ドラえもん のび太のアカメが斬る!   作:雛月 加代

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第七章:タツミを斬る(前編)

人気のない森の中でにらみ合う二人の少年。そしてそれを遠くから見守る黒髪の少女。

 

「・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

すると白髪の少年が口を開く。

 

「やっぱりこうなるのか・・・・・。」

 

「お前があくまでナイトレイド・・・・・人間の味方をするというのなら・・・・俺はお前を・・・」

 

「!?」

 

タツミの周りに禍々しいオーラが集まり出す。

 

「のび太!」

 

「くっ・・・・・。離れててクロメ!」

 

余りの衝撃に吹き飛ばされそうになる。するとタツミの手のひらに何かが集まり出す。

 

「黒い炎!?」

 

タツミはその炎をのび太目掛けて、解き放った。

 

「まずい!」

 

 

 

 

ドオーーーーン!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

瞬間移動で木の上に飛んだのび太。

 

「!?」

 

さっきまでいた場所の地形が変わっていることに驚く。

 

「お前は人間が憎くないのか!?奴らを許せるのか!?」

 

「くっ!」

 

のび太は振り返り光の波動を手から放出する。

 

ドオン!!

 

爆発音と共に大量の煙が周囲を囲む。

 

「僕は確かにバカだよ。いつも僕を虐め、罵倒してきた『人間』を守ろうとするなんて。でも・・・・これが僕なんだよ。」

 

煙の中から炎の腕が飛び出し、のび太の体を掴むと、そのまま地面に叩きつける。

 

「ぐはっ。」

 

のび太は血を吐きながらその場に倒れこむがすぐに立ち上がる。その光景にタツミは笑みを浮かべる。本来なら掴まれた時点で体が崩壊するのだが、どうやら身体能力も格段に上がっているらしい。

 

「人間は腐った生き物さ。自分とは違うものを受け入れようとせず、突き放すだけ。」

 

「(隙がない、近づけない・・・。)・・・・ハア・・・・・ハア・・・・・・ハア・・・・・・」

 

のび太は掴まれた部分に黒い火傷のようなものがあるのに気づく。

 

「帝具にしたってそうだ。始皇帝は『ずっとこの国を守っていきたい』という理由で作り上げたそうだが、結果はどうだ。未だに争いは無くなっていない。いや、寧ろ帝具のせいで増加する一方だ。国を・・・・民を守るどころか危険にさらしているじゃないか。そもそも国を守って生きたいのなら差別をなくす方法をを考えるべきだった。そんな簡単なことも分からないのが人間さ。」

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

「人間そのものが争いを招く種だ。そんな物に守る価値など無い!!」

 

タツミの炎の右腕が再びのび太に襲いかかる。

 

「今だ!!」

 

待ってましたと言わんばかりに腕をかわすと、タツミに向かって走り出す。のび太は手に念力を集めると光の大剣を作りだし

 

「いっけえええええええ!!」

 

水平に振り抜く。

 

「ふん!」

 

タツミは一歩後ろに下がり、それを左手で受け止める。

 

「受け止めた!」

 

「そんな・・・・・・・・。」

 

「ふう・・・・・あぶない・・・・あぶない・・・・。」

 

タツミは左手でのび太を剣ごと持ち上げると、そのまま投げ飛ばす。

 

「成る程・・・・以前より機動力も攻撃力もアップしている・・・・だが俺の敵じゃないな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝都に咲いている花や木がみるみる枯れていく。それだけじゃない、あまりの暑さに海や川は蒸発し、建物に火の気があがる。

 

ドオン!!

 

ドオン!!

 

のび太は再び光の剣を水平に振り抜く。

 

ガチン

 

だが再びタツミが片手で受け止める。

 

「くっ!」

 

「ふん!」

 

そして右手でのび太の左腕を掴む。

 

「あっ!?」

 

掴んだ瞬間、のび太の左腕が灰と化していく。

 

「くっ!」

 

ザクッ

 

ドサッ

 

のび太は咄嗟に左腕を切断する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「離れてのび太!!バリヤーを張って!!」

 

「うん!!」

 

クロメの言葉にのび太は後ろに飛ぶと念力で全身にバリヤーを張る。

 

ドオン!!

 

ドオン!!

 

その間、無数の黒い炎がのび太に襲いかかる。

 

「くっ!?」

 

ドオン!!

 

ドオン!!

 

バリヤーのおかげで致命所は避けられているがそれも時間の問題。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかしい・・・・普段ののび太ならこれぐらい・・・・もしかして一昨日からの戦いで・・・・」

 

助けに行きたい。でも今の自分に何ができる?立ち上がって数歩歩くのがやっと・・・・でもそれでも・・・

 

クロメは近くにあった岩に必死にしがみつきながら立ち上がろうとするが

 

バタン

 

そのまま倒れてしまう。

 

(お願い頑張って、のび太!!)

 

こんな時にもクロメは祈ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオン!!

 

ドオン!!

 

「わああああああああああああ!!!」

 

とうとうバリヤーは消滅し、黒い炎が次々とのび太に襲いかかる。

 

ドオーーン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タツミは大きなため息をつく。

 

「お前たちを呼んだ覚えはないぞ。」

 

煙が晴れるとそこにはアカメとサヨがのび太を背負いながら立っていた。

 

「・・・ハア・・・・・・ハア・・・・ハア・・・・・・・。」

 

のび太はサヨを突き放すとなんとか自分の足で立ち上がる。するとアカメは

 

「もういい、のび太!!そんな姿になって・・・お前はもう十分戦っただろう!!ここは任せて下がれ!!」

 

「・・・・・・・・ツミ・・・・・ケル・・・・。」

 

「???」

 

「・・・・・・タ・・・ツミ・・・・・トモ・・・・ダチ・・・・・・・・タス・・・・ケル・・。」

 

「・・・・・・・・お前という奴は・・・・今の状態でもそんなことを・・・・・。」

 

アカメはのび太の身柄をクロメに渡すと、村雨を鞘から引き抜く。

 

「任務を遂行する!!」

のび太の結婚相手は?

  • 静香
  • ジャイ子
  • 梨華
  • なつみ
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