ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第三章:喧嘩を斬る

「今日ののび太、ヘンだよ。いつもは私の言ってること、ちゃんとわかってくれるのに。」

 

「わからないのは、クロメでしょう?別に僕はクロメの言うことを無視してる訳じゃないんだしさ。」

 

どうしてこうなっちゃったんだろ。多分、お互いは間違ったことは言ってないのに。考えてることだって、ホントはお互いに同じなのに。

 

「もういいよ。私帰る。」

 

「何も、そんなに怒んなくったって。」

 

「怒ってないよ。」

 

「怒ってるよ。」

 

「怒ってないよ。」

 

「いーや、怒ってる。」

 

「もう!怒ってないってば!絶対、絶対、絶対、怒ってないってば!」

 

クロメが、すっと立ち上がる。そして、つーんとわかりやすいふてくされ方をして、つかつかと歩いていく。

 

「クロメってば。」

 

クロメは、のび太の方を振り向くことなく、帰り道の方へ向かっていった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

久しぶりに見たクロメの怒った顔。わしゃわしゃと、髪の毛をかき回す。わしゃわしゃやっていると、なんだか余計に気が立ってきて、さらにわしゃわしゃと頭をかき回す。

 

(まあ、普通二人でずーっと一緒にいれば、この程度のケンカは何度もする訳で、たいてい次の日になれば機嫌は直っているものだ。うん、大丈夫。)

 

明日には機嫌が直ってる。自分だって、今のイライラ気分はきっと明日になったら直ってる。

 

「・・・・・・・・・・。」

 

でも、今日のケンカはちょっと違うような気がする。多分、親戚のお姉さんのお見舞いに行ったからだ。ああやって、これから本当に赤ちゃんを産もうっていう人を見たからだ。だから、自分もクロメも、ちょっと本気になっちゃったんだ。もし、これから二人で共に歩んでいこうとするならば、避けては通れない道。クロメの言うこともわかるけど、やっぱり自分も子どものためにきちんと考えるべきだとは思う。もちろん、クロメの言うことは、子供を放っぽってってことではないととは思うけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に帰り、布団の上に、どさりと身体を投げ出し横になる。天井を見上げながら、

 

「子供、かぁ・・・・・・・・・」

 

今のままなら、きっとそれは自分とクロメの子供だろうな。女の子なら、クロメ似ですっごいカワイイだろうな。男の子でも、やっぱりクロメに似ればすっごいカワイイだろう。自分に似たらーー。う、ヤな想像した。自分と同じ顔をした赤ちゃん。これが同族嫌悪ってヤツか。

 

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

明日は、ちゃんとクロメと仲直りしよう。

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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