「おい、見たか!?」
「見た見た。クロメちゃん、とうとうのび太に愛想尽かしたらしいな。」
「いい気味だ。」
影でクラスメイトが影口を叩く。
「あれぇ、のび太、どうしたんだ?」
「ため息なんかついて。」
顔を上げると、そこにはジャイアンとスネ夫がいた。二人とも顔がニヤついている。人の不幸がそんなに嬉しいか。
「こんにちわ。」
ジャイアンとスネ夫だけではなく。静香もやってきた。
「なんでため息をついているの?悩みなんかとは無縁のくせに。」
静香は、何故か嬉しそうにそんなことを聞いてくる。白々しい。
「人聞きの悪いことを言わないで。これでも結構デリケートなんだぞ?」
「じゃあ、そのデリケートなのび太さんに何があったのか聞かせてもらいましょうか。」
知ってるくせに。のび太は堰を切ったように話し始めた。
「ちょっと子供のことで喧嘩しちゃってさ。」
「『「子供!?」』」
「二人の赤ちゃんについて、ちょっと。」
「ちょ、ちょ、ちょ、ふ、二人の赤ちゃんてーーちょい待ちー!!あ、あ、あた、あたし達をいくつだと思ってるのよ!この歳で赤ちゃんて。」
静香は顔を真っ赤にしながら声を上げる。彼女の揚げた掲げた拳に、炎が宿る。赤い色は、さらに揺らめき、高温の無色へと変わっていく。周りの空気が熱で歪み、空気のその熱で、髪の毛や皮膚がチリチリと焦げていく。
「のーびーたーさーんー」
「待って、静香ちゃん!最後まで話を聞いてッ!」
「問答無用!女の敵!ここで朽ち果てろォォ!オオオッッ!!!」
振り上げ、一閃ーー。
ドコン!!
走馬燈。人は死ぬ時に生まれてから、今までの記憶を、色あせた部屋の中をかけめぐる走馬燈の光のように、一瞬の間に見るという。
結局、放課後になっても、クロメと言葉を交わす機会はなかった。機会が無かったというよりは、機会は作られなかったというのが、正しいか。相変わらず、クロメはのび太の顔を見ると、逃げるように立ち去ったり、クラスメイトの輪の中に逃げ込んだりしていた。そして、彼女はいつの間にか教室からいなくなっていた。比較的クロメと中の良いクラスメイトを捕まえて聞くと、「さっき帰ったよ。友達が誘いに来て」と言った。今日は一人で帰ろう。
「・・・・・・・・・・・・・。」
そして不運はまとめてやってくるものだ。
「おい、のび太!俺たちこれからサッカーの練習するんだ!」
「だから掃除当番やっといてくれ!」
突然、ぬうっと出てくる神出鬼没の悪魔たち。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ