ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第二十章:思いを斬る(中編)

あの日、私はのび太と一緒にカフェに行った。

 

「はい、私の分のケーキもあげる!」

 

「・・・・・うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元気がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの・・・?何か思いつめた顔してるけど。」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしかして、相方(マイン)を殺したことをまだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おんやぁ。」

 

突然声がした。振り向くと、大臣の息子、シュラとワイルドハントのメンバーたちが立っていた。

 

「なんだなんだ。イェガーズにこんな上玉がいたのか!しっかり見てなかったから分からなかったぜ。」

 

シュラは強引に私の腕を掴んで引き寄せる。

 

「へぇ・・・クスリで強化されたタイプかお前?面白いな。よし!次のオモチャに任命する。喜びな!」

 

「!?」

 

「お前みたいなクスリ漬けの女とはやったことはねぇからな、面白そうだ。」

 

ペロッ

 

嫌らしく舌を出しながら私の腕を強引に引っ張る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいっ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ、のび太!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?お前はたしか・・・・・。」

 

のび太は拳をかまえる・・・・けど、足が震えてる。

 

「はあっ!一丁前にやろうっていうのか、おい。」

 

ワイルドハントのメンバーはのび太を見て笑いだす。

 

「・・・・う・・・・・・・う・・・・・・・・う・・・・・・。」

 

「おもしれ、お前ら手ぇ出すなよ!」

 

そう言うと、シュラは笑みを浮かべる。

 

「おら、俺一人だけで相手するぜ。かかってこいよ。」

 

「わあああああああ!!!」

 

シュラの手招きにのび太は突撃する。

 

バッ

 

ゴッ

 

「ははっ、よえー、よえー!俺は帝具も使ってないぞ、オイ!」

 

バッ

 

ゴッ

 

「血反吐ぶちまけな!!」

 

シュラはのび太をサンドバックのように殴り続ける。

 

ドンッ!!

 

「ガハッ。」

 

のび太は大量の血を吐き出し、倒れた。

 

バタン

 

「さあて。これからお楽しみだぜ。俺様得意の殴り殺しだ。ん?」

 

「・・・・・う・・・・う・・・・う・・・」

 

のび太は這いつくばりながら落ちたメガネを拾う。

 

「まだ、負けたわけじゃないぞ!」

 

のび太は再び拳をかまえるけど、足がまだ震えてる。

 

「何んだ?もっと殴られたいってか!」

 

「・・・・勝負はこれからだ・・・。」

 

今度はシュラがのび太に飛びかかる。

 

「コイツー!!」

 

「こいー!!」

 

バコン

 

メシっ

 

ビシッ

 

バタン

 

のび太は再びその場に倒れる。

 

「分かりきったことだろう。」

 

ヤレヤレとシュラは首を横に振る。

 

「・・・・・う・・・・う・・・・う・・・・・・ま・・・・だ・・・・」

 

『「!?」』

 

のび太は壁に手をつきながら、立ち上がる。身体中アザだらけだ。

 

「いい加減、しつこいんだよ!!!!」

 

シュラの顔から笑みが消える。

 

バコン

 

メシっ

 

ビシッ

 

バタン

 

「ハア・・・・ハア・・・ハア・・・・・これで懲りたか。ハア・・・・ハア・・・ハア・・・・何度やっても同じだ。いい加減、諦めろ。」

 

シュラは再び私の腕を掴むと歩き出す。

 

ガシッ

 

のび太はシュラの足にしがみつく。

 

「いい加減にしろよ、お前!!!!!!」

 

「嫌なんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

 

 

「友だちがどんどん死んでいく。それをタダ見てることしかできない、自分が!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・のび太・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう誰も死なせない!!僕が守るんだ!!」

 

べシッ

 

「しったことかよ!!!」

 

シュラの蹴りでのび太は吹っ飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてついに・・・・・・

 

「痛て!!止めろ、痛て!!」

 

のび太はシュラの耳やほっぺたを引っ張りながらしがみつく。

 

「分かった、悪かった!!俺の負けだ!!」

 

「『「!?」』」

 

ワイルドハントのメンバーはシュラの発言に驚く。

 

「シュラが負けた・・・・・?」

 

「嘘だろう・・・・・・・・。」

 

バタン

 

するとのび太はネジが切れたようにそのまま倒れこむ。

 

「くっ!」

 

シュラたちはそのままどこかへいっちゃった。私はすぐに倒れているのび太を抱き起こす。

 

「クロメ。勝ったよ、僕。」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔の形が変わってる。アザも・・・・・傷も・・・・・・・・血も出てる・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見たろ、クロメ。僕、一人で勝ったんだ・・・・。」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ・・・れ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涙?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私・・・・・・泣いてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕、一人で・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

涙が止まらない。嬉しいはずなのに・・・

 

 

 

 

 

「分かってるよ・・・・。」

 

 

 

 

冷たい雨が降り注ぐ中、私はのび太を強く抱きしめて、泣きながら何度もお礼を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴメンね。弱いとか言って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴメンね。情けないとか言って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう、大好き。

のび太の結婚相手は?

  • 静香
  • ジャイ子
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