「今日ののび太、ヘンだよ。いつもは私の言ってること、ちゃんとわかってくれるのに。」
「わからないのは、クロメでしょう?別に僕はクロメの言うことを無視してる訳じゃないんだしさ。」
どうしてこうなっちゃったんだろ。多分、お互いは間違ったことは言ってないのに。考えてることだって、ホントはお互いに同じなのに。
「もういいよ。私帰る。」
「何も、そんなに怒んなくったって。」
「怒ってないよ。」
「怒ってるよ。」
「怒ってないよ。」
「いーや、怒ってる。」
「もう!怒ってないってば!絶対、絶対、絶対、怒ってないってば!」
クロメが、すっと立ち上がる。そして、つーんとわかりやすいふてくされ方をして、つかつかと歩いていく。
「クロメってば。」
クロメは、のび太の方を振り向くことなく、帰り道の方へ向かっていった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
久しぶりに見たクロメの怒った顔。わしゃわしゃと、髪の毛をかき回す。わしゃわしゃやっていると、なんだか余計に気が立ってきて、さらにわしゃわしゃと頭をかき回す。
(まあ、普通二人でずーっと一緒にいれば、この程度のケンカは何度もする訳で、たいてい次の日になれば機嫌は直っているものだ。うん、大丈夫。)
明日には機嫌が直ってる。自分だって、今のイライラ気分はきっと明日になったら直ってる。
「・・・・・・・・・・。」
でも、今日のケンカはちょっと違うような気がする。多分、親戚のお姉さんのお見舞いに行ったからだ。ああやって、これから本当に赤ちゃんを産もうっていう人を見たからだ。だから、自分もクロメも、ちょっと本気になっちゃったんだ。もし、これから二人で共に歩んでいこうとするならば、避けては通れない道。クロメの言うこともわかるけど、やっぱり自分も子どものためにきちんと考えるべきだとは思う。もちろん、クロメの言うことは、子供を放っぽってってことではないととは思うけど。
部屋に帰り、布団の上に、どさりと身体を投げ出し横になる。天井を見上げながら、
「子供、かぁ・・・・・・・・・」
今のままなら、きっとそれは自分とクロメの子供だろうな。女の子なら、クロメ似ですっごいカワイイだろうな。男の子でも、やっぱりクロメに似ればすっごいカワイイだろう。自分に似たらーー。う、ヤな想像した。自分と同じ顔をした赤ちゃん。これが同族嫌悪ってヤツか。
「・・・・・・・・・・・・・。」
明日は、ちゃんとクロメと仲直りしよう。
のび太の結婚相手は?
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