで、サッカーチーム作れるくらいの?」
「えっ、えっ、さすがに25人もいらないよぉ。」
・・・・・サッカーは11人です。
「とりあえず、最初は女の子がいいなぁ。それで男の子と女の子の双子とか。」
今度はクロメが口を開く。
「そういうのもいいな。」
「いいよね。いろんなカワイイ服着せたりしてみたいな。」
「やっぱ、小さい頃から、計画を立てて、いい幼稚園行かせて、いい小学校行かせて、いい中学校行かせないといけないんだろうな・・・・・・・」
自分自身を反面教師にして、のび太はそんなことを言った。
「そうかな。別にそんなことはないと思うけど。」
「でも、よく言うじゃない。いい将来を歩ませるには、幼稚園の頃から教育を始めないとダメ、みたいな。」
「私は、子どもは自由に育てるべきだと思う。」
「自由に育てるのもいいよね。音楽家にするとか画家にするとか、学者にするとか・・・・・あ、でもそういうのも専門学校とか必要なのか。」
「のび太、どうして、そういうことばっかり言うの?」
「え?そういうことばっかりって?」
「のび太、さっきからいい将来とかいい学校とか、結局子どもを縛ってるよ?」
「そうかな・・・・・。でも、やっぱり、ちゃんとした学校とか行かせないと、将来が心配じゃないか。」
「大切なのは、子どもの意志だもの。子どもは親の所有物じゃないんだからね。」
「でも、親には子どもをきちんと育てる義務があるんだ。」
「どっちにしても、押しつけはよくないよ。」
「押しつけじゃないってば。子どものことを考えてさ。」
「子どもにしてみれば、そんなのわかんないでしょう?」
「動物飼うのとは訳が違うんだから、好き勝手にさせる訳にはいかないって。」
「好き勝手にさせるって言ってるんじゃないよ。こどもの意志を尊重した育て方をしなきゃ、ダメなんじゃないの、って言ってるんだよ。」
「僕だって、尊重しないって言ってないだろ?ただ、親は子どもの将来まできちんと考えて育てていかなきゃいけないんじゃないかっての。」
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ