ドラえもん のび太のアカメが斬る！

第十八章：クロメを斬る

「・・・・・・・・・・・・。」

毎月、二十二世紀で行われていた健康診断をサボっていたドラえもん。ここにきて、そのツケが回ってきたらしい。体が重い、吐き気が、目眩がする。

「ドラえも〜ん！！！」

ピクッ

のび太の悲鳴に反応する。

「眠る暇もないなんてのび太くんはホントに世話が焼けるなぁ・・・。」

なんとか体を動かし、後を追うドラえもん。

行き止まりだ。もう逃げ場はない。

「普通ならもう立ち上がれないのに・・・やるね。」

ジリジリと距離を詰めてくるクロメ。

「クロメ・・・なんで・・・・・・・・・。」

今、友達だと思っていた少女に殺されかけている。

「・・・・・のび太は優し過ぎるよ。・・・・ここで死んだ方が・・・・きっと楽だと思う。」

この星に来てからというもの、のび太は友達にことごとく裏切られる。

「のび太くーん！！！」

やっと追いついたドラえもんはのび太に剣を投げ渡す。

名刀電光丸＝　レーダーが組み込まれている剣。相手の動きをキャッチすると、自動的に相手を倒す装置が働く。敵洞察センサーが敵の動きを探り、コンピューターが敵の動きを上回る作戦を計算する。作戦の動作を、刀の柄に組み込まれている反射神経支配装置で使用者の反射神経に伝える。と同時に、反射神経を鋭くしてくれる。力が弱くても、電気ショックで相手を気絶させてくれる。

「！？」

「どんなに勉強ができなくても、どんなに顔が悪くても、どこかに君の宝石があるはずだよ。その宝石を磨いて磨いて魂をピカピカにしてみせてよ。！！！」

「・・・・・・・・・・・。」

「自信を持て！ぼくは世界一だと！」

「でも・・・・・僕はローグやアカメみたいに強くないし・・・・。」

のび太の言葉にドラえもんはとうとうキレた。

「男だろ、戦うぐらいの勇気をもて！！君の帰りを待っている人だっているんだぞ！！」

ガチン

クロメがのび太に斬りかかる。

（僕が・・・・ここで死ぬ・・・・・！？そしたら・・・・・

静香ちゃんに会えない。

セワシくんが生まれない。

それに・・・・・・

「私がお前を殺し屋にしたせいで・・・・」

頭を下げながら、涙を流すアカメ。

「違うよ、アカメ。」

「！？」

「悪いのはアカメじゃない。僕なんだ。」

「僕に力がなかったからだ・・・。」

「・・・・・のび太。」

「でもこれから頑張るよ。アカメが僕を助けてくれたから、それができるんだ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「ありがとう、アカメ。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「約束する、絶対強くなってみせる。だから・・・・・・。」

そう言いながら、のび太は小指を立てる。それを見たアカメも小指を立てる。

「・・・・・・・・・・・・・。」

二人はフック状に小指を曲げると、互いに引っ掛け合う。

「そんな訳には・・・・いかない！！」

クロメの刀を電光丸で受け止める。

「まだそこまで動けるなんて・・・・。」

クロメは驚く。

「絶対に！（クロメを殺さないと僕が殺される・・・約束が果たせなくなる・・・なら！）」

「なっ！？」

ガキッ

クロメの刀を吹き飛ばす。

「クロメ・・・・・覚悟！！」

のび太はクロメに斬りかかる。

「はあああああああああ！！」

剣を振り抜いたのび太を見て、クロメは笑みを浮かべた。

（良くできました・・・・。）