ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第十三章:女の気持ちを斬る

「ーー雪、綺麗だ。」

 

「うん、そうだね。」

 

窓の外では、雪が降っていた。小さな白い粒がゆらりゆらりと、まるで風に乗って天から降りてくる妖精のように見えた。僕はみんなと一緒に窓の外を眺めていた。

 

「それにしても、素敵な部屋ですね。」

 

「高かったんじゃない?」

 

「まあ、それなりには・・・・・ね。」

 

「食事も凄かったし・・・・・。デザートなんて特によかったしね。あんなケーキ初めて。」

 

「喜んでもらえてよかった。」

 

「こんな綺麗なドレスももらって、今年のクリスマスは今までで一番かも。」

 

チェルシーはそう言って、くるりと回ってみせる。スカートがふわりと広がって、ポーズを取るチェルシーがなんとも言えず可愛らしかった。

 

「でも、こんなにまでしてもらわくてもよかった。大変だっただろう?」

 

「そりゃあ、大変だったけど・・・・。もしかしてこういうのは苦手だった?」

 

「そんなことはない。すごく嬉しいぞ。今もとっても幸せな気分。」

 

「ーーーーでもね、私たちのために野比くんが身体を壊したり、無理はして欲しくないかな。」

 

みんなが僕にぴたりと寄り添う。胸に預けられた翼の頭から、いい香りがして鼻をくすぐった。

 

「私たちはね、のび太がいてくれればそれでいいんだ。」

 

「そうそう。クリスマスだからって、特別なことがなくてもそれでいいの。」

 

「そりゃあもちろん、素敵なことがある方がいいに決まってるけどね。」

 

「今日まで、私はちょっとつらかった・・・・・」

 

「ごめん、そんな思いさせちゃって。」

 

「いや、全部私たちのためだったんだろう?嬉しいぞ、謝ることなんてない、ありがとう。」

 

「僕はちょっとみんなに甘えてたんだと思う。言わなくてもわかってくれるだろうって。」

 

「うん、でもね、やっぱり不安になるの。いくらのび太のことを信じてるつもりでも、好きな人から何もないと不安になるの。」

 

「女は、わかってても好きって言ってほしい生き物なんだよ?」

 

「そ、そうなんだ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・のび太、私たちのこと、好きか?」

 

「そりゃあ、もちろん。」

 

「ダメだ、ちゃんと好きって言ってくれ。」

 

アカメたちは、僕の顔を見つめてふふっと笑う。なんだか、『好き』という言葉を言うだけなのにやたらと照れくさくなってしまい、僕はつい顔を逸らしてしまった。なぜこんなに恥ずかしいのだろう。

 

「・・・・す、好きだよ。」

 

「ダメだ、ちゃんと私たちの顔を見て言ってくれ。」

 

アカメたちは僕の顔をくいっと自分たちの方へ向ける。アカメたちの大きな瞳の中に、僕が映っていた。

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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