「全訪問の一斉射撃準備。まもなく完了。」
べしっ
ガシッ
ガガガ
ガシッ
帝国中にエスデスとのび太のぶつかり合う音が鳴り響く。
「素晴らしいぞお前たち、流石タツミが見込んだだけのことはある。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ナジェンダめ、秘蔵の帝具なぞ存在しないな。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「お前たちだ。お前たちが初めから私への対抗策だったのだな・・・・・」
ガガガガ
ガシッ
ガガガガ
ガシッ
「楽しいなぁ、のび太!」
笑いながら踊り続けるエスデスにのび太は口を開いた。
「人間同士が憎しみ合い殺しあう、理不尽な暴力と悲劇に満ちた世界・・・・・・・。」
「???」
「こんな腐敗した世界でも人の優しさや愛情というものはある。人は他人の幸せを共に喜び、他人の不幸を共に悲しむことのできる心も確かに持っている。」
ダメ!のび太がいなくなったらお姉ちゃんが悲しむし、私も嫌っ・・・!
約束しただろ!!!!生きて戻ると言ったのに!!!
「そしてそんな人の心を一度でも知ってしまったら、もう一人ではいられない。自分を受け入れてくれる誰かがこの世界にいるのだと知ったら、もう手を伸ばずにはいられない。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「この世界に財宝はあった。お金なんかよりも大切な宝が!!」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「そしてその宝を壊そうとするお前たちはここで死んでもらう・・・。」
「ふん。」
やれるものならやってみろとエスデスは鼻で笑った。
ガ
ガ
ガ
「ハア・・・・・ハア・・・・・・・ハア・・・・」
シコウテイザーとエスデス相手に肩で息をするのび太。
「力を振り絞っているな・・・いいだろう・・・」
エスデスは全身を巨大な氷の鎧で積み込む。
「これならどうだ、お前たちの攻撃も届くまい。」
のび太は悟った。まもなくシコウテイザーの一斉射撃が始まると。ならば撃たれる前に
「ハア、ハア、ハア、」
両手で胸の装甲を掴み、引き剥がす。露になったのは奇妙な光沢を放つ、透明の球体だった。状況が状況でなければ美しいとも思えたかもしれない。だが――それはあまりにも剣呑な光を帯びていた。違う。光が集まっていくのだ。淡い輝きが、徐々に強さを増し、そして収束し――
ドオン!!
解放された。
「いっけええええ!!!!!!」
のび太の放った光りがエスデスの氷の鎧を飲み込む。
「無駄だ!この氷は誰にも・・・・・・なに!?」
アカメ、クロメ、サヨ、レオーネ、シェーレが後ろからのび太を支える。その光景に驚くエスデス。
シュウー!!
「バカな!!」
全てを滅ぼす、恐るべき破滅の光。のび太の胸部から放たれたのは、まさにソレだった。エスデスの氷は消滅し、光がエスデスを包み込む。
ただ強いだけでは・・・・最後は結局負けるんだな。
・・・・・・すまない・・・・・タツミ・・・・・・
・・・・・・約束破ってしまったな・・・・・・。
この世界で己の欲するままに生きてきた。だが・・
・・・・・・お前には一度も振り向いてもらえなかったな、タツミ。
強大な光は、瞬く間にエスデスの肉体を飲み込み、そして、消し飛ばしたのだ。彼女は塵一つ、肉片一つ残すことなく、この世界から消滅した。
のび太の結婚相手は?
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静香
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ジャイ子
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梨華
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なつみ
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その他