「あ、チェルシーさん。まだいてくれた。」
「私?なぁに?」
廊下を歩いていたチェルシーに突然クラスメイトが話しかけてきた。
「あのね、もし時間あったら、ちょっとだけわたしの部につきあって!お願い!」
そう言われ、チェルシーは半端強制的に連れて行かれる。
「う〜ん、じゃあ一曲だけだよ?」
チェルシーはバイオリンを片手にそんな事を言う。
「ありがとうございます!神様、仏様、チェルシー様っ!」
「みんな拍手!」
「そういうのはやめてー!弾くのやめるわよ?」
「余計なことしないでよ骨川くん!殺すわよ!?」
「ころっ!?す、すみませんでしたっ。」
「・・・・・・・・・・じゃあ。」
クラスメイトの頼みは、チェルシーにバイオリンを実演してほしいということだった。その話を耳にしたジャイアンが『俺も聴きたい!』と手を挙げ、結局全員ぞろぞろついてくれハメになった。のび太は興味がなかったので、そのまま帰ろうとしたが、チェルシーを放置するのは危険だと判断して、つきあうことにした。先程の様子から考えて、チェルシーが交換日記のことをぽろっと言い出しそうだったからだ。とはいえ。
「・・・・・・・うまい・・・・・・・・・・・な。」
「うん・・・・チェルシーさん上手・・・・・すごい・・・・・・・・・」
チェルシーは、バイオリンのコンクールでも入選の実績があるのだ。バイオリンだけではなく、ピアノ、絵画、お茶などでも入選の実績があるのだ。待てる者と持たざる者の差を、イヤでも感じてしまう・・・。チェルシー、恐るべき。いくらなんでもスペック高すぎる。
「すごい!すごい!チェルシーちゃん!すっごい素敵だった!うわぁ・・・・・・・・」
「や、やめてったら・・・・・照れちゃうじゃない。うふふ。」
クラスメイトのはしゃぎようにチェルシーは少し困惑していたが、満更でもなさそうだ。音楽のセンスの上に懐も深い。
「チェルシーさんチェルシーさん!あのね、次、次これやって!」
「ちょっとぉ。一曲って言ったでしょー?」
「私ももう一曲くらい聴きたいなー。」
「弾くのはチェルシーさんだから、無理にとは言えないけど・・・・わたしも。」
「もぉ・・・・・・。」
ふとチェルシーが顔を上げて、のび太と目があう。のび太はなぜか許可を求められた気がして頷きを返した。
「じゃあ、ホントにあと一曲だけだよ?」
「ありがとう、チェルシーさん!感謝感激っ!」
そしてチェルシーは再びバイオリンを演奏した。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ