ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第四章:バイオリンを斬る

「あ、チェルシーさん。まだいてくれた。」

 

「私?なぁに?」

 

廊下を歩いていたチェルシーに突然クラスメイトが話しかけてきた。

 

「あのね、もし時間あったら、ちょっとだけわたしの部につきあって!お願い!」

 

そう言われ、チェルシーは半端強制的に連れて行かれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う〜ん、じゃあ一曲だけだよ?」

 

チェルシーはバイオリンを片手にそんな事を言う。

 

「ありがとうございます!神様、仏様、チェルシー様っ!」

 

「みんな拍手!」

 

「そういうのはやめてー!弾くのやめるわよ?」

 

「余計なことしないでよ骨川くん!殺すわよ!?」

 

「ころっ!?す、すみませんでしたっ。」

 

「・・・・・・・・・・じゃあ。」

 

クラスメイトの頼みは、チェルシーにバイオリンを実演してほしいということだった。その話を耳にしたジャイアンが『俺も聴きたい!』と手を挙げ、結局全員ぞろぞろついてくれハメになった。のび太は興味がなかったので、そのまま帰ろうとしたが、チェルシーを放置するのは危険だと判断して、つきあうことにした。先程の様子から考えて、チェルシーが交換日記のことをぽろっと言い出しそうだったからだ。とはいえ。

 

「・・・・・・・うまい・・・・・・・・・・・な。」

 

「うん・・・・チェルシーさん上手・・・・・すごい・・・・・・・・・」

 

チェルシーは、バイオリンのコンクールでも入選の実績があるのだ。バイオリンだけではなく、ピアノ、絵画、お茶などでも入選の実績があるのだ。待てる者と持たざる者の差を、イヤでも感じてしまう・・・。チェルシー、恐るべき。いくらなんでもスペック高すぎる。

 

「すごい!すごい!チェルシーちゃん!すっごい素敵だった!うわぁ・・・・・・・・」

 

「や、やめてったら・・・・・照れちゃうじゃない。うふふ。」

 

クラスメイトのはしゃぎようにチェルシーは少し困惑していたが、満更でもなさそうだ。音楽のセンスの上に懐も深い。

 

「チェルシーさんチェルシーさん!あのね、次、次これやって!」

 

「ちょっとぉ。一曲って言ったでしょー?」

 

「私ももう一曲くらい聴きたいなー。」

 

「弾くのはチェルシーさんだから、無理にとは言えないけど・・・・わたしも。」

 

「もぉ・・・・・・。」

 

ふとチェルシーが顔を上げて、のび太と目があう。のび太はなぜか許可を求められた気がして頷きを返した。

 

「じゃあ、ホントにあと一曲だけだよ?」

 

「ありがとう、チェルシーさん!感謝感激っ!」

 

そしてチェルシーは再びバイオリンを演奏した。

のび太の結婚相手は?

  • アカメ
  • クロメ
  • チェルシー
  • シェーレ
  • レオーネ

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