「仕方ない・・・・・・」
神様ロボットは面倒くさそうに杖をのび太に向ける。杖から光線が放たれ、光線がのび太にあたる。
「おもいっきり酷い目に合わせてやってください。」
スネ夫はにしにしと笑いながら、のび太を見る。
「ん?なんだ?」
三人分の飲み物を持ちながらのび太は立ち止まる。目の前に人集りが出来ていたからだ。
「なんかトラブルでもあったのかな?」
とりあえず、様子を見に行って見ることにする。ありえない数だ。しかもなぜか野郎ばっかり。
「ねぇねぇ、少しでいいから俺らと遊ぼうよ。」
「俺ら、地元では結構、名の知れたバンドやってんだぜ。今度、ライブに招待するよ。」
これは女の子を口説いてると言うか、ナンパか?ナンパ系のイベントか何か?
「そんなこと言わないでさ、一緒に遊ぼうよ。」
「俺、こう見えてもお笑い芸人目指してるんだ。トークにはかなり自信があるんだけどな。」
人垣の向こう側から、なにやら女の子の困ったような声も聞こえてくる。ってか、なんか聞き覚えのある声のような・・・・・。
「・・・・・・・・・・・。」
再び目の前の人垣を見やる。ものすごい数だ。
「・・・・・この中に飛び込むのか?」
もみくちゃにされるのは確実だった。しかし行くしかない。のび太は覚悟を決めると、人垣の中へと突っ込んだ。
「すいません、通してください!!」
人垣を掻き分けて、ぐいぐいと身体を押し込んでいく。
「バカッ!押すなよ、お前。」
「あだっ!」
いきなり顔面に肘が飛んできて、外にはじき出された。なんか目がちかちかするぞ。頬の辺りがじんじんと熱を持ってるし。だが、こんなことで怯むわけにはいかない。
「あがっ!うべっ!ほげっ!」
群がる人ごみを押し退けて先へ進む。何人か数え切れないくらいの人間を掻き分けて、ようやく人垣の中心にいるチェルシーとレオーネの姿を見ることができた。にしても、この数。
「『あ、のび太!』」
このふたりの人気の高さを改めて思い知らされる。
のび太は人垣に向き直る。
「はい、散った散った!見世物じゃないんだよ!」
「んだ、オマエ?いきなり来てなんなんだよ?」
「そうだ、お前こそ散れよ、ばか。」
「何様のつもりだよ?」
「何様ってーーーーー」
のび太は打開策を必死に考えていたが、元々そんなアイディアはこの程度のピンチでは浮かばないようにのび太は出来ている。なのでおもわず・・・・・・
「僕はこのふたりのーーーー恋人だ。」
全員の前で、そう宣言した。宣言してしまったのである。勿論、直後に(ムキになって余計な事を言うのが僕の悪いくせだ)と後悔したが、もはや後の祭り。
「『「『「こ、恋人って、ウソを吐くな、ウソを!」』」』」
「『「『「そんなわけないだろう!しかもこんな可愛い娘をふたり一緒なんて!」』」』」
「『「『「そんな嘘を我々が信じるわけないだろう?」』」』」
ごもっともである。だがここまで来たからには、もう後には引けない。
「嘘なんかじゃない!もし嘘だったら鼻で南京豆噛んでみせる!」
到底フォローできないほどに墓穴を広く深く掘るのび太。
「うそじゃないよ。本当だぞ。」
「え?」
ぎゅっ・・・・・・。
レオーネがのび太の腕をとった。ぴったりと身体をくっつけてくる。
「おねーさんはのび太のものだ❤」
「レオーネばっかりずるい。」
ぎゅっ・・・・・・。
負けじとチェルシーが反対側の腕をとった。
「わたしだってのび太のものだもん❤」
左右の腕をふたりにホールドされる。二人とも頬を赤くしながら、大勢に向かってそう宣言する。
「ま、まじかよーっ!」
「なんであんな奴に!」
「つーか、羨ましすぎんぞ!」
怒声とか、悲鳴とか、さまざまな声が飛び交う。嫉妬と悲鳴。そして恨みのこもった視線。
のび太の結婚相手は?
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アカメ
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クロメ
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チェルシー
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シェーレ
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レオーネ