「私、合コンに参加するよ。」
「ーーク、クロメ?」
「のび太が私に出ろというなら、私はそれに従うよ!」
クロメは強い意志でそんなこと言う。
「・・・・・・・・・・・。」
そして当日、外は若干の曇空。木枯らしがカタカタと窓を揺らしていた。アカメたちは六本木にある高級レストランの入口の前で伊奈子の到着を待っていた。このレストランは完全個室制と店員の質の高さが評判の店で、芸能人や議員などわけありの人間がよく利用していた。アカメたちは伊奈子の命令で、なるべく肌が露出するお洒落を強いられていた。
「『「『「・・・・・・・・・・。」』」』」
場の雰囲気に気圧されて無言で伊奈子を待っていたアカメたちの前にタクシーが止まった。タクシーのドアが開き、中から春物のコートの下にチューブトップ、ショートパンツといった格好の伊奈子が降りてきた。伊奈子はアカメたちの姿を一瞥するとアカメのシャツに手を伸ばし、首元までしっかり締められていたボタンを2つ外して襟を開いてしまった。
「もうちょっと色気出しなさい。ほら、これでいい!」
アカメはシャツを直そうとしたが、伊奈子に睨まれ、胸元が開いた恥ずかしい状態のままクロメ達と一緒に座席に向かった。個室は真ん中に長方形のテーブルがあり、その左右と奥側に革製のソファーが3つ設置され、それぞれのソファーに1人ずつ男が座っていた。向かって右側のソファーにはスーツ姿の若い男が座っており、伊奈子の姿を認めると立ち上がって声をかけた。
「伊奈子ちゃーん、待ってたよー!あっ、その娘たちが今夜の景品?」
「はい、そうです。こっちがアカメで、こっちがクロメです。そしてチェルシー、シェーレ、レオーネ、翼。ほらみんな挨拶して!」
猫をかぶって接する伊奈子に促されてアカメたちが挨拶すると、先程声をかけた若い男が立ち上がって男性陣の紹介を始めた。普通の合コンだと最初は男女が向かい合って座る形式になるところだが、この合コンは明らかに男女がセットで座るようにセッティングされていた。
「それでは、誰がどこに座るのかをゲームで決めたいと思います!」
アカメたちは一箇所に集められ、大きなローブを被せられた。あまりの大きさにアカメたち全員の身体が隠される。そして伊奈子は歌に合わせて、彼女たちの立ち位置を変えていく。
「終了!」
歌が終わると、伊奈子は再びマイクを取った。
「皆様、順番にローブの中に手を入れて、景品を引き当ててください。それではゲームスタート!!」
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ