ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第六章:過去を斬る(後編)

そしてある日、帝都の警備隊だったタツミの両親が死罪になったの。そしてこの頃から、タツミの出生につけこんだひどい仕打ちが始まった。普段からタツミを良く思っていなかったいじめっ子たちに加え、大人たちまでもが陰湿なイジメや嫌がらせをするようになった。しかもみんな巧妙に自分とバレないよう隠れてイジメを繰り返していた。

 

 

 

「出てけ、犯罪者!!」

 

「犯罪者の息子はこの村にいらない!」

 

「この村はお前みたいな奴が住むところじゃないんだよ!」

 

「死ね、犯罪者!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイツは危険すぎる。うちの子もアイツに怪我させられてるんだ!」

 

「このままではいつか、この村に大きな災いを齎すぞ、村長!」

 

「そうだ!そうだ!今のうちにどこか別の村にやってしまうべきだ!」

 

「そもそも、あんな奴を住まわせてるアンタもどうかしてる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

けどタツミはそんなこと気にもせず、いつも通り振舞っていた。

 

「元気だぜ。病気治して。なろうぜ、英雄に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

英雄それは私たちがその頃、良く読んでいた本の主人公。

 

「帝都で出世して一緒にこの村を豊かにしようぜ。」

 

あんなことをされても、村のことを考えているなんて。私の顔から自然と笑みが生まれる。

 

「うん!なろう。・・・絶対。絶対だぞ、タツミ!ね、イエヤス!」

 

私は振り向き、イエヤスに話しかける。だが、イエヤスは無言のまま何も反応しない。

 

「イエヤス?」

 

「えっ、あっ、何だ?」

 

「どうしたの?今日イエヤス、朝から変だよ。」

 

「えっ、あっ、別に何でもないぞ。」

 

「ホント?」

 

私とタツミは心配そうにイエヤスの顔を覗き込む。

 

「悩みでもあるのか?」

 

「ホ、ホントに何でもないぞ!」

 

「それならいいけどさ・・・。」

 

「あっ、そうだ。」

 

私は持っていたカバンに手を入れる。

 

「はい、これ。私たちの仲良しの印。昨日の夜、私が作ったんだよ。」

 

私は三つの人形のうち二つをタツミとイエヤスに渡した。

 

「大事にするよ。」

 

「ありがとう!」

 

するとタツミは意を決したように口を開いた。

 

「なあ・・・」

 

『「!?」』

 

「俺たち友達だよな?」

 

「そんなの当たり前でしょ!」

 

「友達に決まってるだろ!」

 

私たちの言葉にタツミの顔は笑顔になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、とんでもない事件が起こった。この村にある禁断の洞窟で保管してあった帝具が盗まれたの。

 

 

ドン

 

「いたな!」

 

大人たちがタツミの家に押しかける。

 

「いつか何かやらかすと思ってたぜ。」

 

「えっ?」

 

「こんな奴追い出しちまえ!」

 

「俺はなにも・・・。」

 

無罪だと主張するタツミを大人たちは罵倒する。すると大人たちの後ろから何人もの子供たちが顔を出す。その中には・・・・・

 

「えっ!イエヤス!」

 

大人たちは子供たちに視線を向ける。

 

「コイツらが白状したんだよ。お前に脅されてイヤイヤ帝具を盗んだんだってな!」

 

「えっ!?」

 

「脅して無理矢理悪事を働かせるとはとんでもねえ奴だぜ。」

 

「そんな・・・嘘だよ、な?俺、そんなことしてないよな?なあ、みんな?」

 

タツミは怯えた声で問いかけた。

 

「どうなんだ?お前らはコイツに脅されたんだよな?」

 

大人たちは鋭い口調で子供たちに問いかける。

 

「『「『「タツミに脅されました・・・・。」』」』」

 

イエヤスたちは口を揃えて答えた。

 

「嘘だ・・・。」

 

「タツミに無理矢理・・・」

 

「嘘だ・・・・。嘘だ!!!!!」

 

タツミは、信じられないとばかりに声を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてタツミは牢獄に入れられ、彼は何日も何日も泣き続けた。そして10年後、牢獄に村長がやってきた。

 

「タツミ、お前を帝都に引き渡す。」

 

「えっ!?どうして?何でだよ、村長!?村長!!」

 

「タツミ・・・・人を傷つけたり、盗みを働いた人は牢獄に入れられる。何故だか分かるか?」

 

「何を言っているんだ、村長?」

 

「怖いからだよ。怖いから閉じ込めるんだ。怖い人は悪い人。そしてタツミ、お前は誰よりも怖いんだ!お前を好きになる人なんているわけない!」

 

「だったら・・・・だったら最初から俺を引き取らなければ良かったじゃないか!!」

 

「お金だよ。お前を引き取る代わりにお前の両親が残した遺産が手に入ったんだ。お前を手放せば、遺産は帝都に返さなければならない。だがお前が罪を犯して捕まったとなれば、話は別だ。お前を犯罪者として帝都に引き渡たせば、遺産は返さんで済む。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「感謝するぞ、お前のおかげてこの村が豊かになる。我々が飢えて死ぬこともなくなる。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

タツミの中で何かが音を立てて砕け散る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大量、大量。今夜はご馳走だな!」

 

川で夕食の魚を釣り終え、私とイエヤスは村に向かっていた。

 

「まっ、これぐらいこのイエヤス様にかかれば朝飯前だな。」

 

「!?」

 

すると私は異変を感じ、立ち止まる。

 

「どうした、サヨ?」

 

「きな臭い・・・」

 

私たちは辺りを見渡す。そして

 

「おい、サヨ!あれ!」

 

「村が・・・・私たちの村が!!」

 

私たちは急いで村に戻った。だが火は村中に広がっていた。

 

ザッ

 

「タツミ!無事だったのね!」

 

見知った後ろ姿を見つけ、私は急いで彼に駆け寄る。だがタツミは私を無視して無言でイエヤスに近づいていく。

 

「あっ、あ、タツミ。あのときは・・・すまねえ・・・・・その・・・・・・」

 

タツミはいきなり左手でイエヤスの顔を掴む。すると

 

「燃え散れ。」

 

イエヤスの体は炎に包まれ、消滅した。

 

「タツミ・・・・・・。」

 

私は突然の事で動揺し、動けなくなった。すると一緒に様子を伺っていた村人たちが驚きの声を上げる。

 

「何しやがった⁉︎」

 

「・・・何って、ただのゴミ掃除だけど?」

 

「えっ!?(今、なんて言ったの?)」

 

タツミの発言に私は心の底から驚く。

 

「・・・・最後に一つ聞く。自ら帝都に出頭して法に裁かれるか、それともここで死ぬか・・・・、どっちがいい?」

 

タツミは持っていた村長の首を地面に落とし、踏みつける。

 

「ふざけんじゃねぇ、化け物‼︎」

 

「死ぬのは、お前だ‼︎」

 

村人が一斉にタツミに襲いかかる。

 

「そうか・・・・じゃあここで死ね。」

のび太の結婚相手は?

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