ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第一章:演技を斬る

「違うんだよ!これは全部チェルシーが・・・・!!」

 

「え〜、私のせい?のび太が望んだくせに。」

 

チェルシーは小悪魔のような顔でのび太を見た。一遍叩いてやろうか、本気でそう思ってしまう。

 

「のび太さん!!」

 

「ハァ〜。」

 

怒り狂う静香にのび太は深いため息をつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次!!!」

 

のび太は再びほろ酔い気分で自宅まで帰ってくる。

 

「ただいまー」

 

「のび太、お疲れ様!会いたかった!」

 

玄関を開けた途端、クロメが嬉しそうにのび太の胸に飛び込んできた。結婚してもクロメはクロメなのである。その後、アカメの時と同じようにクロメはのび太の上着を脱がせると、リビングのソファに座らせた。

 

「クロメ、実は今日はね・・・・・・・女の人と二人で飲んでたんだ。」

 

水を持ってきてくれたクロメに、再び思わせぶりな口調でそう言った。

 

「女と二人きり・・・・?のび太、それって・・・もしかして浮気・・・・?」

 

「うん。」

 

クロメは目を見開き、一歩後ずさりする。そして彼女の目から一筋の涙が溢れた。

 

「のび太・・・・・私のこと嫌いになったの?・・・私・・・・・何かした?・・・・・私・・・・・私」

 

あっ、まずい。やりすぎだ。慌てて訂正しようとするが、時すでに遅し。

 

「のび太に嫌われたくないよ!!!」

 

クロメはその場で泣き出してしまった。

 

「あ、クロメ、冗談、じょ『ドスン!!』」

 

言い終わる前にのび太の顔面に拳が減り込んだ。

 

「のび太。」

 

「!?」

 

思わぬタイミングでアカメが参加してくる。気がつくと、のび太の周りを残りのメンバーたちが取り囲んでいた。

 

「よくもクロメを泣かしてくれたな。」

 

「イジメ、かっこ悪いです!」

 

「のび太、お前に俺様のこの気持ちが分かるか・・・・・」

 

「覚悟はできてるよな、のび太。」

 

じりじりと狭められていくのび太包囲網。ジャイアンは指の関節を鳴らしながら不気味に白い歯を見せる。

 

「どうしますか、兄貴!」

 

「あ、兄貴?」

 

突然の新キャラ登場に演技を忘れていると、一同の視線が一点に向けられた。遅れてのび太も皆の視線をたどる。そこに、神はいた。

 

「やっちまいな。」

 

顎先はくいっと動かし、ドラえもんは火のついてない煙草を咥える。そして次の瞬間ーー

 

ドン!!

 

「ちょっ!?」

 

「うらぁぁっ!」

 

「クロメが味わった心の痛み・・・・・たっぷり、お前の身体に味わせてやるからな。」

 

「とりやあ!」

 

ドン!!

 

「ごふっ!?」

 

ドス!!

 

「うぶっ!?」

 

ドス!!

 

「ぐあぁぁっ!?」

 

ドス!!

 

「ぎぃゃああああああああぁっ!?」

 

薄れゆく意識の中で、クロメをみんなが笑顔で囲んでいるのが見えた。しばらくしてその輪が解け、一体のロボットを迎え入れる。周りでみんなが笑っていた。意識が遠のく。

 

「って・・・・・・みんな、本気でやったなぁ!」

 

急いでその場から起き上がる。危うく、いい話で終わらされるところだった!ここは怒っていいところなはず。

 

「のび太もお疲れっ!」

 

「のび太、とってもいい演技だったよ!」

 

「これにて一件落着ですー」

 

「勝手にまとめるなっ。みんな、手加減する気なかっただろう!」

 

「うん、いつでも本気で演じることを心がけてるし。」

 

「手加減は男らしくないしね。」

 

「別に日頃から恨んでたとか、そういうのはないわ。」

 

「それにしては、楽しそうに蹴ってたよね。静香ちゃん・・・・」

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